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免許返納のメリット・デメリットは?返納手続きや車の処分・活用も解説!

運転する高齢男性

高齢化が進む現代社会において、運転免許の自主返納は重要な選択肢のひとつとなっています。

事故リスクの軽減や生活の見直しにつながる一方で、移動手段の制限など不安も伴います。

この記事では、免許返納のメリット・デメリットをわかりやすく解説し、返納後の生活を安心して送るためのヒントをご紹介します。

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    免許返納を検討している高齢ドライバーの方
    運転を続けるか迷っており、返納のメリット・デメリットや手続き方法を知りたい方
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    家族の免許返納をサポートしたい方
    親や配偶者の安全な移動手段を確保しつつ、返納の判断材料を集めたい方
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    車の処分や活用方法を調べている方
    免許返納後の車の売却・譲渡・活用方法を具体的に知りたい方
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    返納後の生活手段を検討している方
    バス・タクシー・福祉サービスなどの移動手段や生活の変化をイメージしたい方
免許返納
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免許返納とは

制度の概要と対象者

運転免許返納とは、運転に不安を感じる方が自らの意思で運転免許証を警察署や運転免許センターなどに返納し、運転資格を放棄する制度です。特に高齢者が加齢による身体機能や判断力の低下を理由に返納するケースが多いですが、年齢に関係なく有効な運転免許証を持っている方であれば誰でも自主返納が可能です。

返納の手続きは、本人が窓口で申請するのが原則です。ただし、病気や入院等で本人の来所が困難な場合に限り、代理人による申請が認められることがあります(事前に本人への意思確認等が行われます)。詳細は各警察署へお問い合わせください。

ただし、すでに行政処分(停止・取消し)の対象となっている方は自主返納ができません。

※免許の有効期限が切れてしまった(失効した)場合でも、失効から5年以内であれば『運転経歴証明書』の交付申請のみ行うことが可能です。

免許返納後は、希望者に対して「運転経歴証明書」が交付されます。

この証明書は公的な身分証明書として利用でき、金融機関や役所などで本人確認書類として活用できます。

また、運転経歴証明書の提示で、自治体や企業による各種特典や支援サービス(交通機関の割引、買い物や配達サービスの優遇など)を受けられる場合もあります。

返納の背景と社会的意義

免許返納が広がっている背景には、高齢化社会の進展とともに、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化していることがあります。加齢に伴う身体機能や認知機能の低下によって、運転に不安を感じる高齢者や、その家族からの相談が増えており、事故防止の観点から自主返納の推奨が進められています。

また、警察庁や自治体は、運転免許返納をしやすい環境整備や支援制度の拡充に取り組んでおり、返納後も安心して生活できるよう、公共交通や生活支援サービスの充実を進めています。返納制度は、本人や家族の安心感を高めるだけでなく、地域社会全体の交通安全水準の向上や、事故の未然防止という社会的意義も持っています。

このように、免許返納は「運転の卒業」として、本人・家族・社会全体の安全と安心につながる重要な制度です。

鍵の受け渡しをする様子
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免許返納の主なメリット

交通事故リスクの低減

加齢によるリスクの増加
年齢を重ねると、視力や聴力、反射神経、判断力などが徐々に低下し、特に認知症や持病の影響で運転ミスが起きやすくなります。警察庁の統計でも、75歳以上の高齢ドライバーは「運転操作不適」による事故が他世代より多いことが明らかになっています。

事故の加害者・被害者になる不安の解消
免許を返納すれば、自分自身が事故の加害者や被害者になるリスクを根本的に排除できます。これは本人だけでなく、歩行者や他のドライバー、家族を守ることにも直結します。特に、万が一事故を起こした場合の精神的・経済的負担を未然に防げる点は大きな安心材料です。


社会全体の安全向上
高齢ドライバーによる事故が減少することで、地域社会全体の交通安全水準が向上します。事故のニュースが減り、地域住民が安心して暮らせる環境づく

経済的負担の軽減

車の維持費が不要に
自動車税、任意保険料、車検費用、ガソリン代、駐車場代、定期的なメンテナンスや修理費など、車を所有し続けるためには多くの固定費・変動費がかかります。乗らなくても維持費は発生するため、免許返納を機に車を手放すことで経済的負担が大きく減ります。

年間数十万円の節約効果
一般的な普通乗用車の場合、年間維持費は以下のような内訳となり、合計で年間30万円〜60万円程度かかります。

自動車税:年間2万5,000円〜4万円程度(排気量により変動)

自動車保険料:年間5万円〜15万円程度(年齢・等級により変動)

車検費用:2年ごとに10万円〜20万円程度(年間換算5万円〜10万円)

ガソリン代:月1万円程度(年間12万円程度、走行距離により変動)

駐車場代:月5,000円〜3万円程度(年間6万円〜36万円、地域により大きく変動)

メンテナンス・修理費:年間3万円〜10万円程度

※上記は目安であり、車種・使用頻度・地域により大きく変動します。

車の売却による資金化
不要になった車を売却すれば、まとまった資金を得られます。老後資金や生活費の足しにしたり、家族への贈与や新たな趣味の資金に充てることも可能です。

返納特典・支援制度の活用

運転経歴証明書の発行
免許返納者は「運転経歴証明書」を取得でき、金融機関や役所などで本人確認書類として利用できます。これは生涯有効で、身分証明書として安心して使えます。

交通機関やタクシーの割引
多くの自治体や交通事業者が、運転経歴証明書の提示でバスやタクシー料金の割引サービスを提供しています。例えば、タクシーチケットの配布や、公共交通機関の割引パスなどもあり、移動の不便さを大きく軽減できます。

買い物や生活支援の優遇
百貨店やスーパーでの配送料無料、飲食店や宿泊施設の割引、宅配サービスの優遇など、さまざまな生活サポートが受けられる場合があります。特典内容は自治体や企業によって異なり、地域によっては美術館や映画館の入場料割引など文化的なサービスも充実しています。

自治体独自の支援策
地域によっては、デマンド交通(予約制乗合タクシー)の利用補助や、シルバーパスの発行、ボランティア送迎サービスの提供など、独自の支援制度が整備されています。これにより、車に頼らない生活でも移動や外出の機会を確保しやすくなっています。

家族・周囲の安心感

家族の精神的負担が軽減
高齢の家族が運転を続けていると、「事故を起こさないか」「運転中に体調を崩さないか」といった心配が絶えません。免許返納により、家族は大きな安心感を得られ、日々の不安から解放されます。

周囲の人々も安心
友人やご近所の方々も、高齢者の運転による事故リスクがなくなることで、安心して接することができます。地域全体での安心感が高まります。

家族間のトラブル防止
運転をめぐる家族間の意見対立やトラブルも減り、より良い関係を築きやすくなります。家族の説得や見守りがストレスになっていた場合も、返納後は家族関係が円滑になることが多いです。

社会的責任の遂行

加害者にならないという責任感
「自分が事故の加害者になりたくない」という強い責任感から、免許返納を選ぶ高齢者も多いです。これは社会全体の安全意識向上につながります。

模範的な行動として評価
自ら進んで免許を返納することで、地域の他の高齢者や家族にも良い影響を与え、模範的な行動として評価されます。地域社会での信頼や尊敬につながることもあります。

地域社会への貢献
事故防止に協力することで、地域の交通安全活動や見守り活動に参加するきっかけにもなります。返納をきっかけに新たな社会参加やボランティア活動に関わる高齢者も増えています。

その他のメリット(悪用リスク回避など)

免許証の紛失・盗難リスクの軽減
免許証を持ち歩かなくなることで、紛失や盗難による悪用リスクを減らせます。不正利用やなりすまし犯罪の予防にもなります。

生活環境の見直し
車を手放すことで駐車場や車庫のスペースを有効活用でき、家周りの整理やバリアフリー化など、生活環境の改善につながる場合もあります。自宅のリフォームや庭の有効活用など、新たなライフスタイルのきっかけにもなります。

健康維持への好影響
歩行や自転車、公共交通機関の利用が増えることで、日常的な運動量が増え、健康維持や体力向上にもつながります。外出機会が増えることで社会参加の機会も広がります。

家族信託などの資産管理対策
認知機能の低下が心配な場合、免許返納のタイミングで家族信託(家族に財産の管理を任せる契約。認知症になる前に締結しておくことで、将来の資産凍結リスクを回避できる)など資産管理の仕組みを整えることも推奨されています。

保険等級の家族への引き継ぎ
自動車保険の等級が高い場合、一定条件下で家族に等級を引き継ぐことができ、家族の保険料負担を軽減できる場合もあります。

市民バスのバス停
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免許返納の主なデメリット

移動手段の制限・不便さ

車を手放すことで、日常生活における「好きな時に好きな場所へ行ける」という自由さが大きく損なわれます。特に地方部や過疎地域では、バスや電車の本数が少なく、最寄りの停留所や駅まで距離がある場合も多いため、日常の買い物や通院、役所手続き、友人宅への訪問などが困難になります。

悪天候時や夜間、急な用事など、公共交通機関が利用しづらい場面では、外出自体を諦めざるを得ないこともあります。

交通インフラが整っていない地域では、「買い物難民」「通院難民」となるリスクが高まり、高齢者の生活自立度が著しく低下することも指摘されています。

家族・周囲への負担増

移動のたびに家族や近隣住民へ送迎を依頼する必要が生じ、家族の時間的・精神的負担が増します。特に共働き世帯や家族が遠方に住んでいる場合、サポートが難しくなり、本人も家族もストレスを感じやすくなります。

友人やご近所に頼ることが増えることで、本人が「迷惑をかけている」と感じてしまい、外出自体を控えるようになるケースもあります。

例えば、週に3回の通院が必要な場合、そのたびに家族が仕事を調整して送迎する必要が生じます。また、日常の買い物も家族の休日にまとめて行うことになり、本人も家族も時間の制約を感じやすくなります。

生活の質(QOL)低下や孤立感

外出機会の減少により、地域活動や友人との交流が減り、社会的なつながりが希薄になります。これが孤立感や抑うつ傾向の強まりにつながることが、国内外の調査で指摘されています。

運転をやめることで自立した生活が難しくなり、要介護状態や認知症発症リスクが高まるという研究報告もあります。

日常的な運動量も減りやすく、体力や健康維持が難しくなる場合もあります。

趣味・生きがいの喪失

ドライブや旅行、友人との外出など、車を使った趣味や活動が制限されることで、生きがいを失う高齢者も少なくありません。

活動範囲が狭まることで、日常の楽しみや刺激が減少し、生活の満足度が下がることがあります。特に「自分らしい生活」を大切にしてきた人ほど、喪失感が大きくなりがちです。

身分証明書としての不便

免許証は主要な身分証明書として広く使われていますが、返納後は運転経歴証明書などを新たに取得する必要があります。

運転経歴証明書は、返納や失効から5年以上経過すると交付されない場合もあり、手続きや利用範囲に制限が出ることがあります。身分証明の場面で不便を感じることも多いです。

心理的影響・自己効力感の低下

「自立を失った」「役割を失った」と感じることで、自己効力感や自尊心が低下しやすくなります。

免許返納を強いられた場合、「外部からのプレッシャーによる怒り」や「生きがい喪失への危機感」など、心理的動揺が大きくなることが調査で報告されています。

無理に返納を迫られると、本人の納得感が得られず、家族との関係が悪化することもあります。

その他のデメリット(社会的役割喪失など)

これまで家族や地域で担ってきた送迎や買い物などの役割を失い、社会的な存在意義を感じにくくなる場合があります。

代替交通手段が有料の場合、交通費やタクシー代など新たな出費が増え、経済的な負担が増すこともあります。

返納後の生活設計や資産管理(例:認知症発症時の家族信託など)についても、事前の準備が必要です。本人や家族が十分な情報を持たずに返納を決断すると、後悔やトラブルの原因となることもあります。

海沿いを走るローカル列車
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返納後の生活への影響と対策

代替交通手段の確保

公共交通機関(バス・電車・タクシーなど)の利用が基本となります。多くの自治体では、免許返納者向けにタクシーチケットの配布や公共交通の割引パスなどの特典を用意しています。


地域によっては、デマンド交通(乗合タクシーや予約制バス)やコミュニティバスが整備されており、移動の選択肢が広がっています。

電動車いす(シニアカー)や電動アシスト付き自転車を利用する高齢者も増えており、短距離の移動や買い物に便利です。

家族や近隣住民による送迎も現実的な手段のひとつですが、家族の負担を考慮しながらバランスを取ることが大切です。

インターネット通販や宅配サービスの活用で、買い物や日用品の調達の不便さを軽減する事例が増えています。

オンライン診療や配食サービスの利用

移動が困難な場合には、オンライン診療(一部医療機関で実施、再診が原則)や訪問診療を活用することで、医療機関への通院負担を軽減できます。ただし、オンライン診療にはスマートフォンやタブレット、インターネット環境が必要であり、利用できる医療機関や診療内容に制限がある場合もあります。詳細はかかりつけ医にご相談ください。

シニア向け配食サービスも充実しており、栄養バランスの取れた食事を自宅まで届けてもらえるため、健康面でも安心です。

薬の宅配やリモート健康相談など、医療・健康分野のサービスも拡大しています。

地域コミュニティ・支援制度の活用

地域の見守り活動やボランティアによる送迎サービス、自治体が提供する移動支援や生活支援サービスを積極的に利用しましょう。

家事支援サービス(掃除・洗濯・料理の手伝いなど)を利用することで、体力が低下した高齢者も自宅で快適に生活を続けやすくなります。

免許返納者向けの特典(割引や優遇サービス)は自治体や企業ごとに異なるため、事前に情報収集し、最大限に活用することが重要です。

社会参加や新たな趣味の推進

地域サロンや趣味の集まり、ボランティア活動などに参加し、社会的つながりを維持することもQOL向上に有効です。

移動手段の制約を補うため、送迎付きのイベントやオンラインで参加できる活動を検討するのも一案です。

高齢者講習を受ける女性
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免許返納の手続き方法

手続きの流れ

  1. 返納の意思決定
    運転に不安を感じたり、今後運転の予定がない場合、運転免許証の有効期間内であれば自主的に返納できます。
  2. 申請場所での手続き
    本人が最寄りの警察署や運転免許センター、運転免許試験場の窓口で申請します。体調などで本人が行けない場合は、委任状を用意して代理人による申請も可能です。
  3. 運転免許証の返納
    窓口で運転免許証を返納し、「申請による運転免許の取消通知書」などの証明書が交付されます。
  4. 運転経歴証明書の申請(希望者のみ)
    警視庁によると返納と同時、または返納後5年以内であれば、運転経歴証明書の申請ができます。

出典:運転免許証等の自主返納の申請をする方|警視庁

必要書類と申請場所

  • 必要書類
    • 本人の運転免許証(返納するもの)
    • 代理人申請の場合は委任状、代理人の身分証明書(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等)
    • 運転経歴証明書用の証明写真(持参したものが証明書に使われます)
    • 住所・氏名・生年月日が確認できる書類(住民票の写し、健康保険証、パスポート等。必要に応じて)
  • 申請場所・受付時間
    • 各都道府県の運転免許センター、運転免許試験場、最寄りの警察署
    • 平日の日中が基本ですが、運転免許試験場は日曜や一部時間帯も受付している場合があります。
    • 島部警察署など一部地域では受け取りまでに数週間かかる場合もあります。

運転経歴証明書の取得方法

  • 申請タイミング
    運転免許証を自主返納した日から5年以内であれば、後日でも運転免許試験場で交付申請が可能です。
  • 申請方法
    運転免許試験場や一部の警察署で申請します。必要書類(本人確認書類、証明写真、返納証明書など)を持参してください。
  • 交付までの期間
    運転免許試験場では即日交付できる場合もありますが、作成に時間がかかることもあります。警察署や島部では受け取りまで数週間かかる場合があります。
  • 注意点
    運転経歴証明書は生涯有効な本人確認書類として利用でき、金融機関や役所などで広く認められています。
山の中に放置された車
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返納後の車の処分・活用方法

車の売却・廃車手続き

1. 売却手続きの流れ

免許返納後、車を売却する場合は、買取業者や中古車販売店に査定を依頼し、売買契約を結びます。

名義人(多くは本人や親)の同席が可能な場合、通常の売却手続きと同様に進められます。必要書類は普通自動車と軽自動車に分けられます。

普通自動車の場合:車検証、自賠責保険証明書、自動車税納税証明書、リサイクル券、印鑑証明書、実印

軽自動車の場合:車検証、自賠責保険証明書、軽自動車税納税証明書、リサイクル券、住民票(または印鑑証明書)、認印

※店舗や地域により異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

名義人が同席できない場合や体調が優れない場合は、委任状や代理人の身分証明書、代理人の印鑑証明などを用意し、家族や代理人が手続きを進めることも可能です。

2. 認知症や意思疎通が難しい場合

名義人が認知症等で意思表示が難しい場合、原則として成年後見人制度の利用が必要となります。ただし、車の資産価値や所有状況によっては他の対応が可能なケースもあるため、まずは専門的な知識を持つ買取業者や弁護士、司法書士等へ相談することをおすすめします。

3. 廃車手続き

売却せず廃車にする場合も、車検証、ナンバープレート、印鑑証明、実印、委任状(代理人の場合)などの書類が必要です。

廃車手続きは自動車リサイクル業者や陸運局で行います。

4. 故人名義の車の処分

名義人が亡くなっている場合は、まず相続手続きを行い、相続人が車の名義を自分に変更した上で売却や廃車手続きを進めます。遺産分割協議書や戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書などが必要です。

家族への名義変更など

1. 名義変更の流れ

車を家族が引き続き使用する場合は、名義変更(移転登録)が必要です。

必要書類は車検証、譲渡証明書、旧所有者と新所有者の印鑑証明、委任状、リサイクル券などです。

名義変更は運輸支局で手続きします。

2. 任意保険の等級引き継ぎ

家族間で名義変更を行う場合、任意保険の等級(無事故割引)を引き継ぐケースがあります。等級を引き継ぐことで保険料を安く抑えられるメリットがありますが、保険会社ごとに条件が異なるため、事前に確認が必要です。

3. ローン残債がある場合の注意点

車がローン返済中で所有権留保がついている場合、ローンを完済しないと名義変更や売却はできません。ローン会社に相談し、完済後に所有権解除の手続きを行う必要があります。

注意
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免許返納を検討する際の注意点

返納前に考慮すべきこと

生活への影響を具体的にイメージする
免許返納後、日常の移動手段や買い物、通院、趣味活動などがどのように変化するかを事前にシミュレーションしましょう。特に地方や公共交通が不便な地域では、移動の不便さが大きな負担になる場合があります。

代替手段や支援制度の確認
自治体や地域の交通事情、利用できる公共交通機関、タクシー割引、デマンド交通、買い物や配食サービスなどの支援策を調べておくことが重要です。

本人の健康状態や運転能力の客観的把握
加齢による身体機能や認知機能の低下を自覚した場合は、運転リスクを正しく評価することが大切です。

家族や専門家との相談ポイント

家族との十分な話し合い
免許返納は本人だけでなく家族の生活にも影響します。不安や希望、困りごとを率直に話し合い、家族のサポート体制や役割分担も確認しておきましょう。

専門家や第三者の意見を活用
医師やケアマネジャー、運転適性相談窓口など、第三者の客観的な意見や診断を取り入れることで、納得感のある判断がしやすくなります。

地域の相談窓口や警察への相談
各自治体や警察署には免許返納に関する相談窓口があります。手続きや特典、生活支援などの情報を事前に集めておくと安心です。

後悔しないための準備

返納後の生活設計を立てる
移動手段や日常生活の流れを具体的に計画し、必要なサービスや支援を事前に利用できるよう手配しておきましょう。

運転経歴証明書の取得を検討する
返納後は主要な身分証明書として運転経歴証明書が活用できます。交付には期限や条件があるため、手続き方法や必要書類を事前に確認しておきましょう。

経済的な影響も確認
車の維持費が不要になる一方で、タクシー代や公共交通費など新たな出費が増える場合もあります。家計への影響も事前にシミュレーションしておくと安心です。

返納のタイミングに注意
行政処分中や免許失効後は自主返納ができないため、手続きのタイミングや条件も確認しておきましょう。

免許返納をめぐる家族・本人の心理

返納を決断する際には「運転できなくなることへの喪失感」「自立性の低下」「家族への負担をかけたくない」という複雑な感情が生まれます。

家族は本人の気持ちを尊重しつつ、事故リスクや社会的責任について丁寧に話し合うことが重要です。

運転席と社内
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まとめ

免許返納は、高齢化社会においてますます重要性が増している選択肢です。

返納には「交通事故リスクの低減」「経済的負担の軽減」「家族や社会の安心感」など多くのメリットがある一方で、「移動の不便さ」「生活の質低下」「心理的な喪失感」などのデメリットも存在します。

後悔しないためには、返納前に生活への影響を具体的にイメージし、家族や専門家と十分に相談しながら、代替手段や支援制度を活用することが大切です。

運転経歴証明書の取得や、地域のサポートを上手に利用することで、返納後も自分らしい生活を維持できます。

免許返納は「運転の卒業」として、本人・家族・社会全体の安全と安心を守る大切な決断です。

自分や家族の状況に合わせて、納得できる選択をしましょう。

免許返納のメリット・デメリットに関する

よくある質問

Q.返納後も身分証明書は困りませんか?
A.

運転免許証の代わりに「運転経歴証明書」を申請・取得できます。これは多くの金融機関や役所で本人確認書類として利用できます。

ただし、返納や失効から5年以上経過すると運転経歴証明書が取得できない場合があるため、早めの手続きをおすすめします。

Q.返納を後悔しないためのポイントは?
A.

返納前に生活への影響や代替手段をよく調べ、家族や専門家と十分に相談しましょう。

納得した上で返納することが、後悔しないための大切なポイントです。

Q.返納の決断にはどんな要素が影響しますか?
A.

年齢が最も大きな決め手となる傾向があり、特に75歳以上のドライバーは免許更新時に認知機能検査と高齢者講習の受講が義務付けられています(道路交通法第101条の4、令和4年5月13日施行改正版)。認知機能検査で『認知症のおそれあり』と判定された場合は医師の診断書提出が必要となり、認知症と診断されると免許取消し・停止となります。こうした更新時の検査をきっかけに、自主返納を決断する高齢者が多い傾向にあります。

出典:運転免許の更新等運転免許に関する諸手続について|警察庁Webサイト

Q.返納をめぐって家族関係が悪化することはありますか?
A.

本人が運転に強いこだわりや自信を持っている場合、家族から返納を促されると反発や攻撃的な態度を示し、家族関係が悪化するケースも報告されています。

Q.免許返納の特典は誰でも受けられますか?
A.

多くの特典は高齢者向けに設定されていることが多く、若い人が特典目当てで返納しても対象外となる場合があります。

特典の内容や対象年齢は自治体や企業によって異なるため、事前に確認しましょう。

執筆者

[介護サーチプラス]編集部

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