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- 社会福祉士を目指している大学生や専門学校生
- 社会福祉士国家試験の受験を検討している社会人
- 福祉系大学への進学を考えている高校生や保護者
- 社会福祉士の難易度や合格率について詳しく知りたい人
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社会福祉士国家試験の合格率・難易度
社会福祉士国家試験は、かつて合格率30%前後の難関資格として知られていましたが、近年は養成課程の整備や新カリキュラム導入を背景に50%を超える水準へと推移しています。
特に2023年以降は合格率が急上昇し、難易度は「幅広い試験範囲を攻略できるか」に移行しました。
とはいえ、19科目の幅広い知識と科目群ごとの基準点を突破する実力が求められる点は変わりません。計画的な学習と制度改正への対応が必須だと言えるでしょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 44,764 | 11,735 | 26.2% |
2017年 | 45,849 | 11,828 | 25.8% |
2018年 | 43,937 | 13,288 | 30.2% |
2019年 | 41,639 | 12,456 | 29.9% |
2020年 | 39,629 | 11,612 | 29.3% |
2021年 | 35,287 | 10,333 | 29.3% |
2022年 | 34,563 | 10,742 | 31.1% |
2023年 | 36,974 | 16,338 | 44.2% |
2024年 | 34,539 | 20,050 | 58.1% |
2025年 | 27,616 | 15,561 | 56.3% |
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【第37回】社会福祉士国家試験の大学別合格率ランキング(上位校)
社会福祉士国家試験では、大学ごとの合格率にも大きな差が見られます。
特に新卒者を中心に、国公立大学や一部の私立大学では合格率が非常に高く、100%を記録する大学も複数存在します。以下では、第37回試験の上位校をまとめました。
大学 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
筑波大 | 9 | 9 | 100.0% |
徳島大 | 15 | 15 | 100.0% |
琉球大 | 10 | 10 | 100.0% |
新潟県立大 | 23 | 23 | 100.0% |
名古屋市立大 | 66 | 66 | 100.0% |
県立広島大 | 42 | 42 | 100.0% |
富山国際大 | 19 | 19 | 100.0% |
東京家政大 | 31 | 30 | 96.8% |
武庫川女子大 | 67 | 63 | 94.0% |
福井県立大 | 30 | 28 | 93.3% |
出典:2025年 社会福祉士国家試験結果|旺文社教育情報センター
上記の大学は、福祉系の教育体制が充実しており、学生が実践的に学べる環境を整えています。
大学別の合格率は進学先を検討する受験生にとって重要な判断材料となり、今後のキャリア形成に直結する参考データとなるでしょう。
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【歴代】社会福祉士国家試験の過去10年間の合格率推移
社会福祉士国家試験の合格率は長らく30%前後で推移してきましたが、直近では大きな変化が見られます。
受験者数や合格者数の増減に加え、試験制度や養成課程の見直しが影響していると考えられます。以下に、過去10年間の推移をまとめました。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 44,764 | 11,735 | 26.2% |
2017年 | 45,849 | 11,828 | 25.8% |
2018年 | 43,937 | 13,288 | 30.2% |
2019年 | 41,639 | 12,456 | 29.9% |
2020年 | 39,629 | 11,612 | 29.3% |
2021年 | 35,287 | 10,333 | 29.3% |
2022年 | 34,563 | 10,742 | 31.1% |
2023年 | 36,974 | 16,338 | 44.2% |
2024年 | 34,539 | 20,050 | 58.1% |
2025年 | 27,616 | 15,561 | 56.3% |
このデータから、2023年以降の合格率が従来より急上昇していることが明確です。
特に2024年の58.1%、2025年の56.3%は過去に例を見ない高水準であり、社会福祉士資格の取得環境が大きく変化していることを示しています。
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社会福祉士国家試験の合格率が上がった理由とは?
近年、社会福祉士国家試験の合格率は従来の30%前後から50%を超える水準へと上昇しました。
背景には、教育課程の改正やカリキュラム統一によって学習内容が体系化され、受験生の学力が安定してきた点が大きいと考えられます。
加えて、試験制度の改善により出題が現場を想定した応用型へシフトし、養成課程での学習成果が反映されやすくなったことも影響しています。
さらに、大学や専門学校における国家試験対策講座の強化や通信教育の普及など、学習支援体制が充実したことも合格率上昇の一因といえるでしょう。
出典:薬事審議会血液事業部会令和6年度第1回安全技術調査会及び第2回運営委員会合同会議(ペーパーレス・Web併用)の開催について|厚生労働省
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社会福祉士国家試験の合格率が低い理由
近年は合格率が上昇傾向にあるとはいえ、かつては30%前後にとどまる時期が長く続いていました。その背景を理解することで、試験の本質的な難しさを改めて確認できます。
ここでは、社会福祉士国家試験の合格率が過去に30%前後を推移していた理由について解説します。
試験範囲が広いから
社会福祉士国家試験は、福祉原論や心理学、医学、法律、行政制度など19科目あり、学習範囲が非常に広いことが特徴です。
単に知識を暗記するだけではなく、社会保障制度の改正や新しい法律の施行など、毎年変化する最新の情報にも対応する必要があります。
また、実際の現場を想定した応用問題や事例問題も出題されるため、理解力や分析力も試されます。
そのため受験生は膨大な情報を整理しながら効率的に学習しなければならず、範囲の広さが合格率を押し下げる大きな要因となっています。
合格基準が厳格だから
社会福祉士試験は合格基準が厳しく、全体の得点率だけではなく科目群ごとに設けられた基準点をクリアしなければなりません。
たとえ総得点が合格ラインに届いていても、一部の科目で基準点を下回れば「足切り」となり不合格になる仕組みです。
これにより受験生は得意科目に偏った学習では対応できず、全科目をバランスよく理解する必要があります。
特に法改正や専門用語が多い分野では、学習が追いつかず苦手意識を持つ人も少なくありません。この厳格なルールが、合格率を低く維持してきた要因の一つとなっています。
受験者が新卒生から社会人まで幅広いから
社会福祉士試験の受験者は、福祉系大学を卒業した新卒者から、現場で経験を積みながら挑戦する社会人まで幅広いのが特徴です。
受験環境や学習スタイルは多様であり、とくに働きながら学ぶ人にとっては時間的な制約が課題となることもあります。
そのため、統計上は受験者層の背景によって合格率に差が生じやすい傾向が見られています。
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社会福祉士国家試験とは?
社会福祉士国家試験は、福祉分野における専門職である社会福祉士になるために必須の国家試験です。
ソーシャルワークを中心に、法律・心理・医療・福祉制度など幅広い知識を問われる内容となっており、毎年全国で実施されています。
出典:厚生労働省 | 第37回社会福祉士国家試験の施行について
出典:厚生労働省 | 社会福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移
出典:社会福祉士の試験概要
受験日
午前試験では「医学概論」「心理学と心理的支援」「社会学と社会システム」などを含む基礎分野が出題されます。午後試験では「高齢者福祉」「児童・家庭福祉」「保健医療と福祉」「福祉サービスの組織と経営」など、より実践的な分野が中心です。
全129問が五肢択一式で出題され、試験時間は計225分です。
区分 | 主な出題科目 |
---|---|
午前 | 医学概論/心理学と心理的支援/社会学と社会システム/社会福祉の原理と政策/社会保障/権利擁護を支える法制度/地域福祉と包括的支援体制/障害者福祉/刑事司法と福祉/ソーシャルワーク基盤・理論(共通)/社会福祉調査の基礎 |
午後 | 高齢者福祉/児童・家庭福祉/貧困に対する支援/保健医療と福祉/ソーシャルワーク基盤・理論(専門)/福祉サービスの組織と経営 |
出典:[社会福祉士国家試験]試験概要:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士の合格基準
合格基準は以下の2つを満たすこととされています。
- 問題の総得点の 60%程度を基準 とし、問題の難易度に応じて補正した得点以上を獲得すること。
- 6科目群すべてにおいて得点があること(※一部免除者は2科目群)。
合格条件 | 内容 |
---|---|
基準点 | 問題の総得点の60%程度を基準に、難易度に応じ補正 |
科目群要件 | 6科目群すべてに得点があること(※一部免除者は2科目群) |
満点 | 129点(1問1点) |
出典:[社会福祉士国家試験]合格基準:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
上記の通り、総合得点が基準に達しても、一部科目で無得点があると不合格となる点が特徴です。
試験会場
試験は全国24試験地で実施されます。北海道から沖縄まで幅広く設定されており、具体的には北海道・宮城・東京・大阪・福岡・沖縄など主要都市を含む地域で行われます。
受験者は居住地や通学先に応じて試験地を選択することになります。
地域 | 主な試験地 |
---|---|
北海道・東北 | 北海道、青森、岩手、宮城、新潟 |
関東 | 埼玉、千葉、東京、神奈川 |
中部・北陸 | 石川、岐阜、愛知 |
近畿 | 京都、大阪、兵庫 |
中国・四国 | 島根、岡山、広島、香川、愛媛 |
九州・沖縄 | 福岡、熊本、鹿児島、沖縄 |
受験資格
社会福祉士国家試験を受験するには、以下のいずれかのルートを満たす必要があります。
- 福祉系大学ルート:4年制大学で指定科目を修めて卒業(卒業見込み含む)。
- 短大+実務ルート:2年制または3年制短期大学等を卒業し、指定施設で1〜2年以上の相談援助業務に従事。
- 短期養成施設ルート:福祉系短大・大学卒業者などが入学できる短期養成施設(6か月以上)を修了。
- 一般養成施設ルート:他学部卒業者が対象の養成施設(1年以上)を修了。
これにより、幅広い学歴や実務経験を持つ人材が受験可能となっています。
受験費用
社会福祉士国家試験の受験手数料は以下のとおりです。
受験区分 | 費用(税込) |
---|---|
社会福祉士のみ受験 | 19,370円 |
社会福祉士+精神保健福祉士を同時受験 | 36,360円 |
共通科目免除による受験 | 16,230円 |
※上記は第37回(令和6年度・2024年2月実施)試験時点の情報です。今後の制度改正や受験要項変更により変動する可能性があるため、最新の受験案内を必ずご確認ください。
支払い方法はクレジットカード、コンビニ決済、Pay-easy、QRコード決済(PayPay)などが利用できます。
社会福祉士国家試験は、大学・短大・養成施設など多様なルートから受験できます。第37回試験では、全体の合格率は56.3%。中でも「一般養成施設ルート」が60.1%と高く、新卒者が多いルートほど合格率が高い傾向が見られました。
受験ルート | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
① 福祉系大学等ルート(福祉系大学等) | 15,071 | 8,479 | 56.3% |
② 福祉系大学等ルート(短大等+実務) | 1,140 | 411 | 36.1% |
③ 短期養成施設等ルート | 1,817 | 913 | 50.2% |
④ 一般養成施設等ルート | 9,588 | 5,758 | 60.1% |
合計 | 27,616 | 15,561 | 56.3% |
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【第37回】社会福祉士国家試験の学校別・ルート別の合格状況
ここでは、第37回(2025年実施)の社会福祉士国家試験について、受験ルート別・新卒既卒別・学校別の合格状況を整理します。
ルートごとの特徴や教育課程の違いが、合格率にどのように影響しているのかが明確に見えてきます。
福祉系大学・短期養成施設・一般養成施設などのルート別の合計
社会福祉士国家試験は、大学・短大・養成施設など多様なルートから受験できます。第37回試験では、全体の合格率は56.3%。中でも「一般養成施設ルート」が60.1%と高く、新卒者が多いルートほど合格率が高い傾向が見られました。
受験ルート | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
① 福祉系大学等ルート(福祉系大学等) | 15,071 | 8,479 | 56.3% |
② 福祉系大学等ルート(短大等+実務) | 1,140 | 411 | 36.1% |
③ 短期養成施設等ルート | 1,817 | 913 | 50.2% |
④ 一般養成施設等ルート | 9,588 | 5,758 | 60.1% |
合計 | 27,616 | 15,561 | 56.3% |
新卒・既卒の内訳(主要ルート)
新卒と既卒では合格率に大きな差が見られます。新卒は教育課程修了直後で知識が定着して間もないため合格率が高く、既卒は働きながら受験するケースも多く学習時間の確保が難しい傾向があります。その結果、統計的にも合格率に開きが生じています。
受験ルート | 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
① 福祉系大学等ルート | 新卒 | 7,835 | 5,891 | 75.2% |
① 福祉系大学等ルート | 既卒 | 7,236 | 2,588 | 35.8% |
③ 短期養成施設等ルート | 新卒 | 791 | 537 | 67.9% |
③ 短期養成施設等ルート | 既卒 | 1,026 | 376 | 36.6% |
④ 一般養成施設等ルート | 新卒 | 4,876 | 3,905 | 80.1% |
④ 一般養成施設等ルート | 既卒 | 4,712 | 1,853 | 39.3% |
※資料の定義に従い、「新卒」は令和6年4月1日~令和7年3月31日に卒業(見込み含む)、「既卒」はそれ以前に卒業した受験者。
国公立大学や私立大学など学校別(受験者10人以上)の上位校を抜粋
学校別に見ると、受験者10人以上で合格率100%を達成した大学も複数あります。
特に国公立大学や一部私立大学では、教育課程の充実と受験対策の手厚さが際立っており、高い合格率を維持しています。以下に上位校を一部抜粋します。
学校名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
新潟県立大学 | 23 | 23 | 100.0% |
大阪公立大学 | 20 | 20 | 100.0% |
富山国際大学 | 19 | 19 | 100.0% |
徳島大学 | 15 | 15 | 100.0% |
琉球大学 | 10 | 10 | 100.0% |
東京家政大学 | 31 | 30 | 96.8% |
京都府立大学 | 29 | 28 | 96.6% |
大分大学 | 38 | 36 | 94.7% |
新見公立大学 | 56 | 53 | 94.6% |
愛知教育大学 | 18 | 17 | 94.4% |
※掲載基準:受験者10人以上。上位校は一部抜粋(資料順)。新卒・既卒別の内訳は資料原文をご参照ください。
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社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法
社会福祉士国家試験は出題範囲が広く、効率的かつ継続的な学習が求められます。
ここでは、合格に必要な学習計画の立て方や過去問の活用法、最新制度への対応、通信講座の利用など、実践的な勉強方法を詳しく解説します。
学習計画を立てて継続する
社会福祉士試験は範囲が19科目と広いため、計画的な学習が不可欠です。
まずは全体像を把握し、試験日から逆算して「基礎固め」「過去問演習」「模試や総復習」といったフェーズに分けると効率的です。
1日の学習時間を細かく設定し、無理なく継続できる習慣を作ることが合格への第一歩となります。
過去問と模擬試験を活用する
合格者の多くが口を揃えて勧めるのが過去問演習です。出題傾向や頻出テーマを把握できるだけでなく、時間配分の練習にもなります。
直近5〜10年分を繰り返し解くことで理解の定着が進み、苦手分野の早期発見にもつながります。模擬試験を受ければ、本番同様の緊張感で弱点を洗い出せます。
最新の制度改正に対応する
社会福祉士試験は法律・制度に関する問題が多く、直近の法改正や新しい制度が出題されやすいのが特徴です。
厚生労働省や試験センターの発表資料を確認し、テキストや問題集も最新版を選ぶことが重要です。古い教材のままでは対応できない可能性があるため注意が必要です。
社会人受験者は通信講座や学習支援を利用する
独学での継続が難しい人にとって、通信講座やオンライン教材は強力な味方になります。
映像講義や添削課題により体系的に学べ、質問サポートがある講座なら疑問をその場で解消できます。
時間が限られる社会人受験者も、効率よく学習を進められる点でメリットが大きいといえるでしょう。
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社会福祉士国家試験は2025(令和7)年2月実施の試験より新カリキュラム対応
少子高齢化と課題の複雑化に対応するため、養成課程が再編され、2025年2月実施(第37回)以降の国家試験は新カリキュラムへ本格的に移行します。
講義―演習―実習を循環させ、制度横断の支援力や地域連携力を重視していることが特徴です。学習内容と出題の接続が高まり、実践力ベースの評価へと比重が移っています。
主な変更点
2025年実施の第37回試験からは、新カリキュラムに基づいた教育内容が本格的に反映されます。大きな改正点は以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
---|---|
新科目の創設 | 「地域福祉と包括的支援体制」「刑事司法と福祉」を追加 |
ソーシャルワーク科目 | 共通/専門の段階化、演習時間の拡充 |
実習の拡大 | 240時間へ拡大、複数施設での実習を原則化 |
共通科目の拡充 | 社会福祉士・精神保健福祉士の相互取得に配慮 |
必修化・施設拡大 | 指定・基礎科目の必修化、実習施設の範囲拡大 |
出典:社会福祉士養成課程における教育内容等の 見直しについて
これにより、現場で即応できる実践力を養う教育体系へと進化しています。
スケジュールの整理
教育課程の見直しから導入までの流れは以下の通りです。
年度 | 動き |
---|---|
2019–2020年 | 周知・準備期間、2020年3月に省令改正 |
2021年 | 大学・養成施設で新カリキュラム導入開始 |
2025年(第37回試験) | 新カリキュラム修了者が本格的に受験、試験出題も反映 |
出典:社会福祉士養成課程における教育内容等の 見直しについて
この流れを押さえることで、今後の受験動向や出題範囲の変化を見極めやすくなります。
受験対策の留意点
新カリキュラム導入後は、以下のような学習ポイントが重要です。
- 最新版テキスト・過去問で新科目領域を重点的に学習
- 法改正や制度動向(地域包括ケア、司法・教育連携など)をタイムリーに確認
- 事例問題対策として、ケース学習や横断的な知識のつなぎを意識する
出典:社会福祉士養成課程における教育内容等の 見直しについて
特に「地域共生社会」や「司法領域」でのソーシャルワークの役割を問う設問が増えると予想され、従来以上に応用力が試されます。
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社会人の社会福祉士国家試験の合格率は高い?
社会福祉士国家試験は毎年およそ3万人前後が受験し、直近では合格率が50%前後で推移しています。受験者の多くは学生ですが、社会人からの挑戦も増えており、年齢層は幅広いのが特徴です。
社会人の場合、仕事と勉強の両立が課題となる一方、実務経験を活かして学習を進められるメリットもあります。夜間や週末を中心に勉強時間を確保し、効率的に過去問演習や法改正対策を行えば、学生と比べても大きく不利になることはありません。
むしろ、現場での実務知識が理解の助けとなるケースも多く、社会人受験生でも十分に合格を目指せる試験です。
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社会福祉士の合格率は通信講座を活用すると上がる?
社会福祉士の受験勉強では、独学に加えて通信講座を利用する社会人受験生が増えています。通信講座はテキストや過去問題集に加え、添削課題やオンライン解説動画などが充実しており、効率的に学習を進められます。
特に忙しい社会人にとっては、自宅や通勤時間を活用できる点が大きなメリットです。
通信講座利用者の合格率は公式に公表されていませんが、計画的に学習を継続できる仕組みが整っているため、独学と比べて安定した成果が出やすい傾向にあります。
費用面も比較的リーズナブルで、スクール通学に比べ時間的な制約も少なく、多くの受験生に支持されています。
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そもそも社会福祉士とは?
社会福祉士は、生活に困難を抱える人の相談に応じ、助言・指導やサービス利用の支援を行う国家資格です。
さらに、医療・介護・行政・司法などの関係機関と連携し、利用者を総合的にサポートします。「相談援助の専門職」として、多職種との橋渡し役を担います。
社会福祉士の定義と役割
- 相談援助:生活課題のアセスメントから計画、実施、評価までを支援
- 連携調整:医療・介護・行政・司法などの機関と連携して課題解決を図る
- 権利擁護:成年後見、虐待防止、差別解消など利用者の権利を守る活動
- 地域支援:地域資源の調整・開発やネットワークづくりに貢献
社会福祉士登録者数の推移
社会福祉士の登録者は年々増加しており、近年は毎年おおむね1万人前後の増加が見られます。
制度開始当初は数百人規模でしたが、現在では2516万人を超える規模となり、社会の中で必要性が高まっていることが分かります。
年度 | 登録者数 |
---|---|
平成30年(2018) | 226,283 |
令和元年(2019) | 238,696 |
令和2年(2020) | 250,346 |
ポイントまとめ
- 登録者は制度開始から右肩上がりに増加
- 平成20年前後は特に伸びが大きく、年間1万人以上の増加が続いた
- 平成25年時点で約16.5万人が登録し、福祉現場に従事
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社会福祉士になるには?資格取得の流れ
社会福祉士になるには、国家試験に合格して登録する必要があります。受験資格は次のいずれかのルートで取得します。
ルート | 内容 |
---|---|
福祉系大学ルート | 福祉系大学で指定科目を履修し卒業 |
短期養成施設ルート | 福祉系大学で基礎科目を学んだ後、短期養成施設で6か月以上修学 |
一般養成施設ルート | 一般大学卒や相談援助業務4年以上経験後、1年以上養成施設で修学 |
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社会福祉士が働く場所と仕事
分野 | 割合 |
---|---|
高齢者福祉 | 44.2% |
障害者福祉 | 16.9% |
医療機関 | 14.5% |
児童・母子福祉 | 4.6% |
地域福祉 | 7.2% |
その他 | 12.6% |
社会福祉施設(生活相談員、指導員、施設長)
社会福祉士が最も多く活躍しているのが、特別養護老人ホームや障害者支援施設などの社会福祉施設です。
ここでは「生活相談員」や「指導員」として、利用者や家族からの相談を受け、サービス利用調整や生活全般の支援を行います。
また、経験を積むと施設長や管理職として組織運営に携わるケースもあります。利用者の生活の質を高めるために、現場に寄り添った支援からマネジメントまで幅広く関わるのが特徴です。
病院・診療所(医療ソーシャルワーカー、退院調整担当)
病院や診療所に勤務する社会福祉士は「医療ソーシャルワーカー」と呼ばれ、患者や家族の生活上の問題を解決する役割を担います。
入院費の相談、退院後の生活支援、在宅サービスへの橋渡しなど、医療と地域をつなぐ調整役が中心です。
特に退院調整担当は、医師や看護師、ケアマネジャーと連携しながら、患者が安心して地域で生活を続けられる体制を整えます。高齢化の進展に伴い、医療現場でのニーズはますます高まっています。
行政機関(福祉事務所の福祉司、児童相談所の児童福祉司)
行政機関で勤務する社会福祉士は、福祉政策や支援制度を現場で実行する重要な役割を持ちます。
福祉事務所では「福祉司」として生活保護や支援給付の相談を担当し、生活困窮者の自立を支援します。
児童相談所では「児童福祉司」として虐待対応や家庭支援を行い、子どもの権利擁護に取り組みます。こうした行政の場では、法制度に基づく判断や支援が求められるため、高度な専門知識と倫理観が不可欠です。
地域包括支援センター、NPO・社会福祉協議会
地域包括支援センターや社会福祉協議会では、住民の身近な相談窓口として社会福祉士が活躍しています。
高齢者の介護予防や生活支援、地域のボランティアとの連携、福祉サービスの利用調整など、地域福祉の推進役を担います。
NPO法人など民間団体では、ひきこもり支援や生活困窮者の自立支援といった多様な活動にも従事。地域の課題を把握し、住民と共に支援体制をつくり上げることが求められる点が特徴です。
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社会福祉士の資格取得後のキャリアアップと認定制度
社会福祉士は、資格を取得することがゴールではなく、取得後のキャリア形成や専門性の向上が重視される職種です。
平成24年度に創設された「認定社会福祉士」制度をはじめ、上位資格として「認定上級社会福祉士」など、実践力や指導力を評価する仕組みが整備されています。
これらの制度により、専門職としての継続的な成長が促され、現場や地域でのリーダー的役割が期待されます。
認定社会福祉士
認定社会福祉士は、社会福祉士として5年以上の実務経験を積み、所定の研修やスーパービジョンを受けた上で申請できる制度です。
高齢者、障害者、児童、医療など多様な分野に対応し、現場の相談援助におけるリーダー的存在としての活躍が期待されます。
複雑なケースへの対応、多職種連携、実習指導、地域での権利擁護活動など、実践的かつ多面的な能力が求められます。5年ごとの更新制があり、継続的な学びと実務経験の積み重ねが必須です。
認定上級社会福祉士
認定上級社会福祉士は、認定社会福祉士よりもさらに高い水準の実践力と指導力を評価する制度です。資格取得後10年以上の実務経験が要件とされ、組織運営、地域福祉計画、苦情対応、ネットワーク構築など広い視野で社会福祉をリードする力が求められます。
加えて、教育・研究活動や政策提言、地域社会での実績も重視され、専門職としてのトップレベルの役割を担います。制度の成熟に伴い、今後さらなる普及と認知が期待されます。
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今後の社会福祉士に求められる役割
社会福祉士の活動領域は、少子高齢化、地域包括ケアの推進、生活困窮者支援など、社会の変化に伴って広がり続けています。
制度や分野を横断しながら、より複雑化する課題に対応するには、知識と実践力の両面が欠かせません。
今後は、地域に根ざした包括的な支援の推進役として、多職種と連携しながら活躍することが強く期待されています。
個別支援における役割
社会福祉士の基本は、利用者一人ひとりの課題を的確に把握し、総合的な相談援助を行うことにあります。
就労支援、生活困窮支援、権利擁護、虐待防止など、多様なニーズに応える対応力が求められます。とくに孤立や複合的な課題を抱える利用者に対しては、制度を横断した支援調整力も重要です。
利用者の自己決定を尊重し、自立に向けた具体的な支援を提供することが、社会福祉士に求められる中核的な役割です。
地域福祉の推進役
社会福祉士は、地域包括支援センターや社会福祉協議会などと連携し、地域の福祉課題を把握・分析しながら、必要なサービスの企画・調整を行う役割も担います。
単に既存のサービスをつなぐだけでなく、地域に根ざした支援体制を創出する力が問われます。
ボランティアやNPOとのネットワーク構築、住民との協働によって地域課題を共有し、共助の仕組みを育てることが、今後の社会福祉士に求められる実践です。
専門職としての自覚と倫理
社会福祉士は、専門職として高い倫理観を持ち、利用者本位の支援を実践することが求められます。
加えて、科学的根拠に基づく実践(EBP:Evidence-Based Practice)や、他職種との協働の中での調整役としての能力も重要です。
複雑化・多様化する支援ニーズに対して、制度や理論に基づいた判断を下し、実践に落とし込む力が今後ますます求められます。自己研鑽と専門性の維持は、プロフェッショナルとしての責任です。
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まとめ
社会福祉士の合格率は毎年50%前後で安定しており、国家資格の中では挑戦しやすい資格といえます。
ただし19科目に及ぶ幅広い出題範囲をカバーする必要があるため、計画的な学習が欠かせません。社会人でも仕事と両立しながら合格している人は多く、通信講座を活用することで効率的に知識を習得し、合格率を高めることが可能です。
資格取得後は、相談援助の専門職として活躍できるだけでなく、認定社会福祉士や認定上級社会福祉士といったキャリアアップの道も選択肢に含まれます。
社会福祉士になりたい方は、自分に合った学習スタイルを選び、着実に合格を目指しましょう。
よくある質問
Q.社会福祉士国家試験の最新の合格率はどれくらいですか?
直近の年度(令和7年度実施)の全国平均合格率は約35%前後です。受験者数や出題傾向の変化により年によって上下します。
Q.合格率の年度別推移にはどのような特徴がありますか?
ここ数年は30%台前半で推移しています。試験問題の難易度調整や受験者層の増減によって、数ポイントの変動が見られます。
Q.都道府県によって合格率に差はありますか?
合格率が変動する理由には、試験制度の見直しや教育課程の工夫、受験者数の減少、学習支援環境の向上など複数の要因があります。

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み
