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ノンバーバルコミュニケーションを理解したい表情や姿勢、声の調子が人間関係にどんな影響を与えるのか知りたい方
心理学に基づいた実践方法を学びたい第一印象を良くしたい、信頼関係を築きたいなど具体的に活用したい方
ビジネスや日常生活で役立てたい面接・営業・恋愛など、対人場面での印象力や説得力を高めたい方

ノンバーバルコミュニケーションとは?
ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉を使わずに気持ちや意図を伝える「非言語的なやり取り」を指します。表情、声のトーン、視線、姿勢、距離感など、日常の中で無意識に交わされる要素が含まれます。
ここでは、介護現場でこの手法が注目される背景や、言語コミュニケーションとの違いについて解説します。
出典:ノンバーバルコミュニケーションとは|一般社団法人 ノンバーバルコミュニケーション協会
出典:認知症ケア法-認知症の理解|厚生労働省
出典:個別支援の基本|厚生労働省
介護現場で特に注目される背景
介護の現場では、高齢者や認知症の方など、言葉での意思疎通が難しい利用者と関わる機会が多くあります。そのため、表情や仕草など「非言語的な情報」を通じて相手の気持ちを読み取る力が求められています。
介護職員初任者研修のカリキュラムにおいて、「5. 介護におけるコミュニケーション技術(6時間)」の科目内で、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの両方が学習内容に含まれています。
具体的には、以下の内容が含まれます。
・相手のコミュニケーション能力に対する理解や配慮
・傾聴、共感の応答
・言語的コミュニケーションの特徴
・非言語的コミュニケーションの特徴
・利用者の思いを把握する技術
・家族の心理的理解
このように、ノンバーバルコミュニケーションは介護職員の基礎教育において重要な学習項目として位置づけられています。
ノンバーバルな対応は、利用者の不快や混乱を防ぎ、より良い関係構築にもつながる重要な技術だと言えるでしょう。
出典:介護知識・技能に関する出題基準|厚生労働省
出典:『介護員養成研修の取扱細則について』(平成24年3月28日)|厚生労働省
ノンバーバルの意味と定義
ノンバーバルコミュニケーションとは、そもそも言葉を使わずに感情や意図を伝える為の方法です。
表情、ジェスチャー、姿勢、パーソナルスペース(対人距離)、声の抑揚などが含まれ、言葉では表現しきれないニュアンスを補完します。
文化や個人差によって解釈が異なるため、相手の背景に応じた配慮と観察力が重要になります。
バーバルとの違いと心理学的背景(メラビアンの法則)
心理学者アルバート・メラビアンが1971年に著書『Silent Messages』で発表した研究は、「言語内容と非言語情報(声や表情)が矛盾する特殊な状況において、人がどの情報を優先して判断するか」を調査したものです。
【実験の内容】
被験者に「好意」「嫌悪」「中立」を表す単語を提示し、それぞれ異なる声のトーンや表情と組み合わせました。矛盾する情報を受け取った際、どの要素を重視して感情を判断するかを測定しました。
【実験結果】
この限定的な実験条件下では、次のような影響度が示されました。
情報の種類 | 影響度 | 内容の例 |
|---|---|---|
言語情報(言葉の内容) | 約7% | 「好き」「嫌い」といった語句そのもの |
聴覚情報(声の調子・速度・強弱) | 約38% | 声のトーン・リズム・抑揚 |
視覚情報(表情・ジェスチャー) | 約55% | 表情・姿勢・動作など |
この数値は『言語と非言語が矛盾した特殊な場面』での結果であり、メラビアン自身も日常のすべての会話に一般化できるものではないと明確に述べています。介護現場においては、この数値を絶対的な指標とするのではなく、非言語的要素が感情理解において重要な役割を果たすという観点で参考にすることが適切です。

バーバルコミュニケーションの大きな役割
バーバルコミュニケーションとは、会話や文章、メール・報告書などの言葉を使って情報や意見を伝える手段です。言葉の持つ論理性と具体性により、事実やデータ、手順などを正確に共有することが可能であり、社会生活や業務遂行において不可欠な要素です。
一方、ノンバーバルコミュニケーションは表情・しぐさ・姿勢・声の調子などを通じて、話し手の感情や態度を補完し、相手の受け取り方に影響を与えます。
この2つは対立するものではなく、相互に補完し合うことでコミュニケーションの効果が最大化されます。

ノンバーバルコミュニケーションの種類と特徴
ノンバーバルコミュニケーションには、表情や視線などの「視覚情報」、声のトーンや速さなどの「聴覚情報」、身体の動きや距離感などの「身体言語」など、さまざまな要素があります。
これらは言葉と同様に感情を伝える重要な手段として機能することがあり、介護の現場では利用者の心情理解や信頼関係づくりに欠かせない要素です。
【視覚情報】表情・視線・身だしなみ
表情や視線、姿勢などの「視覚情報」は、相手に最も強い印象を与える要素とされています。
介護の現場では、穏やかな表情ややわらかい目線、清潔感のある身だしなみが、利用者の受ける印象に影響を与える可能性があります。
相手の視点の高さに合わせる姿勢や、安心感を与える距離感の取り方も重要です。
【聴覚情報】声のトーン・速さ・大きさ
声の調子や速さ、話すテンポなどの「聴覚情報」は、言葉の意味以上に感情を伝える働きを持ちます。
介護では、落ち着いた声のトーンやゆっくりとした話し方が、利用者の不安や緊張を和らげる効果を持ちます。
反対に、早口や大きすぎる声は圧迫感を与えることがあるため、相手の聴力や理解力に応じて話すスピードや音量を調整することが大切です。
【身体言語】ジェスチャー・距離感など
身体の動きや姿勢、手振りなどの「身体言語」も重要なノンバーバル要素です。
厚生労働省の『認知症ケア法-認知症の理解』では、ジェスチャーや合図などの非言語的手法が有効な支援として紹介されています。
言葉が伝わりにくい場面では、身振りを交えた説明や、優しく手を添えるなどの動作が理解を助けます。
また、相手との距離感も配慮すべき点です。近づきすぎると威圧的に感じられる一方、遠すぎると疎外感を与えることがあります。相手の反応を見ながら、適切な距離を保つことが求められます。
言語(言葉)だけでは伝わらないもの
厚生労働省の「自己決定の支援とは何か〜判断能力が不十分な人への関わりを中心に」によると、表情や声のトーンといった非言語的要素が大部分を占めることが示されています。
そのため、介護の現場では「何を言うか」よりも「どう伝えるか」が重視されます。
言葉が届きにくい高齢者や認知症の方に対しては、やさしいまなざしや穏やかな動作を通じて気持ちを伝えることが、言葉以上に深い信頼関係を生むのです。

介護現場におけるノンバーバルコミュニケーションの活用
介護現場では、利用者の表情や動作など「言葉以外のサイン」を読み取る力が欠かせません。
特に高齢者や認知症の方は、言語で意思を伝えることが難しい場合があります。そのため、介護職が非言語的な変化を察知し、適切に応答することが求められます。
ここでは、現場での活用方法や役割について具体的に解説します。
高齢者・認知症の利用者との関わりでなぜ効果的か
高齢者や認知症の方は、加齢や病気によって聴力・理解力・発語能力が低下することがあり、言葉だけで意思を伝えることが難しくなります。
厚生労働省の『認知症ケア法-認知症の理解』でも、非言語的手法を活用したコミュニケーションが有効とされています。
例えば、穏やかな表情で相手の目線に合わせ、ゆっくりとした動作で寄り添うことで、不安や混乱を軽減しやすくなります。ノンバーバルな働きかけは、感情面の交流を支える重要な手段といえるでしょう。
具体的な場面別活用例(食事介助・移乗・会話時)
介護の現場では、ノンバーバルコミュニケーションが多様な場面で用いられます。
- 食事介助:目線を合わせて笑顔で声かけすることで、安心して食事に集中できる。
- 移乗介助:動作の前にアイコンタクトや軽いタッチで意図を伝え、恐怖感を軽減。
- 会話・傾聴時:うなずきや相づちで関心を示し、信頼感を高める。
こうした積み重ねが、利用者の心理的な安定につながります。言葉が少なくても、態度や動作から「理解しようとしている」姿勢が伝わることが大切です。
職員同士・多職種連携における非言語の役割
ノンバーバルコミュニケーションは、利用者だけでなく、職員同士や医療・看護との連携にも有効です。
表情や姿勢、視線の送り方ひとつで、相手への信頼や協調の意図が伝わります。厚生労働省の『認知症ケア法-認知症の理解』でも、多職種間の連携において「共感的理解」が重視されています。
会議や申し送り時に、相手の話をうなずきながら聞く、共感の表情を見せるなど、非言語的な反応はスムーズな情報共有に不可欠です。言葉だけでなく、態度がチームの信頼を育む要素となります。

ノンバーバルコミュニケーションを高めるための具体的スキル
ノンバーバルコミュニケーションは、意識と訓練によって高められるスキルです。介護職にとって重要なのは、利用者の表情やしぐさを正確に読み取り、適切に応答できる観察力と柔軟な対応力です。
ここでは、現場で活かせる具体的な非言語スキルのポイントを解説します。
表情・視線・微笑み・姿勢のポイント
介護の場では、表情や姿勢が利用者に与える印象を大きく左右します。厚生労働省の『信頼関係(ラポール)構築のスキル』では、穏やかな表情や優しい視線が「安心感」につながるとされています。
また、姿勢を利用者と同じ高さに合わせ、背を向けずに話すことで、尊重と共感を伝えられます。
微笑みやうなずきなどの小さな動作も、相手の発言を受け止めるメッセージとして機能します。介護では、表情が言葉以上に大きな意味を持つことを意識しましょう。
声のトーン・話すスピード・間の取り方
声の高さやスピードは、利用者の心理状態に強く影響します。介護では、穏やかな声のトーンでゆっくり話すことが重要です。
焦ったような早口は不安を与えることがあり、逆に静かすぎる声は聞き取りにくくなります。利用者の理解度や聴力に合わせ、テンポと抑揚を調整しましょう。
声の「間」を取ることで、相手が考えを整理しやすくなり、落ち着いたコミュニケーションが生まれます。
身だしなみ・空間・距離・身体向きなど配置の配慮
介護職員の服装や清潔感、立ち位置なども非言語メッセージとして相手に伝わります。
たとえば、利用者の正面より少し斜めに座ることで威圧感を与えず、自然な会話を促せます。清潔で落ち着いた服装は、信頼を得る基本要素です。
また、環境音や照明もノンバーバルな空気を左右します。明るさや静けさを保ち、話しやすい空間を整えることが大切です。
観察力・傾聴・受容・共感と結びつける
ノンバーバルスキルの核となるのは「観察力」です。厚生労働省の『信頼関係(ラポール)構築のスキル』では、相手の表情・動作・声色などの微細な変化を捉える力が、利用者理解の第一歩とされています。
観察によって得た情報をもとに、傾聴と受容の姿勢で対応することが大切です。「うなずく」「目を合わせる」「静かに待つ」など、相手に寄り添う非言語行動は共感を示す手段です。ノンバーバルの観察と共感を組み合わせることで、信頼と安心のある関係性が築かれます。

介護現場でのノンバーバルコミュニケーション導入・実践時のポイントと注意点
ノンバーバルコミュニケーションを介護現場で実践する際には、言語との整合性や利用者の個性を踏まえた配慮が欠かせません。
表情・声・姿勢などが意図せず誤解を生むこともあるため、職員一人ひとりが振り返りと共有を重ねながら、チームとして統一した対応を心がけることが大切です。
言語と非言語の整合性を保つ
言葉の内容と非言語の表現が一致していないと、利用者は混乱や不信感を抱くことがあります。
たとえば、「大丈夫ですよ」と言葉では伝えても、顔がこわばっていたり、動作が急だったりすると、安心感は得られません。表情・声・動作が一貫してこそ、信頼関係が築かれます。
利用者の個別性・文化的背景・身体機能に配慮する
非言語的な反応の捉え方は、年齢や文化、経験、身体の状態によって異なります。
距離の近さを心地よく感じる人もいれば、不快に思う人もいます。視覚・聴覚障がいのある方には、表情や身ぶりをより大きく使うなど、個々の状態に合わせた工夫が必要です。
利用者の過去の生活背景を理解したうえで関わることが大切だと言えるでしょう。
誤解を避けるためのチェックリスト
ノンバーバルコミュニケーションを適切に行うには、日々の業務の中で「自分の伝え方」を振り返ることが重要です。以下のようなポイントを確認してみましょう。
チェック項目 | 内容 |
|---|---|
表情 | 怒っていなくても緊張した顔になっていないか |
声のトーン | 利用者にとって聞き取りやすい高さか |
身体の向き | 相手に背を向けず、同じ目線で話しているか |
距離感 | 近づきすぎて威圧的になっていないか |
タイミング | 声かけの前に相手の様子を観察しているか |
こうした確認を習慣化することで、誤解や不安を減らし、円滑な対応につながります。
振り返り・チーム内で共有する
ノンバーバルコミュニケーションは、個人の感覚に頼るだけでは統一性が保てません。
厚生労働省の『認知症ケア法-認知症の理解』では、チーム全体で情報を共有し、共通の理解を持つことが支援の質向上につながるとしています。
申し送りやカンファレンスでは、「この利用者は静かな声のほうが反応が良い」「視線を合わせると笑顔が返ってくる」といった非言語的な気づきを共有すると効果的です。
職員間のコミュニケーションの質が、利用者支援の質に直結します。

ノンバーバルコミュニケーションの種類とチャネル
人間は言葉以外にも複数の感覚チャネルでコミュニケーションを行います。心理学者Knapp(1972,1978)による分類では、ノンバーバルコミュニケーションは以下の要素に分けられます。
分類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
身体動作 (Kinesics) | 表情、視線、ジェスチャー、姿勢 | 微笑む、うなずく、姿勢を正す |
身体の特徴 (Physical Characteristics) | 容貌、身長、髪型、体型 | 清潔な髪型、整った服装 |
接触行動 (Haptics) | 握手、抱擁、肩に触れる | 手をそっと握る(同意がある場合) |
近言語 (Paralanguage) | 声の音色、音量、話す速さ、抑揚 | ゆっくりとしたトーン、柔らかい声 |
空間行動 (Proxemics) | 対人距離、パーソナルスペース | 相手と斜めに座る、適度な距離 |
人工物の使用 (Artifacts) | 服装、アクセサリー、化粧 | 清潔な制服、控えめなアクセサリー |
環境 (Environment) | 照明、温度、インテリア | 明るい照明、落ち着いた室温 |
これらのチャネルを意識的に使い分けることで、言葉では補えない感情や意図をより正確に伝え、より良いコミュニケーションにつながります。

視覚・聴覚・空間など7つの主なチャネル
ノンバーバルコミュニケーションは、研究者によって様々に分類されています。
米国テキサス大学名誉教授マーク・L・ナップ(Mark L. Knapp)による代表的な分類では、以下の7つの要素に分けられます。
分類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
視覚(Visual) | 色彩、ジェスチャー、姿勢、まばたきなど、身体の動きによる情報伝達。表情や視線の使い方が感情を表す。 | 微笑む、うなずく、姿勢を正す、落ち着いた動き。 |
身体の特徴(Physical Characteristics) | 容貌、身長、髪型、皮膚の色、体型など、外見的特徴による印象形成。 | 清潔な髪型、整った服装、健康的な体格。 |
接触行動(Haptics) | 握る、抱く、肩に触れるなど、身体接触による感情伝達。信頼や親近感を表す。 | 手をそっと握る、肩を軽くたたく(同意がある場合)。 |
近言語(パラランゲージ) | 声の音色、音量、話しやすさ、抑揚、間の取り方など、音声の特徴で感情や態度を示す。 | ゆっくりとしたトーン、柔らかい声、適度な間。 |
プロクセミックス(Proxemics) | パーソナルスペース(対人距離)座る位置など、空間の取り方による関係性の表現。 | 相手と斜めに座る、適度な距離を保つ。 |
人工物の使用(アーティファクト) | 服装、アクセサリー、化粧、香水など、装身具や持ち物で印象を伝える。 | 清潔な制服、控えめなアクセサリー、香りのない整容。 |
環境(Environmental) | 照明、温度、インテリア、空間の雰囲気など、環境要素を通じた非言語的メッセージ。 | 明るい照明、落ち着いた室温、整理された空間。 |
視覚的チャネルには、表情や視線、ジェスチャー、服装などが含まれる. メラビアンの研究では特定の実験条件下で視覚情報が55%の影響を与えると考えられています。
ただし、この数値はすべてのコミュニケーションシーンに適用されるものではなく、矛盾する情報を受け取った際にどの要素を重視して感情を判断するかということに注意が必要です。
一方、聴覚的チャネルでは、声のトーンや話す速さ、間の取り方が感情や態度を表現します。
さらに、握手や抱擁といった身体接触や、パーソナルスペース(対人距離)といった空間的要素も重要です。待たせる・遅れるなどの「時間」の使い方も、無言のメッセージとして相手に影響を与えます。
加えて、学術的な分類では以下のような要素も含まれます。
- 動作行動(表情・姿勢・視線)
- 身体的特徴(身長や髪型)
- 接触行動(握手・抱擁)
- パラ言語(声の高さ・リズム・声量)
- 空間行動(距離感や座る位置)
- 人工物の利用(服装・アクセサリー・香水)
- 環境要因(照明・温度・空間の雰囲気)
これらを意識することで、より的確で豊かなコミュニケーションが可能になります。
出典:ノンバーバルコミュニケーション の種類|一般社団法人 ノンバーバルコミュニケーション協会

ジェスチャー・姿勢・パーソナルスペース(対人距離)の意味
ジェスチャー、姿勢、パーソナルスペース(対人距離)は、ノンバーバルコミュニケーションにおける重要な補足です。言葉以上に多くの情報を伝え、相手への配慮や関係性を示します。
視覚的な要素としてのジェスチャー
一方、親指を立てるサインは肯定的な意味を持ちますが、文化によっては侮辱的と受け止められる場合がある点に注意が必要です。
姿勢
背筋を伸ばして胸を張ることは自信や積極性を示し、初対面の面接やプレゼンテーションで好印象を形成します。
逆に、前かがみで肩が落ちる姿勢は不安や消極性、腕組みは防御的な態度や控えめな感情と解釈されやすいため、場面に応じた姿勢選択が重要です。
パーソナルスペース(対人距離)
パーソナルスペース(対人距離)は、アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホール(Edward T. Hall, 1966)が提唱した概念で、以下の4つの距離帯に分類されます。
距離帯 | 距離 | 関係性 | 介護現場での活用例 |
|---|---|---|---|
密接距離(Intimate Distance) | 0~45cm | 家族や恋人など非常に親しい関係 | 身体介助(入浴・排泄介助など) |
個体距離(Personal Distance) | 45~120cm | 友人や仕事仲間との会話 | 日常的な会話、食事介助 |
社会距離(Social Distance) | 120~360cm | 初対面やビジネスの打ち合わせ | 初回面談、カンファレンス |
公衆距離(Public Distance) | 360cm以上 | 講演や教室など多数を相手にする場 | 集団レクリエーション |
これらを意識して適切な距離を置くことで、相手に与える安心感や信頼感を高めることができます。
認知症の方や高齢者は、急に密接距離に入られると不安や恐怖を感じることがあります。まず視界に入る位置(個体距離)から声をかけ、相手の反応を見ながら徐々に近づくことが推奨されます。
装飾・外見・持ち物が与える印象
外見や身だしなみ、持ち物はノンバーバルコミュニケーションの重要な構成要素です。相手は無意識に服装やアクセサリー、持ち物から「清潔感」「信頼性」「自己主張」などを読み取ります。
さて、スーツを着ることで礼儀正しさや信頼感が強調され、カジュアルすぎる服装はあるいはカジュアル志向と解釈されます。
持ち物(手帳や筆記具、ノートPCなど)は趣味や仕事への姿勢を示し、相手にプロフェッショナリズムやクリエイティビティといった印象を与えます。
TPO(時・場所・場合)に合った装飾や外観を意識することは、相手への配慮を示す行動でもあります。

ノンバーバルコミュニケーションの具体例
ノンバーバルコミュニケーションは、日常生活やビジネスの場面で無意識に行われています。
以下の具体例を理解することで、相手の心理を正確に読み取り、自分の伝え方を工夫できます。
分類 | 具体例 | 意味・伝わる印象 |
|---|---|---|
表情 | 笑顔 | 好意や安心感を示す。相手に受け入れられている印象を与える。 |
眉間にしわを寄せる | 不安や不満、緊張を伝える。相手に心配や抵抗の印象を与える。 | |
声のトーン | 柔らかい音 | 優しさや聞き取りやすさを感じさせ、落ち着いた雰囲気を作る。 |
強い口調 | 緊張感や威圧感を与える。場面によっては叱責や不快感として受け取られることもある。 | |
姿勢・動作 | うなずく | 共感や傾聴の姿勢を示し、相手に「話を受け止めてもらえている」と感じさせる。 |
腕組み | 防御的な態度、拒否や距離を置きたい意志を示す。 | |
身体を相手に向ける | 積極的な関心や関与の姿勢を示し、対話への前向きな姿勢を伝える。 |
これらの非言語的サインを組み合わせて観察することで、言葉だけでは得られない相手の感情や意図を汲み取り、より効果的なコミュニケーションが実現します。
表情・目線の読み取り方
表情と視線は、感情を直接伝えやすい非言語的要素です。 笑顔は好意や安心感を示し、怒りや不快感を伴い眉間のしわ寄せは警戒心や不満を伝えます。
視線にも多様なサインがあります。適当なアイコンタクトは誠意や自信を示しますが、見つめすぎると威圧的に受け取られる可能性も。
これらを同時に観察することで、言葉では表現されにくい感情や心理状態を正確に認識でき、相手の本心を捉えることができる可能性があります。
声のトーン・話し方の変化による影響
声の調子や話し方は、同じ言葉でもまったく異なる感情や印象を与える重要な要素です。声の大きさや話す速さ、間の取り方は、話し手の緊張・自信・焦りなどの心理状態を反映します。
例えば、早口は焦りや不安を示唆し、ゆっくり丁寧な話し方は落ち着きや信頼感を印象づけます。
自分の声の使い方を意識的に調整することで、メッセージをより効果的に伝えられ、相手の受け止め方を良い方向へ導くことができます。
声の特徴 | 感情・印象の例 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
声が大きい/はっきり | 自信、明るさ、積極性 | 状況により「威圧的」と受け取られることがある |
声が小さい/こもる | 不安、消極的、緊張 | 聞き返されるとさらに緊張が高まる場合もある |
早口 | 焦り、緊張、準備不足 | 落ち着きがない印象を与えることがある |
ゆっくり・丁寧 | 落ち着き、自信、説得力 | 面接や商談では信頼感を高める効果がある |
抑揚がない | 無関心、疲労、感情の乏しさ | 長時間続くと相手の集中力が下がりやすい |
動作や姿勢に現れる感情
動作や姿勢は、感情や心理状態を表す重要な非言語的サインです。無意識のうちに身体が心の状態を投影するため、相手の動作や姿勢の観察は内面理解の重要な手がかりとなります。
姿勢・動作 | 伝わりやすい感情・心理状態 | 解釈のポイント |
|---|---|---|
背筋を伸ばし胸を張る | 自信、積極性、リーダーシップ | 面接・プレゼンなどで好印象 |
前かがみになる、下を向く | 緊張、不安、自信のなさ | 態度だけで判断せず、話し方も併せて観察 |
腕組みをする | 防御姿勢、拒否、集中 | 寒さ・癖など別の要因の可能性もある |
手を頻繁に動かす、貧乏ゆすり | 落ち着かない、焦り、苛立ち | 無意識のストレスサインとして出ることがある |
相手に身体を向ける | 関心、共感、協力的な姿勢 | 相手に向けることで対話の効果が高まる |
これらの動作・姿勢のサインを意識し、自分自身も無意識の動きを制御できれば、相手からの視点を高め行動を選択できるようになります。

恋愛・日常生活におけるノンバーバルコミュニケーションの活用例
ノンバーバルコミュニケーションは、恋愛や家族・友人との関係において信頼や安心感を育むうえで欠かせない役割を果たします。言葉では伝えにくい感情を補う手段として、日常生活のさまざまな場面で活用できるのです。
例えば、恋愛関係では笑顔やアイコンタクトが親密さや安心感を高め、自然なボディタッチが好意を伝えるサインとなります。
家族や友人との関係では、うなずきや相づちなどの反応が「きちんと話を聞いている」というメッセージになり、相手の安心感や信頼につながります。
このように、表情やしぐさ、声のトーンなどの非言語的要素を意識して使うことで、言葉だけでは伝わりにくい思いを補い、円滑な人間関係を築くことができます。
恋愛に効く視線・距離・しぐさの活用法
恋愛におけるノンバーバルコミュニケーションでは、視線や距離、さりげないしぐさが好意や信頼を示す重要なサインとなります。言葉以上に、無意識の動作が相手に安心感や親近感を与えるのです。
例えば、相手の目をやさしく見つめる視線は関心の表れと受け取られることがあります。また、パーソナルスペース(対人距離)に自然に近づけるかどうかは、心理的距離感と深く関係しています。
さらに、会話中に笑顔を返したり、うなずきや共感の表情を示したりすることも、相手に安心感と好印象を与える効果があります。
ただし、過度な接近や不自然なジェスチャーは逆効果になる可能性があります。相手の反応を観察しながら適度な距離としぐさを調整することが、良好な関係づくりのポイントです。
家族・友人との円滑な関係づくりに役立つ方法
日常生活においても、ノンバーバルコミュニケーションは人間関係の潤滑油として大きな役割を果たします。家族や友人との間では、言葉を使わなくても気持ちを伝えられる場面が多くあります。
例えば、疲れている家族にそっと寄り添う姿勢や、黙って話を聞きながらうなずく行為は、安心感や受容の気持ちを相手に届ける効果があります。
柔らかい表情や無言の気遣いは、衝突を避け、人間関係を和らげるサインとして機能します。
さらに、相手の動作や顔色から体調や感情の変化を察知し、必要なときにさりげなく声をかけることで、信頼と絆を深めることができます。
言葉に頼りすぎず、観察と共感を大切にする姿勢が、家族や友人との良好な関係づくりに役立つ要素の一つとされています。
状況 | 有効なノンバーバル行動 | 効果 |
|---|---|---|
落ち込んでいる家族がいる時 | 無言で隣に座る、そっと背中をさする | 支えや共感の気持ちが伝わる |
話を聞いている時 | うなずき、目を見て頷く、間をあけて返答する | 「聞いている」という安心感を与える |
褒めたい時 | 笑顔でアイコンタクト、親しみのある声のトーン | 喜びが伝わり、信頼が深まる |
けんかやすれ違い後 | 穏やかな表情で目線を合わせる | 仲直りのきっかけになりやすい |

ビジネスで活かすノンバーバルコミュニケーション
ビジネスの現場では、ノンバーバルコミュニケーションが成果を大きく左右します。特にプレゼンや営業では、言葉の内容以上に「伝え方」が相手の信頼や納得感に直結するのです。
例えば、プレゼン中に聴衆へアイコンタクトをとることで関心を引き、ジェスチャーで要点を強調すると説得力が増します。
営業の場面では、相手の話にうなずいたり前傾姿勢で聞いたりすることで「真剣に向き合っている」という誠意を示せます。また、声のトーンや間の取り方を工夫することで、安心感や自信を自然に伝えることが可能です。
このように、ビジネスにおけるノンバーバルコミュニケーションは、相手に好印象を与え、信頼関係を築きながら成果につなげるための重要なスキルといえます。
プレゼン・営業での活用テクニック
ビジネスシーンでは、プレゼンや営業の成否を左右する要素として、話の内容以上に「伝え方」が重要です。
自然な姿勢や目線は自信を感じさせ、周囲の評価や信頼感を高めます。さらに、アイコンタクトをとりながら話す、ジェスチャーで強調点を示す、聞き手に身体を向けて話すといった動作は、説得力を増す効果があります。
また、声のトーンや間の取り方も相手の集中力に大きな影響を与えます。例えば、落ち着いたトーンでゆっくり話すと安心感を与えますが、早口で抑揚がない話し方は不安や退屈さを感じさせることがあります。
自分を信じて堂々とした態度を取ることで相手にも自信が伝わり、信頼感アップにつながります。

国・文化によって異なる非言語の意味
ノンバーバルコミュニケーションは、国や文化によって意味が異なるため、国際的な交流の場では特に注意が必要です。同じ表情やジェスチャーでも、文化の違いによって相手に与える印象が大きく変わることがあります。
例えば、日本では目を合わせすぎると威圧的と感じられることがありますが、欧米ではアイコンタクトを取らないことが「自信がない」「誠意がない」と受け取られる場合があります。
また、親しみを示すための握手やハグも、文化によっては不快に感じられることがあります。さらに、パーソナルスペース(対人距離)の広さも国ごとに異なり、距離感の取り方を誤ると無意識のうちに誤解を生む可能性があります。
このように、ノンバーバルコミュニケーションは普遍的なものではなく、文化的背景を理解して適切に使うことが国際的な信頼関係の構築に欠かせません。
国際的な表情やジェスチャーの違い
ノンバーバルコミュニケーションの表情やジェスチャーは世界共通のものと思われがちですが、実際には国や文化によって解釈が大きく異なります。国際的な場面では、その違いを理解することが信頼関係の構築に不可欠です。
例えば、日本では無表情が「礼儀正しい」「落ち着いている」と受け取られることがありますが、アメリカでは「無関心」「冷淡」と捉えられる場合があります。
また、親指を立てるサインは日本や欧米の多くで肯定的な意味を持ちますが、中東の一部地域では侮辱のジェスチャーとして解釈されることがあります。
さらに、手招きやうなずきといった動作も、国によって意味が逆になるケースがあります。
このように、表情やジェスチャーは普遍的ではなく、文化差を理解せずに使うと誤解やトラブルを招く可能性があります。
異文化交流の際には、相手国の非言語表現を事前に確認し、グローバルな視点で対応することが重要です。
文化ごとのパーソナルスペース(対人距離)・接触の違い
ノンバーバルコミュニケーションにおいて、パーソナルスペース(対人距離)や身体的接触に対する感覚は文化によって大きく異なります。国際的な場面での誤解や不快感を避けるためには、この文化差を理解することが欠かせません。
例えば、ラテン系やアラブ諸国では、親しみを示す手段として握手やハグ、頬へのキスが一般的です。一方で、日本や北欧などの文化では、一定の距離を保つことが礼儀とされ、過度な接触は控えられる傾向にあります。また、会話中にどの程度相手に近づくかは、心理的な快適さに直結し、文化ごとに異なる基準を持っています。
このように、パーソナルスペース(対人距離)の違いを理解することで、無意識のうちに相手を不快にさせることを防げます。ビジネスや旅行など国際的な交流の場では、距離感に敏感であることが相手への配慮となり、信頼関係を築く第一歩となります。
表現・しぐさ | 日本での意味 | 意味(他国例) | 注意点 |
|---|---|---|---|
親指を立てる | OK、承認 | 中東:侮辱、西アフリカ:挑発的な意味 | 誤解や敵意を招かないよう文化背景に留意 |
手招き(手のひらを上に) | 呼びかけ | フィリピン・韓国:動物を呼ぶ/非礼 | 相手の年齢や立場により強く不快感を与える場合も |
無表情 | 落ち着き、敬意 | アメリカ・カナダ:冷淡、非協力的と受け取られる | 「感情表現の程度」は文化差が大きい |
うなずき(首を縦に振る) | 同意 | ブルガリア・アルバニア:否定の意味 | 話の流れでの確認が必要 |

ノンバーバルコミュニケーションの効果と実証データ
ノンバーバルコミュニケーションは、人間関係や仕事の成果に大きな影響を与えることが数多くの研究で示されています。言葉の内容以上に、表情・声のトーン・姿勢といった非言語的要素が、相手の印象形成を大きく左右するのです。
この点を裏付ける代表的な研究が、米国の心理学者アルバート・メラビアン教授による「メラビアンの法則」です。
1971年の著書『Silent Messages』で紹介された実験では、好意や感情を伝える限定的な状況下での対人コミュニケーションにおいて感情や態度を伝える際の影響度は、言語情報7%・聴覚情報38%・視覚情報55%と言われています。
このように、ノンバーバルコミュニケーションは単なる補助的な存在ではなく、人間関係の質や信頼性を左右する中心的な役割を果たしているのです。
非言語情報が人に与える印象の強さとは?
人は相手と対面した際、言葉そのものよりも 表情・視線・声の調子 といった非言語情報から強い印象を受けるとされています。
特に 初対面の場面 では、こうした非言語的な要素が相手の評価や好感度に大きな影響を及ぼすことが、心理学の研究でも繰り返し示唆されています。
例えば、笑顔であいさつをする人には自然と好意を持ちやすく、整った身だしなみや姿勢の良さは 誠実さや信頼感 につながります。
逆に、視線を合わせない態度や不自然な姿勢は、不安感や不信感を与えてしまう場合もあります。
このように、非言語要素は単に言葉を補うだけでなく、信頼関係や安心感の形成に直結する重要な役割 を担っています。
職場での対人関係、就職面接、営業や接客の場面など、ビジネスにおいても非言語表現は成果を左右する欠かせない要素といえるでしょう。
非言語要素 | 行動・特徴の例 | 相手に与える印象 |
|---|---|---|
表情 | 笑顔、眉間のしわ | 好印象・親しみやすさ/不快感・緊張感 |
姿勢 | 背筋が伸びている、猫背 | 自信・誠実さ/不安・消極性 |
視線 | 適度に目を合わせる、視線を逸らす | 関心・信頼感/緊張・不信感 |
身だしなみ | 清潔な服装・整った髪型 | 丁寧・信頼感/だらしなさ・不安感 |
声のトーン | 落ち着いた話し方、急な高低差 | 安心感・自信/焦り・緊張感 |

ノンバーバルコミュニケーションの反対とは?
ノンバーバルコミュニケーションの対となるのが、バーバル(言語的)コミュニケーション です。
バーバルコミュニケーションとは、言葉を用いて情報や意見を正確に伝える手段であり、論理的な説明や事実の共有に適しています。
一方で、ノンバーバルコミュニケーションは、感情や態度といった言葉では伝えにくい要素を補う役割 を果たします。両者は対立する概念ではなく、相互に補完することで初めて効果的な伝達が成立 します。
例えば、ビジネスの場で企画を説明する際には、言語(データや論理)による説得力に加えて、非言語(表情や声の抑揚、姿勢)が信頼感を強めます。逆に、言語だけで説明しても、表情が硬かったり声が弱々しかったりすると、相手に十分な説得力が伝わらない可能性があります。
このように、バーバルとノンバーバルを組み合わせることが、円滑で信頼性の高いコミュニケーションの鍵 となります。
バーバルコミュニケーションの特徴と比較
バーバルコミュニケーション とは、言葉を使って意思や情報を伝達する方法です。話し言葉(会話・プレゼン・電話)や書き言葉(メール・文章・報告書)を含み、論理的で具体的な情報伝達 に適しています。
特に、数字・データ・手順といった客観的な事実を共有する際に大きな力を発揮します。
一方で、ノンバーバルコミュニケーション は、表情・視線・ジェスチャー・声のトーンなどを通じて、感情や人間関係のニュアンスを補完する役割 を担います。
例えば、会議で「了解しました」と口で伝えていても、視線をそらし無表情で話すと、本心が疑われてしまう可能性があります。
つまり、バーバルが 「何を伝えるか」 に特化しているのに対し、ノンバーバルは 「どう伝わるか」 に強く影響するとされています。
項目 | バーバルコミュニケーション | ノンバーバルコミュニケーション |
|---|---|---|
主な手段 | 話し言葉、書き言葉 | 表情、視線、ジェスチャー、声のトーンなど |
情報の性質 | 明確・論理的・具体的 | 感情・態度・人間関係など曖昧で直感的 |
解釈のばらつき | 少ない(文脈に依存しづらい) | 多い(文化や個人差に影響されやすい) |
使用の意識レベル | 意識的に使うことが多い | 無意識に現れることが多い |
主な役割 | 事実・意見・内容の伝達 | 感情や信頼、態度などを補完し「印象」を形成する |
言葉だけでは伝わらない理由
言葉は情報を正確に伝えるうえで非常に便利な手段ですが、感情や微妙なニュアンスをすべて表現できるわけではありません。
たとえば、相手が「大丈夫」と言葉では伝えていても、声が震えていたり表情がこわばっていたりすれば、「本当は無理をしているのではないか」と感じ取ることがあります。
このように、言葉の裏にある本音や感情は、非言語的な要素によって補完されています。
また、同じ言葉でも文化や文脈によって受け取り方が異なる場合があり、こうしたズレを埋め、誤解を防ぐ役割を果たすのがノンバーバルコミュニケーションです。
つまり、言語だけでは相手の気持ちや温度感を十分に伝えることは難しく、言葉と非言語を組み合わせることで初めて深い理解と信頼関係が築かれるのです。
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まとめ
ノンバーバルコミュニケーションは、言葉を使わずに相手に気持ちや意図を伝えるコミュニケーションの一種です。表情、視線、声の調子、姿勢、ジェスチャーなどを通じて、相手に安心感や信頼感を与えることができます。特に福祉や医療、教育の現場では、相手の言葉にならないサインを読み取る力が求められます。
言葉だけでなく、非言語的なやり取りにも意識を向けることで、より深い理解や信頼関係を築くことができます。相手の表情の変化や声の抑揚から感情を感じ取り、共感的に寄り添う姿勢が大切です。
ノンバーバルコミュニケーションを意識することで、対人援助の場面だけでなく、日常の人間関係や仕事の中でも円滑なコミュニケーションが実現しやすくなります。
よくある質問
Q.ノンバーバルコミュニケーションの具体例は?
ノンバーバルコミュニケーションの例には、表情、視線、姿勢、声のトーン、うなずき、身ぶりなどがあります。
介護の現場では、穏やかな笑顔や目線を合わせた対応、やさしい声かけなどが、言葉以上に利用者への思いやりを伝える手段になります。
Q.「ノンバーバル」とはどういう意味ですか?
「ノンバーバル」とは、英語の“non-verbal”を意味し、「言葉を使わない」「非言語的な」という意味です。つまり、表情や声の調子、しぐさなど、言語以外の方法で感情や意図を伝えるコミュニケーションの形を指します。
Q.バーバルコミュニケーションとは何ですか?
バーバルコミュニケーションとは、言葉や文字などを使って情報や気持ちを伝える「言語的コミュニケーション」です。
介護では、丁寧な言葉遣いやわかりやすい説明が求められますが、非言語的要素と組み合わせることで、より伝わりやすい対応が可能になります。
Q.ノンバーバルコミュニケーションの日本語訳は?
「ノンバーバルコミュニケーション」は、日本語で「非言語コミュニケーション」と訳されます。
言葉以外の表現手段を用いて相手に思いや感情を伝えることを意味し、介護や医療など、人との関わりが中心となる分野で重視されています。

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み










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