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- 介護職員初任者研修を受講したい受講資格や条件を知りたい方
- 費用を抑えて資格を取りたい無料制度や働きながら受講できる方法を知りたい方
- 学びやすいスタイルを探している通信講座の仕組みや通学との違いを知りたい方
- 資格取得後のキャリアを考えたい合格率やその後のキャリアアップについて理解したい方
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介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修は、介護に必要な基礎知識と技術を130時間で学ぶ研修制度です。
平成25年に旧ホームヘルパー2級研修に代わって創設され、未経験者が安心して介護現場に入れるように設けられています。
ここでは介護職員初任者研修の概要や位置づけ、役割、介護職員基礎研修との違いについて解説します。
資格の概要と位置づけ
介護職員初任者研修は、介護分野における入門資格として位置づけられています。130時間のカリキュラムを修了し、筆記による修了評価に合格することで修了証が交付されます。
国家資格ではありませんが、訪問介護や施設介護で働く際に最低限必要とされる知識・技術を身につけられる点が特徴です。
受講資格に年齢や学歴の制限はなく、未経験者でも受講可能なため「介護の仕事を始めたい」と考える人の第一歩となる研修制度です。
介護業界における初任者研修の役割
介護職員初任者研修は、介護現場における人材育成の基盤を担っています。研修で学ぶのは、利用者の尊厳を守る姿勢や、身体介護・生活支援の基本技術です。
これにより、修了者は訪問介護員や介護職員として即戦力で働くことが可能となります。
さらに、この研修を修了していることが求人条件や採用基準として示されるケースも多く、介護業界での就業や転職のスタートラインとして重要な意味を持っています。
介護職員基礎研修との違い
介護職員初任者研修(130時間)は、旧ホームヘルパー2級を引き継いで2013年(平成25年)に創設された基礎的研修であり、同年に廃止された介護職員基礎研修(500時間)の後継は介護職員実務者研修(450時間)です。
介護職員基礎研修は長期で負担が大きかったのに対し、介護職員初任者研修は130時間に短縮され、より受講しやすくなった点が最大の違いです。
また、介護職員基礎研修は上級資格への直結性が重視されていましたが、介護職員初任者研修は「介護現場に早く入れる」ことに主眼が置かれています。
これにより、未経験者でも無理なく受講でき、働きながら次のステップである実務者研修や介護福祉士へと進めるようになりました。
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介護職員初任者研修は無料かつ働きながら受講できる?
ここでは、介護職員初任者研修を無料で受講できるケースや働きながら学ぶ方法について解説します。
国や自治体の支援制度、訓練コースの特徴を整理し、費用面やライフスタイルに合わせた受講方法を紹介します。
出典:介護分野の職業訓練(求職者支援訓練)」を受講しませんか|厚生労働省
受講料が無料になるケース
介護職員初任者研修は通常5万〜15万円の費用がかかりますが、条件を満たせば実質無料で受講できる制度があります。代表的なのがハローワークを通じた「求職者支援訓練」です。
制度名 | 内容 | 対象・条件 | 備考 |
---|---|---|---|
求職者支援訓練 | 受講料無料(テキスト代のみ自己負担) | 無職で就職を希望する人 | 月10万円の生活支援給付金あり |
高等職業訓練促進給付金 | ひとり親が対象資格を目指す場合、生活費支援 | 市区町村の審査あり | 介護職員初任者研修・介護職員実務者研修も対象 |
介護分野就職支援金 | 最大20万円を貸付、2年間介護職に従事すれば返還免除 | 介護分野へ就職予定の人 | 社会福祉協議会が窓口 |
自治体補助制度 | 都道府県独自で受講料の一部〜全額を補助 | 各自治体の要件による | 例:福岡・鳥取・愛媛などで実施 |
このように、国の職業訓練や自治体の支援を組み合わせれば、費用負担を大幅に減らすことが可能です。
働きながら受講する方法
介護職員初任者研修は通学制・通信併用制・夜間や週末コースなど、ライフスタイルに合わせた受講方法が選べます。最大40.5時間までは通信学習が認められているため、平日は自宅で学び、週末にスクーリングを行う形が一般的です。
また、託児サービス付きのコースや1日3時間程度の短時間コースもあり、子育てや他の仕事と両立して学ぶ人も多いです。
修了生からは「未経験でもクラスの仲間と励まし合いながら学べた」「仕事と両立できた」といった声が寄せられています。
介護業界は慢性的な人材不足のため、資格取得と同時に就職先を紹介してもらえるケースも多いのが魅力です。働きながらでも無理なく進められる仕組みが整っているため、キャリアチェンジを考える人にも適した制度といえます。
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【受講資格】介護職員初任者研修を受けるには?
ここでは、介護職員初任者研修を受けるための基本条件や受講方法、修了までの流れを解説します。
年齢制限や学歴の有無、通学・通信などの受講スタイル、さらに修了試験までのステップをまとめました。
受講資格や年齢制限はある?
介護職員初任者研修には年齢や学歴の制限はありません。誰でも受講可能で、未経験から始められます。
介護に携わりたい方なら誰でも受講可能で、ハローワークの訓練制度や自治体の支援を利用すれば、費用負担を抑えて学ぶこともできます。
介護業界は人材ニーズが高いため、修了後の就職先も豊富で、転職や再就職のきっかけとして選ばれる資格です。
- 学歴制限:なし
- 年齢制限:なし(10代〜60代以上も受講実績あり)
- 未経験者:受講可能
- 外国籍の方も受講可能(日本語理解が必要)
研修の受講方法(通学・通信・オンライン)
受講方法は「通学制」「通信(eラーニング併用)+通学」「オンライン講義併用+通学」があります。通信学習は最大40.5時間まで可能ですが、実技は必ず対面で受講する必要があります。
受講方法 | 特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
通学制 | 教室で講義・実技を受講 | 講師に直接質問できる | 通学時間が必要 |
通信+通学 | 一部は通信、実技は通学 | 自宅学習で時間調整可能 | 最大40.5時間まで通信可 |
オンライン併用 | 講義をオンライン受講 | 自宅から学べる | 実技は必ず通学 |
通学制は講義と演習を対面で受ける一般的なスタイルといえます。通信併用制では一部科目を自宅学習でき、最大40.5時間まで通信で履修可能です。
近年はオンライン講義を取り入れる事業者も増え、仕事や育児と両立しながら受講しやすくなっています。ただし、身体介護などの実技科目は必ず通学で行う必要があります。
修了までの流れ(申込 → 受講 → 実技 → 修了試験)
研修は130時間のカリキュラムを受講後、修了評価として筆記試験(約1時間)が行われます。
合否基準は各研修機関の学則で定められており、公的な一律基準や合格率は示されていません。
施設見学や演習を通じて、介護の現場を体験的に学べる点も特徴です。
最終的には筆記試験(修了評価:約1時間)が実施され、合格すると修了証が交付されます。試験内容は授業の復習レベルで、不合格になるケースは少なく、しっかり出席・学習していれば修了可能です。
- 研修事業者に申込
- 講義(基礎知識の学習)
- 実技演習(身体介護・生活援助)
- 施設見学や実習
- 修了試験(筆記1時間程度)
- 修了証の交付

介護職員初任者研修にかかる費用と期間
介護職員初任者研修は全国どこでも受講できますが、費用や期間はスクールや地域によって差があります。
ここでは、費用の目安、研修時間の内訳、費用を抑えるための支援制度について詳しく解説します。
費用の相場(3万〜13万円程度)
費用は全国的に差があり、おおよそ3万〜13万円が目安です。最新の費用は各スクールの公式情報を確認してください。
金額にはテキスト代が含まれる場合もあれば、別途必要な場合もあります。都市部と地方でも価格差があり、大手スクールではキャンペーン割引が適用されるケースもあります。
費用を安く抑えるポイント
- 複数スクールの資料を取り寄せて比較
- 早期申込(早割)や紹介制度を活用
- ハローワークの訓練コースを利用(無料で受講できる場合あり)
研修時間(130時間)の内容
研修は講義・実技を合わせた合計130時間で構成されています。医療的ケアの実施自体は対象外ですが、基礎知識に触れることはあります。
科目 | 時間数 |
---|---|
職務の理解 | 6時間 |
尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
医療との連携 | 9時間 |
コミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
仕事や家庭と両立しやすいのが、特徴です。
教育訓練給付金などの支援制度
費用負担を軽減するために、国や自治体が用意している支援制度を活用できます。
代表的な制度
- 教育訓練給付制度:厚生労働大臣指定の講座を受講すると受講料の一部が支給される制度で、一般教育訓練は20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)が対象となります。介護職員初任者研修はスクールによって「一般」か「特定一般」に分かれるため、受講前に厚労省の検索システムで確認することが重要です。
- 高等職業訓練促進給付金:ひとり親世帯を対象に月10万円程度支給
- 介護分野就職支援金貸付制度:最大20万円を貸付、2年以上介護職に従事すれば返還免除
- 自治体独自の補助制度:受講料の一部助成や就職支援あり
支援制度は条件があるため、必ず事前にハローワークや都道府県の福祉人材センターで確認しましょう。
なるべく安く受講する方法(キャンペーン活用・職業訓練の利用)
介護職員初任者研修は通常3万〜13万円程度かかりますが、工夫次第で大幅に費用を抑えられます。代表的な方法は「スクールの割引キャンペーン」と「公的な職業訓練制度の利用」です。
方法 | 特徴 | 費用負担軽減の例 |
---|---|---|
スクールキャンペーン | 早割・紹介割・短期割引 | 1〜5万円引き |
求職者支援訓練 | 受講料無料+生活支援給付金 | 月10万円+テキスト代のみ |
就職支援金貸付制度 | 介護職2年以上で返還免除 | 最大20万円 |
自治体補助 | 県・市の支援で受講料補助 | 数千円〜数万円 |
※自治体やスクールによって大きく異なるため、参考程度にとどめ、詳細は各機関にお問い合わせください。
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介護職員初任者研修で学べること
介護職員初任者研修では喀痰吸引や経管栄養などを直接行うことはできません。これらを実施するには「喀痰吸引等研修」などの別研修が必要です。
ここでは、講義・実技・通信学習の内容ごとに具体的に整理しました。
介護職員初任者研修のカリキュラム(厚生労働省の通知に基づく)
区分 | 主な内容 | 時間数(目安) |
---|---|---|
講義 | 介護の基本、尊厳・自立支援、認知症・老化の理解、サービス制度、コミュニケーションなど | 約51時間 |
実技 | 身体介護(入浴・排泄・食事)、生活援助(掃除・調理・洗濯)、移動・移乗の演習など | 75時間 |
医療的ケアの基礎※ | 喀痰吸引、経管栄養、救急蘇生法など | 約5時間 (※75時間の中に含まれる) |
振り返り | 学習の総まとめ、理解度確認 | 4時間 |
合計 | 全130時間 | 130時間 |
※「医療的ケアの基礎」は公式科目表には独立していませんが、実際には「こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)」の一部として扱われています。
講義内容(基礎知識・法律・倫理など)
講義では、介護職に必要な知識や考え方を幅広く学びます。
利用者の尊厳を守る姿勢や、介護保険制度などの法律知識、認知症や老化への理解、医療との連携など、現場で求められる基本を身につけるのが目的です。
単なる知識習得にとどまらず、介護の理念や倫理を理解することが重視されています。
【学べる内容の例】
- 介護職の役割と職務理解
- 尊厳の保持と自立支援の考え方
- 介護保険制度や関連法律の基礎
- 認知症・老化・障害の理解
- 医療との連携とチームケア
実技演習(身体介護・生活援助)
実技演習は、介護現場で欠かせない身体介護や生活援助を実際に体験しながら学びます。
入浴や排泄の介助、ベッド上での体位変換、車椅子介助、食事介助など、利用者の生活を支える動作を繰り返し練習することで、正しい姿勢や安全な方法を習得します。
未経験者でも基礎から学べるため、現場に立ったときに自信を持って支援できるようになるでしょう。
【主な実技科目の例】
- 身体介護(入浴・排泄・移動・食事介助など)
- 生活援助(掃除・洗濯・調理・買い物支援)
- ベッドメイキングやリネン交換
- 車椅子や歩行補助の方法
医療的ケアの基礎知識
介護職員初任者研修では、医療行為そのものは行えませんが、介護現場で必要となる医療的ケアの知識を基礎として学びます。
喀痰吸引や経管栄養といった医療的処置の理解、緊急時の対応方法を学び、医療職と協働する際の役割や支援の仕方を把握することが可能です。これにより、介護現場での安心・安全な支援につながります。
【学ぶ内容の例】
- 喀痰吸引の仕組みと基礎知識
- 経管栄養(胃ろう・経鼻)に関する基本理解
- 心肺蘇生法(CPR)やAEDの基礎
- 医療職との連携に必要な知識

介護職員初任者研修の通信講座はどこがいい?
介護職員初任者研修は、仕事や家事と両立しながら資格取得を目指せます。
ただし、実技科目は通学必須のため「完全オンラインのみで修了」は制度上できません。どのスクールの通信講座が良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、選び方のポイント・おすすめスクール・メリットと注意点について解説します。
通信講座を選ぶ際のポイント
通信講座はスクールによって学習スタイルやサポートが大きく異なります。選ぶときの基準を押さえておくと、失敗を防げます。
選び方のチェックポイント
- 通信と通学のバランス:通信は最大40.5時間、実技は必ず通学
- 費用と補助制度:教育訓練給付金や自治体の補助が使えるか
- 就職サポート:受講後の求人紹介やキャリア相談の有無
- アクセス:教室が通いやすい場所にあるか
- 割引キャンペーン:早割・紹介割・短期集中割引など
おすすめスクールの特徴まとめ
通信併用型の初任者研修を提供している代表的なスクールをまとめました。
スクール | 特徴 | 費用の目安(税込) |
---|---|---|
業界最安値クラス、教育訓練給付金対象、地域展開も広い | 26,950円~ | |
実績豊富、就職サポート制度で受講料無料になるケースあり | 49,500円 ※教育訓練給付金制度対象講座 | |
120万人以上の修了生を輩出、振替可能、就職支援あり | 40,000円 ※キャンペーン価格(通常:88,000円) | |
特待生制度で受講料0円も可能、就職エージェント併設 | 31,900円 〜 ※都道府県によって価格が異なります |
大手スクールは受講実績やサポート体制が充実しているため、未経験者でも安心して学べます。
通信講座のメリットと注意点
メリット
- 自宅で効率的に学習でき、仕事や育児と両立しやすい
- 通学日数を抑えられるため、費用や時間の負担を軽減できる
- オンライン教材や動画解説を活用できるスクールも増加
注意点
- 実技は必ず通学が必要 → 完全通信型は不可
- 自宅学習が中心になるため、自己管理能力が必要
- スクールによっては通学日程が限られるため、事前確認が必須
通信講座は「効率的に学びたい人」には最適ですが、対面指導が多い方が安心という人は通学型を選ぶのも一案です。

介護職員初任者研修の修了試験の難易度と合格率
修了試験は授業内容の理解度を確認する筆記試験が中心です。内容は復習レベルで、出席・学習をしていれば修了できます。
加えて、2021年度からの制度変更によって、無資格者は「認知症介護基礎研修」受講が義務化されており(入職後1年以内)、介護職員初任者研修修了者は免除されます。
合否基準は研修機関が定めており、全国一律の点数や合格率は公表されていません。
そのため、修了試験で落ちて資格を取得できないという心配は不要です。重要なのは日々の授業や演習に真剣に取り組む姿勢です。
修了試験の合格ライン、難易度は? 気になる修了試験の合格ラインは、公的な一律基準や合格率は示されていません。修了試験はレポート課題と同様に授業の理解度を測るために行われます。そのため難易度はそれほど高くなく、全研修を修了した人のほぼ全員が合格できると言われています。しかし、本当に一発で合格できるか不安に思う方もいるのではないでしょうか。 |

介護職員初任者研修を取得するメリット・デメリット
ここでは、介護職員初任者研修を取得することで得られるメリットと注意すべきデメリットについて解説します。
就職やキャリアアップにつながる利点の一方で、費用や学習時間の負担もあるため、両面を理解した上で受講を検討することが大切です。
取得するメリット(就職・スキルアップ)
介護職員初任者研修を取得することで、介護施設や訪問介護など幅広い職場で働けるようになります。無資格者では任せてもらえない身体介護にも携われ、就職・転職の選択肢が増える点は大きなメリットです。
年齢を問わずキャリアアップが可能
介護職員初任者研修は、年齢に関係なく挑戦できる資格です。未経験者でも130時間の研修で基礎から学べるため、40代・50代の転職や再就職にも強い味方となります。
さらに、実務経験を積めば実務者研修や介護福祉士、ケアマネジャーといった上位資格へステップアップ可能。長期的なキャリアを築ける「第一歩」として位置づけられています。
給与・待遇が向上しやすい
無資格で働くよりも、介護職員初任者研修を修了している方が給与水準は高い傾向にあります。厚生労働省の調査でも、平均で年間30万円以上の収入差があるとされています。
介護職員初任者研修を修了すると資格手当がつく場合が多く、無資格より待遇が良くなる傾向にあります。ただし、全国一律の年収差は公表されていません。
- 無資格:身体介護は不可 → 求人の幅が限定される
- 介護職員初任者研修あり:身体介護可能 → 求人・給与水準ともに有利
※ 介護職員の給与は、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所の給与を参考にしています。
介護の専門知識を実生活でも活用できる
研修では、食事・排泄・入浴などの介護技術だけでなく、高齢者の心身の変化や認知症ケアなども学びます。これらは職場だけでなく、家族の介護や地域ボランティア活動にも役立ちます。
正しい知識を持つことで、自分の身体に負担をかけずに介護ができ、精神的な安心感も得られるのが大きなメリットです。
全国どこでも仕事が見つかる
介護業界は全国的に人材不足のため、資格を持っていれば地域を問わず仕事が見つけやすい環境です。
特別養護老人ホームや訪問介護事業所、病院など、勤務地の選択肢が広がります。ライフスタイルに合わせて「地元で働く」「Uターン就職する」など柔軟な働き方を選べる点は、他の職種にはない魅力といえるでしょう。
自分に合った働き方を選べる
介護職員初任者研修を取得すれば、正社員はもちろん、パートや夜勤専従など多様な働き方が可能になります。施設介護・訪問介護・病院勤務など、フィールドも幅広く、ライフステージに合わせた就業スタイルを選べます。
特に子育てや家庭と両立したい方にとって、資格を持っていることで希望条件に合う求人に出会いやすくなる点がメリットです。
注意点・デメリット(費用・時間の負担)
介護職員初任者研修には一定の費用と学習時間が必要です。受講料は3万〜13万円程度が一般的で、テキスト代なども自己負担となります。
研修は合計130時間に及び、通学や実技演習に参加するため、働きながら受講する場合はスケジュール調整が欠かせません。
修了試験は基本的に難易度は高くありませんが、受講中の積極的な参加が求められるため、学習意欲や自己管理が必要となる点はデメリットといえるでしょう。

介護職員初任者研修修了後の働き方
ここでは、介護職員初任者研修を修了した後にどのような職場で働けるのか、未経験からのメリット、さらには実務者研修や介護福祉士へのキャリアアップについて解説します。
資格取得後の具体的な進路を知ることで、自分に合った働き方をイメージしやすくなるでしょう。
主な就職先(施設・訪問介護・病院など)
介護職員初任者研修を修了すると、特別養護老人ホームやデイサービス、グループホームといった介護施設で働けるようになります。
さらに、訪問介護事業所での身体介護・生活援助にも従事可能です。
病院の看護補助者として採用されるケースもあり、幅広い現場で活躍できるのが特徴です。介護業界は慢性的な人材不足のため、修了後の就職率が高いことも安心材料といえるでしょう。
未経験から介護業界に入るメリット
未経験から介護業界に挑戦する際、介護職員初任者研修を持っていることは大きな強みになります。基礎知識と技術を学んでから現場に入るため、不安が軽減されると同時に即戦力として評価されやすい点がメリットです。
実際に未経験者の採用は多く、現場では資格取得者が優先される傾向があります。
今後のキャリアアップや給与条件の向上にも直結するため、介護の第一歩として資格取得を選ぶ人が増えています。
実務者研修・介護福祉士へのキャリアアップ
介護職員初任者研修を終えた後は、より高度な知識と技術を学ぶ「介護福祉士実務者研修」へ進むのが一般的です。
実務者研修は介護福祉士国家試験の必須要件となっており、修了後3年以上の実務経験で受講資格が得られます。
介護福祉士は国家資格であり、給与や待遇の向上、キャリアパスの拡大に直結します。さらに、認定介護福祉士やケアマネジャーといった上位資格への道も選択しやすくなり、長期的なキャリア形成に欠かせないステップだといえます。

介護に関する資格の比較一覧表
介護分野には、入門的な研修から国家資格までさまざまなステップがあります。どの資格を取得すべきか迷う方も多いでしょう。
ここでは、主要な介護資格の研修時間や従事できる業務、訪問介護の可否などを一覧表にまとめ、違いをわかりやすく整理しました。
資格・研修 | 研修時間数 | 受講資格 | 従事できるサービス | 訪問介護の可否 | 特徴・位置づけ |
---|---|---|---|---|---|
入門的研修 | 約21時間 | 誰でも可 | 施設介護のみ | × | 介護の入門研修。訪問介護員にはなれない |
生活援助従事者研修 | 約59時間 | 誰でも可 | 生活援助中心(掃除・調理など) | △(生活援助のみ可) | 家事援助中心の訪問介護が可能 |
介護職員初任者研修 | 130時間 | 誰でも可 | 身体介護・生活援助・施設介護 | ◎(全て可) | 旧ホームヘルパー2級相当。介護の基礎資格 |
介護福祉士実務者研修 | 450時間(初任者修了者は320時間) | 誰でも可 | 全て可能+医療的ケア演習 | ◎ | 介護福祉士国家試験の必須要件。専門性が高い |
介護福祉士(国家資格) | ―(実務経験3年+実務者研修修了が必要) | 実務経験3年以上+実務者研修修了 | 全て可能(国家資格) | ◎ | 資格手当対象、キャリアアップの目標資格 |
訪問介護は「介護職員初任者研修修了」などが必要です。生活援助従事者研修は家事支援中心で、身体介護を伴う訪問介護はできません。
無資格・未経験でも介護業界で働ける?
無資格でも施設介護で働けますが、2021年度(令和3年度)から「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されています。新規入職者は入職後1年以内に修了する必要があります。
キャリアアップの流れ
介護分野で長く働くためには、資格取得によるステップアップが重要です。
最初は基礎資格の 介護職員初任者研修(130時間) を修了し、その後 介護福祉士実務者研修(450時間/初任者修了者は320時間に短縮) へ進むのが一般的です。
そして 実務経験3年以上+実務者研修修了 により、国家資格である 介護福祉士 の受講資格を得られます。さらに上位資格として 認定介護福祉士 や ケアマネジャー(介護支援専門員) への道が開かれます。
介護職員初任者研修は「入口」、実務者研修は「介護福祉士への必須ステップ」として位置づけられています。
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まとめ
介護職員初任者研修は、介護業界に入るための基礎資格であり、誰でも受講可能・試験は修了評価のみという点でハードルが低いのが特徴です。
費用は3万〜13万円かかりますが、自治体の補助や給付金制度を利用すれば負担を抑えられます。
修了後は訪問介護や施設勤務に直結し、実務者研修や介護福祉士へのキャリアアップにもつながります。未経験から安心して介護の世界に踏み出せる資格として、働きながらの受講も十分可能です。
よくある質問
Q.介護職員初任者研修は無資格・未経験でも大丈夫?
初任者研修は、介護未経験者や無資格の方でも安心して学べるよう設計されています。カリキュラムは基礎知識から始まり、介護の理念・法律・倫理を学んだ上で、実技演習を通じて食事・排泄・入浴などの介助技術を習得します。
多くの受講生は異業種からの転職や主婦層であり、専門知識ゼロからでも修了できるよう丁寧な指導が行われます。家族介護のために受講する方も多く、実生活でも役立つ学びが得られる点が特徴です。
Q.介護職員初任者研修の修了試験に落ちることはある?
介護職員初任者研修の修了試験は、講義や実技で学んだ内容を確認するための理解度テストです。出題範囲は研修中の内容に基づくため、しっかり受講していれば合格は難しくありません。
万が一不合格となっても、多くのスクールでは追試験や補講を受けられる仕組みが整っています。
そのため「落ちて資格が取れない」という心配はほぼ不要です。大切なのは、日々の授業や実技演習に真剣に取り組み、基礎を確実に身につけることです。
Q.修了証の取得後、就職先に必要な条件は?
修了証を取得した後、介護業界で働くためには、修了証が基本的な条件となりますが、求人先によっては実務経験や他の資格が必要とされることがあります。
また、施設によっては夜勤が求められる場合もあり、健康状態や体力面を考慮することもあります。求人情報をよく確認し、自分に合った条件を見極めることが大切です。
Q.介護職員初任者研修取得後、次のステップは?
介護職員初任者研修を終えた後、さらなるスキルアップを目指して次の資格を取得することが推奨されます。例えば、介護福祉士や実務者研修の受講などがあります。
これらの資格を取得することで、介護現場での職務範囲が広がり、キャリアアップにつながります。また、研修で得た知識や実務経験を活かし、リーダー職や専門職に進むことも可能です。
次のステップとしての選択肢
- 介護福祉士:実務者研修や試験を通じて、資格を取得
- 実務者研修:スキルアップを目指して受講
- リーダー職へのステップアップ:経験を積んだ後、リーダー職に挑戦
- 専門職資格:認知症ケア専門士、リハビリ職など
Q.初任者研修は何ヶ月で取れる?
介護職員初任者研修の受講期間は、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度です。コースの種類や受講形式によって異なりますが、通学型であれば週に数回の講義を受けながら、実技や実習も並行して行われます。
通信教育の場合、自己学習の進度に合わせて学べるため、比較的自由にスケジュールを組むことができますが、試験に向けてしっかりと準備することが求められます。自分のペースに合わせて、無理なく学習を進めることが大切です。
受講形態 | 期間 |
---|---|
通学型 | 約3ヶ月〜6ヶ月(週数回の通学) |
通信教育 | 約3ヶ月〜6ヶ月(自宅学習、実技は別途) |
集中コース | 約1ヶ月〜3ヶ月(短期間集中型) |
夜間・週末コース | 約4ヶ月〜6ヶ月(社会人向け) |

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み
