制度

介護福祉のワンストップサービスとは?代理のオンライン申請・できる手続き・使い方を徹底解説

頼りがいのある表情で対応する女性

「介護ワンストップサービス」はマイナンバーカードを活用し、行政ポータルサイト「ぴったりサービス」を通じて、自宅から24時間365日手続きができる仕組みです。

仕事や介護で多忙な中、要介護認定の申請やケアプラン作成依頼などのために窓口の開庁時間に合わせて何度も役所へ足を運ぶ負担を減らすことが可能です。2025年12月現在、政令指定都市を含む全国の多くの自治体で導入が進んでいます。お住まいの自治体が対応しているかは、マイナポータルの「ぴったりサービス」で確認できます。

この記事では、介護ワンストップサービスで「できること」「具体的な申請手順」「家族やケアマネジャーによる代理申請のルール」、そして「自治体による対応の違い」まで、最新情報を基に徹底解説します。

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    介護手続きのために何度も役所へ行くのが大変だと感じている方
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    マイナンバーカードを使ったオンライン申請を知りたい方
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    家族やケアマネに代理申請を頼みたい、注意点を知りたい方
スマホを操作する人
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介護のワンストップサービスとは?

介護ワンストップサービスとは、介護に関わる人の負担軽減を図るため、マイナポータルの「ぴったりサービス」を活用し、介護保険制度の検索や申請手続きをオンラインで行えるようにする仕組みです。

厚生労働省が内閣府(現デジタル庁)と連携し、デジタル・ガバメント推進の一環として普及が進められています。

出典:介護ワンストップサービスにおける事務の運用について

窓口に行かずに申請できるオンライン制度

介護ワンストップサービスの制度の最大の特徴は、窓口に行かずにパソコンやスマートフォンから申請が完結する点です。

機能

内容

マイナンバーカードで認証

本人確認書類の写しや印鑑の代わりに、マイナンバーカードの電子署名(ICチップ読み取り)を使用し、確実な本人確認ができる

複数手続きをまとめて申請

要介護認定や負担割合証の再交付など、複数の手続きを一度に検索・申請できる

画像添付で手続き完結

医療保険証など必要書類を、スキャナやスマホで撮影した画像をアップロードすることで提出できる

出典:介護ワンストップサービスにおける事務の運用について

対象となる手続き一覧

厚生労働省が定める標準的な対象手続きは以下の通りです。ただし、自治体によって対応状況が異なるため確認が必要です。

手続き名

対象者

補足

要介護・要支援認定申請

本人・代理人

「新規」「更新」「区分変更」のすべてが対象

居宅(予防)サービス計画作成依頼

本人・家族・事業者

ケアマネジャーや事業所が決まった時の届出

介護保険負担割合証の再交付

本人

紛失時などに再発行を依頼

被保険者証の再交付

本人

紛失・破損時の再発行

高額介護サービス費の支給

本人

負担上限を超えた費用の払い戻し申請

負担限度額認定申請

本人

施設利用時の食費・居住費軽減の申請

福祉用具購入費の支給

本人

特定福祉用具購入後の還付申請

住宅改修費の支給

本人

手すり設置などの改修費申請

住所移転後の認定申請

本人

引っ越しに伴う手続き

※上記は厚生労働省が定める標準的な対応手続きです。実際の対応状況は自治体により異なるため、お住まいの自治体の公式サイトまたは「ぴったりサービス」のトップページで市町村を選択し、必ず確認してください。一部自治体では移送支援サービスなど独自の手続きにも対応しています(例: 長崎市)。
出典:介護ワンストップサービスにおける事務の運用について

ぴったりサービスとは?

「介護ワンストップサービス」という専用アプリがあるわけではありません。

デジタル庁が運営するマイナポータルの中にある検索・申請機能「ぴったりサービス」を利用して行う手続きの総称です。

ユーザーは『ぴったりサービス』上で、お住まいの地域(例: 〇〇市)と手続きのカテゴリー(高齢者・介護)を選び、検索から申請、書類添付、送信、受理確認までを一連の流れで完結できます。

出典:「介護ワンストップサービス」のご案内 ~ スマホ(パソコン)で申請できます ~ トップ

スマホを操作する人
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ワンストップサービスでできる具体的な手続き

2025年現在、多くの自治体でオンライン申請が可能です。

例えば長崎市では厚生労働省が定める標準的な手続きに加え、独自の手続きも電子申請に対応しています。

オンライン申請ができる手続き

基本となるのは以下の手続きですが、自治体により対応範囲が拡張されています。

  1. 要介護・要支援認定の申請(新規)
  2. 要介護・要支援認定の申請(更新)
  3. 要介護・要支援認定の申請(状態区分変更)
  4. 居宅(介護予防)サービス計画作成(変更)依頼の届出
  5. 介護保険被保険者証の再交付申請
  6. 介護保険負担割合証の再交付申請
  7. 高額介護(介護予防)サービス費の支給申請
  8. 介護保険負担限度額認定申請
  9. 居宅介護(介護予防)福祉用具購入費の支給申請
  10. 居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給申請
  11. 住所移転後の要介護・要支援認定申請

出典:静岡市|介護ワンストップサービスを利用した介護保険に関する電子申請のご案内
出典:長崎市ウェブサイト(介護保険課)- 介護ワンストップサービス(電子申請)
出典:京都市:介護ワンストップサービスの開始について

新規・更新・区分変更の違い

これら3種類の申請はすべて電子申請に対応しています。『要介護・要支援認定申請』として、オンライン上で区分を選択して申請可能です。

種類

目的

タイミング

新規申請

初めてサービスを利用したい時

介護が必要になった時

更新申請

継続してサービスを利用したい時

有効期間満了日の60日前から満了日まで(自治体から通知が届きます)

区分変更申請

状態が悪化し、介護度を見直したい時

随時(必要と感じた時にいつでも)


これらは全て「要介護・要支援認定申請」の一部として、オンライン上で区分を選択して申請可能です。

対応自治体の増加状況

2019年1月にガイドラインが公開され、その後各自治体で順次サービス開始が進められ、2023年には京都市などの政令指定都市が本格参入しました。2025年に入ってからも静岡市(2月時点)、長崎市(11月時点)が公式情報を更新するなど、全国の自治体で導入と運用が定着してきています。

※お住まいの地域が対応しているかは、ぴったりサービスのトップページ「市町村を選択」から確認が必要です。
出典:静岡市|介護ワンストップサービスを利用した介護保険に関する電子申請のご案内
出典:長崎市ウェブサイト(介護保険課)- 介護ワンストップサービス(電子申請)
出典:介護ワンストップサービスにおける事務の運用について

パソコンを操作する幼児とその保護者
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介護ワンストップサービスの使い方

ここでは、自宅からオンラインで介護手続きを行う具体的な流れを解説します。

申請は、デジタル庁(2021年9月以前は内閣府)が運営するオンライン窓口「ぴったりサービス」を通じて行い、マイナンバーカードを使って本人確認から書類提出まで完結できます。

スマホやパソコンがあれば、窓口に行かずに申請できるため、忙しい家族の負担軽減にもつながるでしょう。

準備するもの(マイナンバーカード・保険証・医療情報など)

介護ワンストップサービスで申請する前に、次のものを手元に準備しておきましょう。

必要なもの

内容

マイナンバーカード

有効な電子証明書が搭載されたもの

暗証番号

・署名用電子証明書(英数字6〜16桁)

・利用者証明用電子証明書(数字4桁)

利用デバイス

・マイナンバーカード対応のスマートフォン(マイナポータルアプリが必要)・または、パソコン+ICカードリーダー

添付書類の画像

手続きにより異なります(例: 要介護認定申請の場合は主治医の情報、医療保険証など)。具体的な必要書類は申請画面で案内されます。

暗証番号を忘れている場合は、自治体窓口で再設定が必要です。事前に確認しておくとスムーズです。

パソコン・スマホ別の利用方法

介護ワンストップサービスは、スマートフォンでもパソコンでも操作できます。以下の流れで手続きを進めます。

ステップ1|アクセス

  • マイナポータル内の 「ぴったりサービス」 へアクセスします。
  • お住まいの自治体を選択(例:静岡県静岡市)。

ステップ2|手続きの検索

  • メニューから 「高齢者・介護」 を選択します。
  • 申請したい手続きを検索(例:要介護認定申請)。

ステップ3|必要事項の入力

  • 画面の案内に沿って入力します。
  • マイナンバーカードを読み取ると、氏名・住所などは自動入力されるため、入力の手間が省けます。

ステップ4|書類を添付

  • 医療保険証など必要書類を、スマホ撮影またはスキャンしてアップロードします。

ステップ5|署名・送信

  • マイナンバーカードを再度読み取り、暗証番号を入力して電子署名を実行。
  • 問題がなければ、申請データが自治体へ送信されます。

 スマホのカメラで撮影した画像でも申請できるため、プリンターやスキャナーがなくても手続きが行えます。

申請後の流れ(審査→通知→サービス開始)

送信後、自治体の担当部署がデータを受理した時点が「申請日(受付日)」となります。 

審査期間は介護保険法第27条第11項により原則として申請日から30日以内とされています。ただし、認定調査の日程調整や主治医意見書の取得に時間がかかる場合など、調査状況により延長される場合があります(延長時は自治体から通知されます)。結果通知(被保険者証など)は原則として郵送で届きます。

※「被保険者証」の原本など、手続きによっては後日郵送での提出が求められる場合があります。
出典:介護保険法 | e-Gov 法令検索

パソコンを操作する夫婦
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介護ワンストップサービスは代理申請できるの?ケアマネ・家族の注意点

高齢の親に代わって家族が申請したり、ケアマネジャーが手続きを代行することは可能です。

ただし、オンライン申請では 本人とは異なる「代理人の本人確認」 が必要になるため、紙での申請とは異なる注意点があります。

ここでは、2024〜2025年の最新ルールや必要書類、よくあるトラブルを解説します。

2024〜2025年の「代理申請」最新ルール

オンラインの介護ワンストップサービスでは、次の人が代理申請を行えます。

代理できる人

本人

申請者自身

代理人(家族・親族)

配偶者、子ども、きょうだいなど

ケアマネジャー

指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員

重要ポイント

代理申請では、代理人自身のマイナンバーカードで電子署名を行います。本人のカードを使うと手続きが完了しないため注意が必要です。

必要書類と委任状

代理申請では、システム上で「代理権を証明する書類」 の添付が求められます。

代理人の種類

必要書類

法定代理人(成年後見人など)

戸籍謄本、登記事項証明書等

任意代理人(家族・ケアマネなど)

本人が署名した委任状

本人が署名できない場合

介護保険被保険者証など、自治体が定める書類による代替が認められる場合があります(事前に自治体窓口への確認が必須)

自治体例

静岡市・長崎市などでは、PDFの委任状テンプレートが公式サイトからダウンロードできます。

出典:静岡市|介護ワンストップサービスを利用した介護保険に関する電子申請のご案内
出典:長崎市ウェブサイト(介護保険課)- 介護ワンストップサービス(電子申請) -

よくある失敗(画像添付忘れ・本人確認不備など)

オンライン申請には便利さがある一方、書類の撮影や本人確認での不備が原因となり、手続きが止まってしまうケースが少なくありません。

特に、画像の品質や暗証番号の入力ミスには注意が必要です。

よくある失敗

注意点

画像の不鮮明による再提出

書類を撮影するときは、文字が読み取れる明るさ・解像度で

原本郵送の不足

一部手続きは電子申請後に原本郵送が必要な場合があります(申請画面で指示されます)。郵送期限を必ず守ってください。

暗証番号のロック

連続で間違えると役所窓口でしか解除できない

トラブルを避けるためには、事前に暗証番号を確認し、書類は影や反射を避けて撮影することが重要です。

撮影環境を整え、アップロード前に文字がはっきり読めるか必ずチェックしましょう。

窓口で説明をする職員女性
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介護ワンストップサービスはオンラインと窓口どっちがいい?特徴の比較と選び方

介護手続きは、オンライン(ワンストップサービス)と、従来の窓口申請のどちらでも行えます。

それぞれの特徴を比較すると、「利便性のオンライン」「サポート重視の窓口」 という違いが明確です。

特徴

オンライン申請(ワンストップ)

窓口申請

受付時間

24時間365日(メンテナンス時除く)

平日の開庁時間のみ

場所

自宅・職場など、どこからでも可能

役所の窓口に出向く必要あり

所要時間

移動なし・待ち時間なし

移動+窓口の待ち時間あり

必要機器

スマホ または PC+ICカードリーダー

本人確認書類のみ

サポート

ヘルプデスクによる操作案内

職員が対面で書類記入を補助

不備対応

メール・電話で再提出依頼

その場で修正してもらえる

日中に役所へ行く時間が取れない方や、スマホ・PC操作に慣れている方にはオンライン申請がおすすめです。移動や待ち時間を気にせず、自宅から手続きが完了します。

一方で、機械操作が苦手な方や、書類の書き方に不安がある場合は窓口での申請が良いでしょう。

担当職員がその場で不備を確認してくれるため、スムーズに手続きを終えることができます。

電話対応をするオペレーターの女性
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介護ワンストップサービストラブル時の問い合わせ・サポート窓口一覧

オンライン申請で困った場合、問い合わせ先は 質問内容によって国と自治体に分かれます。

基本ルールは、「操作方法→国」「制度の内容→自治体」 です。間違えて問い合わせると解決までに時間がかかるため、まずはどちらの相談かを確認しましょう。

ぴったりサービス問い合わせ(操作方法)

ログイン・電子署名など、スマホやPCの操作に関するトラブルは、国の窓口が対応します。

相談内容

担当

ログインできない

ぴったりサービス(マイナポータル)

電子署名の操作方法が分からない

アプリのインストール・カード読み取り不良

マイナンバーカード総合フリーダイヤル

  • フリーダイヤル:0120-95-0178
  • ガイダンス:「4」→「1」
  • 受付:平日 9:30〜18:30

※デバイス操作や技術的な質問に対応します。

自治体窓口(制度内容・必要書類)

介護保険制度についての相談や、手続きごとの必要書類は自治体が担当します。

相談内容

担当

要介護認定とは?

お住まいの自治体の介護保険課

どの書類が必要?

代理申請時に必要な書類は?

自治体の問い合わせ例

  • 静岡市:福祉事務所 高齢介護課(054-221-1548)
  • 京都市:介護認定給付事務センター(075-708-7711)
  • 長崎市:福祉部 介護保険課( 095-829-1163)

なお、制度の内容や添付書類に関する質問は、国の窓口では回答できません。「何を提出すべきか」「代理申請の可否」などの相談は、必ず自治体へ問い合わせましょう。

出典:京都市:介護ワンストップサービスの開始について
出典:介護ワンストップサービスを利用した介護保険に関する電子申請のご案内
出典:介護ワンストップサービス(電子申請) - 長崎市ウェブサイト(介護保険課)

summaryまとめ
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まとめ

2025年、介護の手続きは「窓口で待つ」時代から「スマホで完結する」時代へとシフトしています。マイナンバーカードがあれば、仕事の合間や自宅からでも申請が可能です。 

最初は設定に戸惑うかもしれませんが、一度使い方を覚えれば、更新申請や負担限度額の申請など、繰り返し発生する手続きが大幅に楽になります。

ぜひ「ぴったりサービス」を活用し、介護の事務負担を減らしましょう。

ワンストップサービスに関する

よくある質問

Q.福祉におけるワンストップサービスとは?
A.

福祉におけるワンストップサービスとは、介護や障害福祉など複数の制度・支援に関する申請や相談を、1つの窓口やオンラインでまとめて行える仕組みです。

利用者の負担を減らし、必要な支援に速くアクセスできるようにすることを目的としています。

Q.介護ワンストップサービスで代理申請はできますか?
A.

はい、可能です。 指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員等は、代理人として電子申請を行うことができます。

その際、ケアマネジャー自身のマイナンバーカードが必要です。

出典:介護ワンストップサービスにおける事務の運用について

Q.介護のワンストップ窓口とは?
A.

介護のワンストップ窓口とは、要介護認定やケアプラン依頼など複数の介護手続きを、1か所の窓口またはオンラインでまとめて行える仕組みです。

手続きの簡略化により、利用者や家族の負担を軽減します。

Q.マイナンバーカードがない場合は?
A.

マイナンバーカードがない場合、オンライン申請は利用できません。 

本人確認に公的個人認証(電子証明書)を使用するため、マイナンバーカードが必須です。お持ちでない場合は、従来通り窓口または郵送で申請してください。
出典:介護ワンストップサービスにおける事務の運用について

Q.介護ワンストップサービスはケアマネを通さず家族だけで申請してもいいですか?
A.

はい、家族だけで申請することは可能です。ただし、要介護認定申請の段階から地域包括支援センターやケアマネジャーに相談することで、適切な申請内容や今後のサービス利用について助言を得られます。特に認定後のケアプラン作成には専門知識が必須となるため、認定結果が出る前から相談しておくとスムーズです。

執筆者

[介護サーチプラス]編集部

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