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- デイサービスの仕組みを知りたい種類やサービス内容を理解して、利用や比較を検討したい方
- 利用条件や費用を理解したい介護認定や自己負担額など、具体的な利用条件を整理したい方
- 1日の流れや利用手順を知りたい実際のスケジュール感を把握して、家族や本人の生活設計に役立てたい方
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通所介護(デイサービス)とは?
通所介護(デイサービス)とは、要介護状態となった高齢者が自宅での生活を続けながら、心身機能の維持・向上を目的に日帰りで通う介護サービスです。
施設では入浴・排せつ・食事などの日常生活支援に加え、機能訓練やレクリエーションを通じて社会的なつながりを持つことができます。
また送迎付きのため外出の機会が増え、閉じこもりや孤立を防ぐ効果も期待できます。
さらに介護を担う家族にとっては、介護から一時的に解放される時間が得られる点も大きなメリットです。
施設数
令和4年介護サービス施設・事業所調査によると、2022年10月時点で全国には通所介護事業所が 2万4,569か所 あります。
高齢化の進展に伴い需要は年々増加しており、地域ごとに多様なサービスが展開されています。今後も安定した供給が見込まれる分野といえるでしょう。
項目 | 数値 | 出典 |
---|---|---|
通所介護事業所数 | 24,569か所 | 厚生労働省「令和4年介護サービス施設・事業所調査」 |
出典:老人デイサービスセンター

通所介護(デイサービス)の利用条件
ここでは、通所介護(デイサービス)を利用するための条件について解説します。
要介護・要支援の認定区分や、地域密着型サービスにおける利用制限、さらに自己負担割合や地域差による費用の違いなど、利用前に知っておきたいポイントもまとめました。
対象となる方
- 要介護1〜5の認定を受けた方
- 通常の「通所介護」は 要支援1・2の人は利用不可
- 「介護予防通所介護(予防デイサービス)」は、要支援認定者が対象
地域密着型サービスの制限
地域密着型通所介護の場合、原則としてお住まいの市区町村内の事業所のみ利用できます。
市外の施設を利用したい場合は制度上できないため、事前に確認が必要です。
利用者負担と地域差
- 自己負担は原則1割(一定以上所得者は2〜3割)
- 費用は事業所の規模・利用時間・居住地域の区分(1級地〜7級地など)により変動
- 食費やおむつ代といった日常生活費は別途自己負担
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通所介護(デイサービス)の費用目安(通常規模型/7時間以上8時間未満の場合)
ここでは、通所介護(デイサービス)を利用する際の費用目安を紹介します。
要介護度ごとの自己負担額(1割負担の場合)を基準に、通常規模型で7〜8時間利用した場合の料金をまとめています。地域差や加算により金額が変動する点にも注意が必要です。
要介護度 | 自己負担額(1割の場合) |
---|---|
要介護1 | 658円 |
要介護2 | 777円 |
要介護3 | 900円 |
要介護4 | 1,023円 |
要介護5 | 1,148円 |
※あくまで目安であり、地域区分や加算により金額は変動します。
出典:老人デイサービスセンター

通所介護と(デイサービス)介護予防通所介護の利用条件
ここでは、通所介護(デイサービス)と介護予防通所介護の利用条件について解説します。
要介護認定を受けた方と、要支援認定者が利用できるサービスの違いや、管轄、自己負担割合などを整理し、それぞれの特徴をわかりやすくまとめました。
区分 | 対象者 | 利用できるサービス | 管轄 | 自己負担割合 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
通所介護(デイサービス) | 要介護1〜5の認定を受けた方 | 入浴・食事・機能訓練・レクリエーションなど日帰り介護サービス | 都道府県(通常規模)/市区町村(地域密着型) | 原則1割(所得により2〜3割) | 要支援1・2は利用不可 |
介護予防通所介護(予防デイサービス) | 要支援1・2の認定を受けた方 | 軽度者向けの機能訓練や生活支援、介護予防プログラム | 市区町村 | 原則1割(所得により2〜3割) | 要介護状態への進行を予防することが目的 |
出典:老人デイサービスセンター
介護保険制度に基づく対象者
通所介護(デイサービス)は介護保険の給付対象サービスのため、原則として 65歳以上で要介護認定を受けた方 が利用できます。
要介護度1〜5のいずれかに認定されていれば対象となります。
要支援認定者も利用可能
要介護状態には至らないものの、日常生活に支援が必要と判断された 要支援1・2 の方も「介護予防通所介護(介護予防デイサービス)」として利用できます。
軽度の支援が必要な方も対象に含まれます。
40〜64歳の特定疾病による利用
介護保険の第2号被保険者(40〜64歳)で、がん末期や脳血管疾患、認知症などの 特定疾病により要介護認定を受けた場合 もデイサービスを利用できます。
利用にあたっての手続き
利用には市区町村への 要介護認定申請→認定→ケアマネージャーによるケアプラン作成 が必要です。
認定がなければ原則利用できませんので、まずは地域包括支援センターへ相談しましょう。
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デイサービスは健康な人でも利用できる?
ここでは、デイサービスが健康な高齢者でも利用できるのかについて解説します。
介護保険の対象者や、要介護認定を受けていない方でも参加できる自治体の介護予防事業・通いの場など、状況に応じた利用の選択肢を紹介します。
介護保険の対象は「要介護・要支援」認定者
通所介護(デイサービス)は、介護保険制度に基づき提供される公的サービスです。
そのため、原則として市区町村の介護認定で「要介護」または「要支援」と判定された方のみが対象となります。健康な高齢者が自由に申し込んで利用することはできません。
健康な高齢者向けの通いの場もある
一方で、介護予防や交流を目的にした「通いの場」や「シニア向けサロン」、市町村が運営する「介護予防事業」などは、介護認定を受けていない健康な高齢者でも参加できます。
体操や趣味活動、仲間づくりを通じて健康維持を図る取り組みです。
利用を検討する際のポイント
健康な人がデイサービスを利用したい場合、まずは自治体の高齢者支援窓口や地域包括支援センターに相談するとよいでしょう。
要介護認定の申請が必要か、あるいは介護予防事業などの別サービスを利用できるかを確認することで、自分に合った支援が選べます。
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通所介護(デイサービス)のサービス内容
ここでは、通所介護(デイサービス)で提供される具体的なサービス内容を紹介します。
入浴や食事などの日常生活支援に加え、機能訓練やレクリエーション、送迎サービスまで、多面的に利用者の生活を支える仕組みをまとめました。
サービス内容 | 具体的な支援内容 |
---|---|
食事の提供 | 栄養バランスを考慮した食事を提供 嚥下機能に応じて、きざみ食・ミキサー食などに対応 |
入浴介助 | 身体状況に合わせてスタッフが入浴をサポート 機械浴や特殊浴槽で寝たきりや座位入浴も可能 |
排せつ介助 | トイレ誘導や介助を実施 プライバシーに配慮し、安心して利用できる環境を整備 |
機能訓練(リハビリ) | 理学療法士・作業療法士による運動や歩行訓練、体操、脳トレ、指先作業などを実施 |
レクリエーション・趣味活動 | 季節イベント、ゲーム、手芸、生け花、囲碁、カラオケなどで気分転換や交流促進 |
健康チェック | 看護師による体温・血圧・脈拍測定 必要時には服薬管理や医療的ケアも対応 |
送迎サービス | 専用車両で自宅と施設間を送迎 片道30〜40分程度が目安で家族の負担を軽減 |
口腔ケア | 食後の歯磨き支援や口腔清潔保持 誤嚥性肺炎の予防にもつながる |
外出レクリエーション | 公園やレストランへの外出、花見・夏祭りなど季節行事を企画し生活に彩りをプラス |
日常生活の支援
通所介護(デイサービス)では、入浴・排せつ・食事など日常生活に欠かせない介護サービスが提供されます。
施設スタッフのサポートを受けながら生活動作を行うことで、自宅での自立した生活を維持しやすくなります。
機能訓練とリハビリ
理学療法士や作業療法士などの専門職による機能訓練が実施されます。
マシントレーニングを用いた軽負荷のパワーリハビリテーションや体操を通じて、身体機能や生活意欲の向上を目指します。
レクリエーション活動
書道や陶芸、生け花、音楽、体操など多彩なプログラムが用意されており、楽しみながら心身の活性化を図れます。
利用者同士の交流も自然に生まれるため、孤立感の解消にもつながります。
送迎サービス
多くの施設では自宅からの送迎が行われるため、家族の負担を軽減し、利用者も安心して通うことができます。
送迎付きで外出の機会が確保され、閉じこもり防止にも効果が期待できるでしょう。
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デイサービス利用方法!開始までの流れ
ここでは、デイサービスを実際に利用開始するまでの流れを解説します。
要介護認定の申請からケアマネージャーとの相談、施設の見学や体験利用、契約手続きまで、スムーズに利用を始めるためのステップを順を追って紹介します。
ステップ | 内容 | ポイント |
---|---|---|
① 要介護認定の申請 | 市区町村の役所や地域包括支援センターで申請 調査・主治医意見書をもとに判定 | 「要支援」「要介護」に認定されることで利用可能。 |
② ケアマネージャーに相談 | ケアプラン(介護サービス計画)を作成 利用者や家族の希望を踏まえて提案 | デイサービスの利用頻度や目的を明確にできる。 |
③ 施設の見学・体験利用 | 複数施設を比較し、雰囲気やプログラム、送迎範囲を確認 | 体験利用で本人に合うかどうかを判断。 |
④ 契約・利用開始 | 契約を締結し、利用日や送迎方法を決定 初回利用で健康チェックと個別計画を作成 | 契約後すぐに定期利用をスタートできる。 |
1. 要介護認定の申請
まず、通所介護(デイサービス)を利用するには「要介護認定」を受ける必要があります。これは、ご本人やご家族が市区町村の窓口や地域包括支援センターに申請します。
申請後、調査員が自宅を訪問し、ご本人の心身の状態について聞き取り調査を行います。
その結果と主治医意見書の内容をもとに、介護がどの程度必要かが判定され、「要支援1・2」または「要介護1〜5」といった認定が出されます。
2. ケアマネージャーとの相談・ケアプラン作成
要介護認定を受けたら、担当のケアマネージャー(介護支援専門員)がつきます。ケアマネージャーは、ご本人やご家族の希望や生活状況を聞き取り、どのようなサービスが必要かを一緒に考えます。
そして、デイサービスを含めた「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成します。
ケアプランには、どの施設をどのくらいの頻度で利用するか、どのような支援が必要かなどが具体的に記載されます。
3. 施設の見学・体験利用
ケアマネージャーと相談しながら、実際に利用を検討しているデイサービス施設を見学することができます。
見学では、施設の雰囲気や設備、スタッフの対応、提供されるサービス内容などを直接確認できます。
施設によっては、1日体験利用ができる場合もあります。見学や体験を通じて、ご本人やご家族が納得できる施設を選ぶことが大切です。
4. 必要書類の準備・提出
利用を希望する施設が決まったら、必要書類を準備します。
多くの場合、健康診断書や診療情報提供書を主治医に作成してもらい、施設に提出します。
これにより、施設側もご本人の健康状態や配慮すべき点を把握できます。
5. 契約・利用開始
書類の提出や面談などを経て、施設と正式に契約を結びます。契約内容には、利用日やサービス内容、料金、送迎の有無、持ち物などが記載されています。
契約が完了したら、いよいよ通所介護(デイサービス)の利用が始まります。初回利用時には、スタッフが送迎や持ち物、当日の流れなどを丁寧に説明してくれます。
このように、デイサービスの利用開始までには「要介護認定の申請」「ケアマネージャーとの相談とケアプラン作成」「施設見学・体験」「必要書類の提出」「契約・利用開始」といった流れがあります。
ケアマネージャーが手続きをしっかりサポートしてくれるので、初めての方でも安心して進めることができます。
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通所介護(デイサービス)を利用するメリット
ここでは、通所介護(デイサービス)を利用することで得られる主なメリットを紹介します。
心身機能の維持や認知症予防、社会的なつながりの確保、さらに家族の介護負担の軽減まで、多方面で生活を支える効果もまとめました。
1. 社会的交流の場としての役割
通所介護(デイサービス)では、他の利用者やスタッフと日常的に交流することができます。これにより、自宅で一人で過ごす時間が減り、孤立感や寂しさを感じにくくなります。
同じような境遇の方々と会話したり、レクリエーションや趣味活動を一緒に楽しむことで、自然と笑顔や会話が増え、生活にハリが生まれます。
こうした社会的な刺激は、認知症の予防や進行の抑制にも効果があるとされています。
2. 心身機能の維持・向上
通所介護(デイサービス)では、専門スタッフによるリハビリや体操、機能訓練が定期的に行われています。
これにより、筋力やバランス感覚を維持・向上させることができ、寝たきりや転倒のリスクを減らすことにつながります。
また、頭を使うゲームや脳トレ、手先を使う作業なども取り入れられており、認知機能の低下予防にも役立ちます。
自宅ではなかなかできない運動や訓練を、無理なく楽しく続けられるのが大きな魅力です
3. 家族の介護負担を軽減
日中、ご本人が通所介護(デイサービス)を利用している間、ご家族は介護から一時的に解放され、自分の時間を持つことができます。
これにより、心身のリフレッシュや休息ができ、介護によるストレスや疲労の軽減につながります。家族が無理なく介護を続けていくためにも、デイサービスの利用は大きな助けとなります。
4. 安心できる生活支援
通所介護(デイサービス)では、入浴や食事、排泄などの日常生活に必要な介助を、専門のスタッフが丁寧にサポートします。
自宅での入浴が難しい方も、バリアフリーの設備やスタッフの介助で安心して入浴できます。また、健康チェックや服薬管理なども行われているため、体調の変化にもすぐに対応することが可能です。
5. 栄養バランスの取れた食事や生活リズムの安定
通所介護(デイサービス)では、栄養バランスに配慮した食事が提供されます。咀嚼や飲み込みが難しい方には、刻み食やミキサー食など個別対応も可能です。
みんなで食事をすることで食欲もわきやすくなり、食生活の改善にもつながります。
また、決まった時間に施設へ通うことで、生活リズムが整い、日々の健康維持にも役立ちます。
6. 楽しみや生きがいの創出
通所介護(デイサービス)では、季節ごとのイベントや趣味活動、レクリエーションなど、さまざまな楽しいプログラムが用意されています。
新しい趣味を見つけたり、得意なことを活かしたりすることで、日々の生活に楽しみや生きがいを感じることができます。
このように、通所介護(デイサービス)はご本人の心身の健康維持や生活の質の向上だけでなく、ご家族の負担軽減や安心感にもつながる、大きなメリットのあるサービスです。
施設ごとに特色やプログラムも異なるため、ご本人やご家族の希望に合ったデイサービスを選ぶことが大切です。

通所介護(デイサービス)を利用する際の注意点
ここでは、通所介護(デイサービス)を利用する際に知っておきたい注意点をまとめました。
費用負担やサービス内容の違い、定員や職員体制の確認、家族との連携など、スムーズに活用するために押さえておきたいポイントを紹介するのでぜひチェックしてみてください。
費用の自己負担に注意
通所介護は介護保険が適用されますが、所得によって1〜3割の自己負担が発生します。
また、食事代やおやつ代、レクリエーション材料費など保険対象外の費用もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
施設ごとのサービス内容の違い
通所介護(デイサービス)と一口に言っても、機能訓練に力を入れている施設や、レクリエーション中心の施設など特徴はさまざまです。希望する支援や利用目的に合った施設を選ぶために、見学や体験利用をおすすめします。
利用定員や職員体制の確認
施設によって利用定員やスタッフ配置に違いがあり、サービスの手厚さに差が出ることもあります。特に小規模型や地域密着型では、定員や職員数が少ないため、希望の曜日に利用できないケースもあるので注意が必要です。
家族との連携も重要
通所介護(デイサービス)を有効に活用するためには、利用者本人だけでなく家族との連携が不可欠です。
施設側と情報共有を行い、健康状態や生活の変化を伝えることで、より適切な支援が受けられます。
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通所介護(デイサービス)の利用料金と自己負担額
通所介護(デイサービス)の利用料金は、主に「介護保険が適用される費用」と「介護保険が適用されない実費」の2つに分かれます。ここでは、それぞれについて詳しく説明します。
1. 介護保険が適用される費用
通所介護(デイサービス)の基本的な利用料や、送迎、レクリエーション、機能訓練などのサービスには介護保険が適用されます。自己負担割合は原則1割ですが、所得が一定以上の方は2割または3割となります。
出典:厚生労働省 | サービスにかかる利用料 介護事務所・生活関連情報検索
利用料は要介護度や利用時間、施設の規模によって異なります。例えば、要介護1の方が7〜8時間利用した場合、1回あたりの自己負担額はおよそ658円(1割負担の場合)となります。要介護度が高くなるほど、また利用時間が長くなるほど料金は上がります。
出典:「どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス)」介護事業所・生活関連情報検索システム 厚生労働省
また、入浴介助や個別機能訓練、認知症ケアなど、特別なサービスを受けた場合は「加算」として追加料金が発生します。加算料金は1回あたり40円〜200円程度が一般的です。
2. 介護保険が適用されない実費負担
介護保険の対象外となる費用もあります。代表的なのは食費やおやつ代、レクリエーション材料費などです。昼食代は1食あたり500〜700円程度が多く、おやつ代やイベント材料費も実費で請求されます。
また、施設でおむつや日用品を利用した場合も、実費負担となります。自分で持参すれば費用はかかりませんが、施設のものを使う場合はその分が加算されます。
3. 月額・1回あたりの目安
1回あたりの利用料金(自己負担分)は、介護度や利用時間によって異なりますが、1,000円〜2,500円程度が一般的です。
4.その他のポイデイサービス(通所介護)の費用はどれくらい?1回にかかる費用や軽減制度についても紹介ヒント
- 所得が低い方には、負担軽減のための制度もある
- 医療系サービス(通所リハビリテーションなど)を受けた場合、条件によっては医療費控除の対象になることも
- 実際の請求額は「利用料+加算+食費+その他実費」の合計となる
このように、通所介護(デイサービス)の料金は介護度や利用内容、施設によって大きく異なります。利用前にケアマネージャーや施設に詳細を確認することが大切です。

通所介護(デイサービス)の種類
通称介護(デイサービス)には、利用者の心身の状態や目的に合わせて選べる複数の種類があります。
一般的な通常規模型から、小規模型・認知症対応型・リハビリ特化型、さらに宿泊が可能なお泊りデイサービスまで、それぞれの特徴や向いている人を整理してまとめました。
種類 | 利用定員 | 主な特徴 | 向いている人 |
---|---|---|---|
通常規模型 | 19人以上 | 入浴・食事・レクリエーションなど幅広いサービスを提供 交流機会が多い | 他者との交流を楽しみたい人 |
小規模型(地域密着型) | 18人以下 | 家庭的な雰囲気で個別対応がしやすい 市区町村が管轄 | 少人数で落ち着いた環境を望む人 |
認知症対応型 | 9〜12人程度が一般的 | 認知症ケアに特化し、専門職がサポート 安心できる環境を整備 | 認知症のある高齢者と家族 |
リハビリ特化型 | 施設により異なる | 理学療法士などによる個別リハビリやパワーリハビリを実施 | 在宅生活を続けたい人、機能訓練を重視する人 |
お泊りデイサービス | 施設により異なる | デイサービス利用後に宿泊可能 介護保険外で全額自己負担 | 家族の急な不在や休養時に利用したい人 |
それぞれの特徴やサービス内容を理解し、ご本人やご家族のニーズに最適な施設を選ぶことが大切です。
一般型デイサービス・通常規模型デイサービス
最も一般的なデイサービスで、要介護認定を受けた高齢者全般が対象です。
食事や入浴、排せつなどの日常生活支援、健康チェック、レクリエーション、送迎など幅広いサービスが提供されます。利用者数が多い施設が多く、にぎやかな雰囲気や集団での活動が特徴です。
小規模型デイサービス
利用定員が18人以下の事業所で、家庭的な雰囲気の中でケアが行われます。
スタッフの目が届きやすく、少人数ならではの個別対応が受けやすい点が魅力です。2016年以降は「地域密着型通所介護」として市区町村の管轄で運営されています。
認知症対応型デイサービス
認知症の方を対象にした専門的なデイサービスです。認知症ケアの研修を受けたスタッフが常駐し、症状の進行予防や安心して過ごせる環境づくり、認知症に配慮したプログラム(回想法、脳トレ、個別対応など)が特徴です。
単独型、併設型、共用型といった事業形態があります。
リハビリ特化型デイサービス
理学療法士や作業療法士などの専門職による機能訓練やリハビリに特化したデイサービスです。歩行訓練や筋力トレーニング、個別プログラムなどが中心で、食事や入浴などの生活支援は最小限、もしくは提供しない場合もあります。
利用時間は半日など短時間が多く、身体機能の維持・回復や介護予防を目的とする方に適しています。
療養型デイサービス
医療的ケアが必要な方を対象としたデイサービスです。看護師が常駐または訪問看護と連携し、医療的処置や健康管理を受けながら、食事や入浴、リハビリなどの生活支援も提供されます。持病や障害がある方でも安心して利用できるのが特徴です。
このように、デイサービスは「生活支援中心型」「認知症対応型」「リハビリ特化型」「療養型」など多様な種類があり、それぞれサービス内容や雰囲気、職員体制が異なります。
事前に見学や相談を行い、ご本人の状態や希望に合った施設を選ぶことが重要です。
お泊りデイサービス
通常のデイサービス利用後、そのまま宿泊できるサービスです。
家族の急な外出や介護者の休養に活用されますが、介護保険の対象外であり宿泊費は全額自己負担となります。

地域密着型通所介護とお泊りデイサービス
ここでは、地域密着型通所介護とお泊りデイサービスについて解説します。
小規模ならではの家庭的な環境で受けられるケアや、急な宿泊ニーズに対応するサービスの特徴、利用時の注意点をまとめました。
地域密着型通所介護とは
2016年4月から、利用定員18人以下の小規模事業所では「地域密着型通所介護」が提供されています。
管轄は市区町村で、地域の実情に合わせた柔軟なサービス提供が可能です。小規模ならではの家庭的な雰囲気があり、利用者一人ひとりに寄り添ったケアを受けられるのが特徴です。
お泊りデイサービスの特徴
日中のデイサービス利用後、そのまま施設に宿泊できるサービスが「お泊りデイサービス」です。
急な用事や家族の不在時などに活用できます。ただし介護保険の対象外で、宿泊費は全額自己負担となります。
利用可否やサービス内容は施設によって異なるため、事前にケアマネージャーへ相談することが大切です。

通所介護(デイサービス)の職員体制
通所介護(デイサービス)の施設では、ご利用者が安心して快適に過ごせるよう、さまざまな専門職が配置されています。ここでは、主な職員体制について詳しくご説明します。
【管理者】
デイサービス事業所には、必ず常勤の管理者が1名以上配置されます。管理者は、施設全体の運営や職員のシフト管理、業務の調整、サービス担当者会議の実施など、多岐にわたる管理業務を担います。
管理者は他の職種(生活相談員や介護職員など)と兼任することも可能です。
【生活相談員】
生活相談員は、ご利用者やご家族からの相談対応や、介護サービスに関する調整、必要な手続きのサポートなどを行います。
1名以上の配置が義務付けられており、社会福祉士や社会福祉主事などの資格が必要です。施設によっては、常勤での配置が求められる場合もあります。
【看護職員】
看護職員は、ご利用者の健康チェックや服薬管理、急な体調変化への対応、医療的ケアを担当します。
利用定員が10名以上の施設では1名以上の配置が必要で、看護師または准看護師の資格が求められます。10名以下の小規模施設では、看護職員か介護職員のいずれか1名以上で対応することが認められています。
【介護職員】
介護職員は、食事や入浴、排泄、移動など、日常生活の介助全般を担います。利用者数に応じて必要な人数が決まっており、15名までなら1名以上、16名以上の場合は「(利用者数-15)÷5 + 1人」という基準で配置されます。
資格要件は特にありませんが、介護福祉士などの有資格者が多く働いています。
【機能訓練指導員】
機能訓練指導員は、ご利用者ができるだけ自立した生活を送れるよう、リハビリや運動プログラムを提供します。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの資格を持つ専門職が担当し、1名以上の配置が必要です。
【その他の職種】
施設によっては、送迎を担当する専任ドライバーや、食事を作る調理スタッフも配置されています。これらの職種も、ご利用者の安全と快適な生活を支える大切な役割を担っています。
このように、通所介護(デイサービス)では各専門職が連携し、ご利用者一人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供できる体制が整えられています。
職員数や配置基準は、利用者数や施設の規模、運営時間帯などによっても異なり、法令によって最低基準が厳格に定められています。
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老人デイサービスセンターとは
ここでは、老人デイサービスセンターの役割や特徴について解説します。
利用者が日帰りで受けられる介護サービスの内容や、レクリエーションの例、従事する職種、さらには採用状況や将来性までを幅広く紹介します。
施設の概要
老人デイサービスセンターは、65歳以上で身体的または精神的に日常生活に支障がある人が通い、入浴・排せつ・食事の介護、日常生活支援、機能訓練、レクリエーションを日帰りで受けられる施設です。介護保険制度上では「通所介護事業所」と呼ばれ、社会福祉法人や市町村、特別養護老人ホームなどに併設されて運営されています。
レクリエーション・アクティビティの例
通所介護(デイサービス)では心身の活性化や交流促進のために、多彩な活動が行われます。
- 製作活動:しおり作り、木工、陶芸、押し花、絵手紙など
- 趣味活動:生け花、カラオケ、懐メロ、パソコン、おやつ作りなど
- 交流・外出:お茶会、買い物、保育園児との交流会、お花見など
- 体操・健康づくり:リズム体操、失禁予防体操、腰痛予防体操、風船割り、頭の体操など
施設数と就業職種
令和4年の調査によると、全国に 約2万4,569か所 の通所介護事業所があります。
主な従事職種
- 生活相談員
- 介護職員
- 看護師
- 機能訓練指導員
- 調理員
- 運転手
- 事務職員
介護福祉士や理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、社会福祉士などの資格者も多く配置されています。
採用と将来性
施設数が多いため、介護職の求人ニーズは高い状況が続いています。特に資格を持つ人材の需要は大きく、今後も安定した就業先として期待できます。
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通所介護(デイサービス)の自己負担額(1割負担の場合の目安)
ここでは、通所介護(デイサービス)を利用する際の自己負担額について紹介します。
介護保険を利用した場合の1割負担を基準に、要介護度や利用時間ごとの費用目安を整理しました。併せて加算や食費などの別途負担も確認しておきましょう。
要介護度 | 3〜4時間未満 | 4〜5時間未満 | 5〜6時間未満 | 6〜7時間未満 | 7〜8時間未満 | 8〜9時間未満 |
---|---|---|---|---|---|---|
要介護1 | 364円 | 382円 | 561円 | 575円 | 648円 | 659円 |
要介護2 | 417円 | 438円 | 663円 | 679円 | 765円 | 779円 |
要介護3 | 472円 | 495円 | 765円 | 784円 | 887円 | 902円 |
要介護4 | 525円 | 551円 | 867円 | 888円 | 1,008円 | 1,026円 |
要介護5 | 579円 | 608円 | 969円 | 993円 | 1,130円 | 1,150円 |
※大規模型・小規模型では料金が異なります。※9時間以上の場合は1時間ごとに50円加算、最長14時間まで延長可能
※食費・おやつ・材料費などは別途自己負担

通所介護(デイサービス)はこんな方におすすめ
ここでは、通所介護(デイサービス)の利用が特におすすめできる方の特徴を紹介します。
閉じこもりや体力低下、家族の介護負担など、日常生活で抱えやすい課題に対し、デイサービスがどのように役立つのかを具体的に解説します。
チェック項目 | 当てはまる場合のポイント |
---|---|
自宅で過ごす時間が長く、閉じこもりがち | 人との交流機会を増やし、孤立を防げます |
筋力低下や生活動作の衰えを感じる | 機能訓練やリハビリで身体機能の維持・改善が期待できます |
介護を担う家族の負担が大きい | 利用中は介護者が休養や気分転換の時間を確保できます |
生活に刺激や楽しみが少ない | 趣味活動やレクリエーションで生活意欲が高まります |
自宅での入浴や排せつに不安がある | 施設スタッフのサポートで安全に生活支援を受けられます |
自宅で過ごす時間が長く閉じこもりがちな方
外出の機会が少なく、人と関わる時間が減っている高齢者にデイサービスは適しています。
施設で他の利用者やスタッフと交流することで、孤立感が和らぎ、心身の活性化にもつながります。
体力や生活機能の低下が気になる方
加齢によって筋力が弱まったり、日常生活の動作が難しくなった方におすすめです。
通所介護(デイサービス)では機能訓練や軽運動を取り入れ、身体機能の維持・改善を目指すことができます。
介護を担う家族の負担を軽減したい方
要介護者が施設で過ごす間、家族は介護から解放され、自分の時間を確保できます。介護者の休養やリフレッシュは、在宅介護を長く続けるために重要な要素です。
生活にメリハリや楽しみを持ちたい方
毎日の生活に刺激が少なく単調に感じる方にもデイサービスがおすすめです。
趣味活動やレクリエーションに参加することで、楽しみが増え、生活への意欲を高めるきっかけになります。
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通所介護(デイサービス)の一般的な1日の流れ(例)
ここでは、通所介護(デイサービス)における一般的な1日の流れを紹介します。
送迎から入浴、食事、機能訓練、レクリエーション、そして帰宅まで、利用者が安心して過ごせるよう工夫されたプログラムの例を詳しく解説します。
時間帯 | 活動内容 | 詳細 |
---|---|---|
9:00〜 | 送迎・来所 | スタッフが自宅へ送迎。到着後に健康チェックを実施。 |
10:00〜 | 入浴・排せつ介助 | 必要に応じて安全に入浴や排せつ支援を受けられる。 |
11:00〜 | 機能訓練・レクリエーション | 体操・リハビリ・書道・工作などで心身の活性化を図る。 |
12:00〜 | 昼食 | 栄養バランスの取れた食事を提供。食事介助も可能。 |
13:00〜 | 休憩・自由時間 | 食後の休憩。読書や談話など各自がゆったり過ごす。 |
14:00〜 | 午後の活動 | 趣味活動・軽体操・グループレクリエーションなど。 |
15:00〜 | おやつ・ティータイム | お菓子やお茶を楽しみながら利用者同士の交流。 |
16:00〜 | 帰宅準備 | その日の様子を記録・共有。 |
16:30〜17:00 | 帰宅・送迎 | スタッフが自宅まで送迎し、1日の利用が終了。 |
送迎・来所
朝、施設スタッフが自宅まで送迎に来てくれるため、家族の負担が少なく安全に通所できます。到着後は体調確認やバイタルチェックを行い、その日の過ごし方を調整します。
入浴・排せつ介助
必要に応じて入浴や排せつのサポートを受けられます。自宅で入浴が難しい方でも、安全に入浴できるよう設備や介助体制が整っています。
機能訓練やレクリエーション
午前中や午後の時間を使って、機能訓練指導員による体操やリハビリ、書道・工作・音楽などのレクリエーションが行われます。体を動かし、仲間と交流することで心身の活性化を促します。
食事・休憩
栄養バランスに配慮した食事が提供され、必要に応じて食事介助も行われます。食後は休憩や自由時間があり、テレビや読書など自分のペースで過ごせます。
午後の活動とティータイム
午後は軽い体操や趣味活動を行い、利用者同士の交流を楽しみます。おやつやお茶の時間が設けられることもあり、リラックスした雰囲気で過ごせます。
帰宅・送迎
1日のプログラム終了後は、スタッフが再び自宅まで送迎します。家族への連絡や当日の様子の報告が行われる場合もあり、安心して利用を続けられます。
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まとめ
通所介護(デイサービス)は、要介護高齢者が自宅での生活を続けながら、心身機能を維持・向上させるために通う介護サービスです。
入浴や食事などの生活支援に加え、機能訓練やレクリエーションを通じて交流の機会が生まれ、閉じこもりや孤立を防ぐ効果が期待できます。また、介護を担う家族にとっても負担を軽減できる重要な支援です。
料金は介護保険の自己負担割合によって異なり、施設の規模や利用時間、加算によっても変動します。利用を検討する際は、ケアマネージャーに相談し、地域や施設ごとの特徴を踏まえて最適なサービスを選ぶことが大切です。
よくある質問
Q.通所介護(デイサービス)とデイケアの違いは何ですか?
通所介護( デイサービス)は生活支援やレクリエーションが中心で、日常生活を送るための介護や交流が目的です。一方、デイケアは医療的なリハビリが主な目的で、医師やリハビリ専門職が常駐し、身体機能の回復や維持に重点を置いています。
Q.送迎の範囲はどこまでですか?
送迎範囲は施設によって異なります。自宅が送迎範囲外の場合、ご家族による送迎が必要になることもあります。
Q.どんな人が利用できますか?
原則として要介護認定(要支援・要介護)を受けた方が対象です。要支援の方も利用できる場合があります。
Q.利用開始までどれくらいかかりますか?
要介護認定を受けた後、ケアプラン作成や契約を経て、最短で数日から1か月程度で利用を始めることができます。
Q.1日の流れはどのようになっていますか?
朝の送迎から始まり、健康チェック、入浴、食事、機能訓練、レクリエーション、おやつ、そして夕方の送迎で終了するのが一般的です。
Q.利用料金はどのくらいかかりますか?
介護保険が適用される場合、自己負担は原則1割(所得により2割・3割)です。
要介護度や利用時間によって異なりますが、7〜8時間利用の場合、要介護1で約650円、要介護5で約1,130円前後です。食費やおやつ代は別途必要です。
Q.食事やおやつはどうなっていますか?
昼食やおやつは施設で提供されます。食事は栄養バランスに配慮されており、食事形態の希望にも対応しています。費用は自己負担です。
Q.どんな職員がいますか?
管理者、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員(理学療法士・作業療法士など)が配置されています。施設によってはドライバーや調理スタッフもいます。
Q.体験利用や見学はできますか?
多くの施設で見学や1日体験利用が可能です。実際の雰囲気やサービス内容を確認してから契約できます。
Q.途中で利用日数やサービス内容を変更できますか?
ケアマネージャーと相談し、必要に応じて利用日数やサービス内容の変更が可能です。ご本人やご家族の状況に合わせて柔軟に対応してもらえます。

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み
