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- 介護・福祉の現場で働いている人介護・福祉の現場で働いている人
- 介護・福祉職を目指す学生や求職者これから介護・福祉の分野で働きたいと考えている方にとって、基礎から体系的に学ぶ機会となります。
- 福祉サービスを利用する本人・家族介護や福祉の制度やサービスを理解することで、安心して利用できる環境づくりにつながります。
- 一般企業の人事・経営層職場の人材定着や働きやすい環境づくりを考える上で、介護・福祉分野の取り組みは大きなヒントになります。

ウェルビーイングとは
1948年の世界保健機関(WHO)憲章において、「健康とは、単に病気でないだけでなく、肉体的・精神的・社会的にすべてが満たされた状態」と定義しています。
この「満たされた状態」こそが、ウェルビーイングという概念の本質です。
厚生労働省の「雇用政策研究会報告書」によると、「個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」と定義しています。
介護分野でのウェルビーイングは、単なる身体的な健康だけでなく、「精神的」「社会的」な充実も含めた“総合的な幸福”を意味します。
「自分らしく生きる」「自己決定する」「社会とつながる」といった基本的な権利を保障し、身体的・精神的・社会的な側面すべてで満たされた状態を目指すことが重視されています。
高齢者の場合、健康な体の維持はもちろん、孤独感や社会的な孤立を防ぎ、生きがいや自己実現を感じられる生活を送ることが重視されます。
ウェルビーイングは国際的な研究やポジティブ心理学の理論に基づき、次のような要素で構成されます。
項目 | 説明 |
---|---|
ポジティブな感情(Positive Emotion) | うれしい、おもしろい、楽しい、感動、感謝などのポジティブな感情を持つ |
何かへの没頭(Engagement) | 時間を忘れて何かに没頭する |
他者との関係性(Relationship) | 人とのつながりを持つ |
生きる意味(Meaning) | 生きる意味を自覚する。社会に対して自分のできることは何かを考える |
達成(Accomplishment) | 何かを達成したり、成し遂げたりするために頑張る |
出典:PERMA-Profilerの説明|金沢工業大学 心理科学研究所
この5つの要素は「PERMAモデル」と呼ばれ、ポジティブ心理学のセリグマン博士が提唱しています。

ウェルビーイングが求められる社会的背景
近年、社会全体で「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」へと価値観が大きく転換しています。一方で、経済成長や効率性の追求が格差の拡大や地球環境の悪化、貧困問題を深刻化させ、従来の指標だけでは解決困難な課題が顕在化しています。こうした背景から、物質的な充足だけでなく、精神的・社会的な幸福を重視するウェルビーイングの概念が注目されています。
また、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)でも、あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが掲げられ、今やウェルビーイングは世界的な共通目標となっています。
日本社会における課題
日本では、少子高齢化や人口減少、家族形態の変化、働き方の多様化が進行しています。これにより、従来の「健康」や「福祉」だけでは対応できない新たな課題が増えています。
たとえば、高齢者の孤立や介護離職、家族介護者の負担増加など、生活の質や幸福度の低下が社会問題の1つです。
さらに、日本の幸福度ランキングは先進国の中でも低い水準にあり、経済的な豊かさが必ずしも国民の幸福につながっていない現状が指摘されています。
働き方改革と多様化への対応
働き方改革の推進や全世代型社会保障の実現により、育児や介護と仕事の両立、ダイバーシティ(多様性)の尊重など、多様なライフスタイルや価値観に応じた支援が求められています。これもウェルビーイングの実現が求められる大きな理由の一つです。

厚生労働省の介護分野におけるウェルビーイングの位置づけ
厚生労働省の「雇用政策研究報告書」によると、ウェルビーイングを「個人の権利や自己実現が保障され、身体的・精神的・社会的に良好な状態」と定義し、介護政策の基本方針として重視しています。
介護サービスの目的として「高齢者や家族のウェルビーイングの実現」が掲げられ、利用者本人だけでなく、家族や介護職員の幸福や生活の質向上も含まれます。
さらに「介護離職ゼロ」や家族介護者支援の強化といった、介護者自身のウェルビーイング向上にも焦点が当てられています。

ウェルビーイング実現に向けた社会福祉士の資質・能力・役割
ウェルビーイングの実現に向けて社会福祉士に求められる資質として、まず挙げられるのは人権を尊重する姿勢と高い倫理観です。
利用者一人ひとりの尊厳を守り、多様な価値観を理解する柔軟さが不可欠です。実践能力としては、相談援助に必要な面接技術やアセスメント能力、制度・資源の活用力、関係機関との連携調整力などが求められます。
さらに社会福祉士は、生活困難を抱える人々の権利擁護者として、地域社会の課題解決にも取り組みます。個別支援にとどまらず、制度改善や地域福祉の推進に関わる姿勢が重要とされます。

【介護業界】ウェルビーイング推進によるメリット
ウェルビーイングの実現は、介護現場の利用者・介護職員双方の満足度と幸福度を高めます。
その結果、施設の経営安定やサービス品質の向上、ひいては介護業界全体の持続可能な成長につながる大きなメリットがあります。
1. 離職率の低下と人材定着の促進
ウェルビーイング経営は、介護職員の心身の健康や働きやすさを重視し、定期健康診断やメンタルヘルスサポート、ワークライフバランスを推進します。
これにより、介護職員が安心して長く働ける環境が整い、離職率が低下します。
実際、こうした取り組みを行うことで、介護業界特有の高い離職率が改善され、安定した人材基盤の構築につながっています。
2. 優秀な人材の採用力強化
ウェルビーイングを重視した職場は、「自分らしく働ける」「成長できる」といった魅力があり、求職者から選ばれやすくなります。
働き方や福利厚生、キャリアアップ支援が充実している職場は、他業種との人材獲得競争でも優位に立てるでしょう。
実際、ウェルビーイング経営を実践する企業は、採用市場でのブランドイメージが向上し、優秀な人材の応募が増える傾向にあります。
3. 多様な人材の活躍推進
柔軟な働き方や多様な価値観を受け入れる文化が根付くことで、性別・年齢・家庭状況などさまざまな背景を持つ人材が活躍しやすくなります。
例えば、子育て中の介護職員やシニア層、外国籍の介護職員など、多様な人材が無理なく働ける環境が整い、人材不足の解消に直結します。
4. 採用・教育コストの削減
離職率が下がり、介護職員が長く定着することで、頻繁な採用活動や新人教育にかかるコストが大幅に削減されます。
安定した人材基盤ができることで、現場のノウハウやサービス品質も継続的に向上します。
ウェルビーイング経営は、介護業界における人材確保のための戦略です。
介護職員の健康・満足度向上、働きやすさ、多様性の受容、職場のブランド力強化によって、優秀な人材が集まり、定着しやすい環境が生まれます。
これが介護現場の人材不足解消とサービス品質向上の好循環を生み出します。
5. 介護職員の健康管理の充実
ウェルビーイング経営では、介護職員の身体的・精神的健康を重視し、定期健康診断や運動プログラム、健康的な食事の提供、カウンセリングやストレスマネジメント研修などを積極的に導入します。
これにより、介護職員は体調不良やメンタル不調による欠勤や離職が減り、安心して働き続けられる環境が整います。
6. 組織全体のパフォーマンス向上
介護職員の健康が守られることで、業務への集中力や生産性が向上し、サービス品質も高まります。
健康的な職場環境は介護職員のモチベーションやエンゲージメントを高め、結果として介護施設全体の評判や経営安定にもつながります。
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【利用者】ウェルビーイング推進によるメリット
ウェルビーイング推進によって、利用者は「自分らしく」「安心して」「心身ともに健康に」「社会とつながりを持ち」「尊厳を保ちつつ」生活できるようになります。
これは単なる身体的なケアを超えた、総合的な幸福と生活の質の向上を意味します。ここでは、利用者が感じるメリットについて詳しく解説するのでぜひチェックしてみてください。
1. 個別ケアによる「その人らしい生活」の実現
従来の集団処遇ではなく、利用者一人ひとりの生活歴や価値観、体調や好みに合わせた個別ケアが重視されています。
たとえば、食事や入浴、排泄のタイミングや方法を利用者ごとに調整し、日課や趣味活動も個々の希望に合わせて提供します。これにより、利用者は自分のペースで生活でき、尊厳や自立心が保たれます。
2. 心身の健康維持と生活の質(QOL)の向上
個別ケアの実践により、利用者の健康状態や生活リズムに合わせたリハビリや運動、認知症予防プログラムが提供されます。
作業療法士や理学療法士による個別リハビリ、趣味活動やレクリエーションの機会も増え、心身の活性化や認知機能の維持・向上につながります。
3. 安心・安全な生活環境
介護職員や看護師が利用者の健康状態を日々観察し、異変があればすぐに対応できる体制が整っています。
24時間シートや1dayシートなどを活用し、生活リズムや体調の変化を細かく記録・共有することで、病気の早期発見や事故防止にも役立っています。
4. 社会的つながりと生きがいの支援
個別ケアやパーソナライズドケアの実践により、利用者は家族や地域、他の利用者との交流の機会を持ちやすくなります。
レクリエーションや行事、趣味活動への参加を通じて、孤独感の軽減や社会的役割の維持が図られ、生きがいや自己肯定感が高まります。
5. プライバシーと尊厳の確保
個室やユニットケアの導入、プライバシーに配慮した排泄・入浴支援など、利用者の尊厳を守る取り組みが進んでいます。
自分の生活空間で安心して過ごせることは、精神的な安定にもつながります。
6. ケアの質の向上と目標達成の支援
個別介護計画やケアプランの作成・見直しを定期的に行い、利用者ごとの目標や希望を反映したケアを提供します。
多職種連携によるチームケアや、介護職員間の情報共有が進むことで、より質の高いサービスが実現し、利用者の目標達成や生活の満足度向上に寄与しています。
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介護施設でできるウェルビーイングへの取組み
介護施設でのウェルビーイング実践は、「自分らしさ」「健康」「社会参加」「コミュニケーション」「役割」「安心」を支える多彩な取り組みの積み重ねです。
これにより、利用者と介護職員両者の幸福度や満足度が向上し、生活の質も高まります。
1. 利用者の自立支援と個別性の尊重
利用者一人ひとりの希望や状態に合わせて、生活動作や趣味活動などをサポートし、「自分らしく生きる」ことを重視します。
たとえば、ベッド上生活から車椅子移行、トイレでの排泄支援、園芸活動や手芸などの得意分野を活かしたプログラムなどを取り入れます。
その結果、利用者が「自分らしく生きる」ことを実感でき、尊厳や自立心が保たれます。
生活の満足度が高くなったり、生きがいを感じやすくなったりするため、精神的な安定や認知機能の維持にもつながるでしょう。
2. 健康維持・増進のサポート
定期的な健康診断や運動教室、リハビリプログラムの導入、メンタルヘルス対策(カウンセリングやストレスチェック)など、心身の健康を支える取り組みを行います。介護職員にも健康増進プログラムを提供し、職場全体の健康意識を高めます。
定期的な健康チェックや運動、リハビリの実施により、利用者の身体機能や健康状態が維持・向上するでしょう。要介護度の進行予防や生活の質(QOL)向上に寄与します。
3. 社会的つながりや生きがいの創出
地域交流イベントや外出プログラム、手芸品の製作・販売、園芸療法など、社会参加や役割を感じられる活動を積極的に実施します。
施設内外でのコミュニケーションや、地域住民・学校との交流も推進します。
地域交流イベントや趣味活動への参加により、孤立感が軽減され、社会的役割や生きがいを感じやすくなるでしょう。うつや退屈感の予防、認知症リスクの低減が期待できます。
4. コミュニケーションの活性化
介護職員同士や利用者との円滑なコミュニケーションを促進するため、定期的なミーティングや意見交換の場を設けます。
利用者の声を取り入れたケアプラン作成や、個別の要望への柔軟な対応も重視されます。
介護職員や他利用者との交流が増え、信頼関係や安心感が生まれるはずです。日常の不安やストレスが軽減し、心の健康の維持・向上にもつながるでしょう。
5. 役割や挑戦の機会の提供
「退屈」や「役割喪失」に着目し、利用者が何らかの役割や目標を持てるような活動を企画します。
たとえば、園芸活動での収穫体験、手芸品の販売など、「やりがい」や「挑戦」を感じられる機会を増やします。
このように新しい活動や役割を持つことで、達成感や自己肯定感が高まります。日々の充実感が増し、生活意欲やモチベーションの向上につながるでしょう。
6. 安心・安全な生活環境の整備
利用者が安心して過ごせるよう、個室での自由やプライバシーを尊重しつつ、必要な安全管理や見守り体制を整えます。
事故や健康トラブルの予防、迅速な対応が可能となり、利用者が安心して生活できます。家族の信頼も高まり、施設全体の評価向上にもつながるでしょう。

【労働環境の改善】ウェルビーイングの推進による効果
ウェルビーイングの推進によって、労働環境が改善される効果が期待できます。ここでは、具体的にどのような効果が見込まれるのかを詳しく解説します。
1. 長時間労働の是正・柔軟な働き方の導入
フレックスタイム制やテレワーク、短時間勤務制度などが導入され、従業員がライフスタイルや家庭の事情に合わせて働き方を選択できるようになります。
これにより、仕事とプライベートの両立(ワークライフバランス)がしやすくなり、心身の負担が軽減されます。
2. 健康管理・メンタルケアの充実
定期健康診断やストレスチェック、カウンセリング、健康増進イベント(ウォーキングやフィットネスなど)が積極的に実施されます。
従業員の健康状態を可視化し、心身の不調を早期に発見・対策できる体制が整います。
3. 職場環境とコミュニケーションの改善
休憩スペースやリフレッシュエリアの設置、ウォーキング・ミーティングなど、リラックスできる環境や自然なコミュニケーションの機会が増えます。
上下関係の壁を取り払い、意見交換や相談がしやすい心理的安全性の高い職場風土が醸成されます。
4. 雇用形態や待遇の格差是正
正規・非正規雇用間の格差解消や、有給休暇取得率の向上など、待遇面の公平性が推進されます。
5. 生産性・ワークエンゲージメントの向上
従業員が健康で意欲的に働けることで、仕事への熱意や集中力が高まり、生産性やサービス品質が向上します。
労働環境が整うことで、従業員の満足度やエンゲージメントも高まるでしょう。
6. 離職率の低下と人材確保
働きやすさや満足度の向上により、離職率が低下し、優秀な人材の確保・定着につながります。
ウェルビーイングの推進は、長時間労働の是正、健康管理の充実、柔軟な働き方、職場環境の改善、待遇の公平化、コミュニケーションの活性化など、多方面から労働環境を根本的に改善します。
その結果、従業員の満足度・生産性向上、離職率低下といった好循環が生まれ、組織全体の持続的な成長につながります。

【良好な人間関係の構築】ウェルビーイングの推進による効果
ウェルビーイングの推進によって、職場ではコミュニケーションが活性化し、多様性が受け入れられ、信頼関係が強化されます。
これらは良好な人間関係の構築に直結し、職場の雰囲気やチームワーク、業務効率の向上にもつながります。
1. コミュニケーションの活性化
ウェルビーイングの推進は、従業員同士のコミュニケーションを活発にし、相談や意見交換がしやすい職場づくりにつながります。
仕事の相談がしやすくなることで業務が円滑に進み、チームワークやパフォーマンスも向上するでしょう。
2. 多様性の受容と相互理解の深化
ウェルビーイングの実践は、多様な価値観や個性を認め合い、互いの理解を深める土壌をつくります。これにより信頼関係が強化され、職場内での心理的安全性が高まります。
3. メンタルヘルスの安定とストレス軽減
心身の健康が保たれることで、従業員は精神的に安定し、無用な対立やトラブル軽減につながるでしょう。
ストレスが少ない状態をキープできれば、むやみに他者を傷つける行動の抑制や、良好な人間関係の維持に役立つはずです。
4. 組織全体での人間関係改善への取り組み
ウェルビーイングの制度や考え方を導入することで、企業や組織が主体となって人間関係の改善に取り組めるようになります。
これにより、劣悪な職場環境の改善や、働きやすい雰囲気の醸成が期待できます。

【ビジネス・経営】ウェルビーイングの推進による効果
介護施設でのウェルビーイング推進には、経営ビジョンの明確化と全介護職員への共有が不可欠です。これにより、現場の納得感やモチベーションが高まり、チームワークやサービス品質が向上します。
経営ビジョンの共有の意義
経営ビジョンの共有は、施設の理念や将来像、そして目指すべき方向性を経営層から現場介護職員まで全員が理解し、一体感を持って業務に取り組むための重要な基盤となります。
介護現場においては、なぜその取り組みや変革が必要なのかという理由を明確に伝えることで、介護職員一人ひとりの納得感が生まれ、日々の業務に対するモチベーション向上にもつながるでしょう。

まとめ
ウェルビーイングとは、単なる健康や幸福の追求にとどまらず、身体的・精神的・社会的に満たされた「その人らしい生き方」を実現することを意味します。
介護業界においては、利用者一人ひとりの尊厳や自立を大切にし、心身の健康維持や生きがいの創出、良好な人間関係の構築を目指す取り組みが広がっています。
さらに、介護職員の働きやすさや満足度向上、組織全体のチームワークや経営効率の改善にも直結し、持続可能な介護現場づくりに貢献するでしょう。
今後、介護現場でウェルビーイングを実践していくためには、経営層から現場介護職員まで全員が理念を共有し、小さな取り組みから始めることが重要です。本記事で紹介した具体的な方法を参考に、ぜひ実践に移してみてください。
よくある質問
Q.ウェルビーイングは「健康」や「幸福」と何が違うの?
健康や幸福といった一面にとどまらず、身体的・精神的・社会的な側面がすべて満たされている「総合的なよい状態」を指します。WHOや厚生労働省の定義でも、人権や自己実現の尊重を含むことが強調されています。
Q.なぜ介護で特に重視されるの?
高齢者の孤立や家族介護者の負担増など、従来の医療・福祉だけでは解決できない課題に直面しているためです。利用者本人だけでなく、家族や介護職員の幸福を同時に高める必要があります。
Q.社会福祉士の役割は?
相談援助や制度活用、多職種連携を通じて利用者の生活を支えます。また、個人への支援にとどまらず、地域や制度の改善を促す「権利の代弁者・社会資源のつなぎ役」としても重要な役割を担います。
Q.介護業界にとってのメリットは?
利用者満足度の向上に加え、人材の離職防止・定着、採用力強化、介護職員の健康増進など経営面の安定につながる点です。結果的に組織全体のパフォーマンスや評判も高まります。
Q.施設ではどう取り入れるの?
例として、個別性を尊重したケア、リハビリや趣味活動支援、社会的交流の場の提供、役割や挑戦の機会づくり、安全で快適な環境整備などがあります。日常の小さな工夫の積み重ねが有効です。
Q.経営者にとっての効果は?
経営ビジョンを介護職員と共有し、健康で満足度の高い職場をつくることで、モチベーションやチームワークが強化されます。その結果、サービス品質の向上と経営の持続可能性の両方を実現できます。

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み
