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- 未経験から介護の仕事にチャレンジしたい方学歴・職歴を問わず始められる資格を探している方
- 訪問介護で活躍したい方重度障がい者への支援や在宅介護に関心がある方
- 短期間で資格を取りキャリアアップしたい方将来は介護福祉士やケアマネジャーを目指したい方
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重度訪問介護従業者養成研修とは
重度訪問介護従業者養成研修とは、重度の肢体不自由者や知的・精神障がい者に対し、日常生活の介助を行うために必要な知識と技術を身につける研修です。
講義・演習・実習を通じて、介護技術や福祉制度、障がい特性への理解を学びます。
研修は基礎課程・追加課程・統合課程などに分かれており、未経験者でも段階的にスキルを習得できます。全科目を履修すれば修了証明書が交付され、訪問介護従業者としての第一歩を踏み出すことができるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
制度の目的 | 厚生労働省告示(第538号)に基づき、重度の障がい者に対応できる知識・技能を持つ人材を育成すること |
実施主体 | 各都道府県、または指定した事業所、研究事業所の指定を受けた事業所 |
対象者 | 重度訪問介護に従事する予定のある者・希望者・既従事者 |
重度訪問介護従業者養成研修の目的と概要
重度訪問介護従業者養成研修は、重度の肢体不自由者や知的・精神障がいを持つ方が、地域で安心して生活できるよう支援する専門人材を育成することを目的としています。
この研修では、介護に必要な基本技術だけでなく、利用者の尊厳を守るための倫理観や障がい特性への理解、個別支援計画に基づいた対応力など、実務に直結する知識と技能を体系的に学びます。
研修は「講義」「演習」「実習」で構成されており、介護未経験者でも段階的にスキルを習得できるような設計です。
修了後は、訪問介護の現場で重度障がい者支援に携わるための基礎的な資格として活用することが可能です。
重度訪問介護従業者養成研修のカリキュラムと課程【基礎課程、追加課程、統合課程】
重度訪問介護従業者養成研修は、受講者のスキルや経験に応じて「基礎課程」「追加課程」「統合課程」の3段階に分かれています。
課程 | 学ぶ内容の概要 | 目的・特徴 |
---|---|---|
基礎課程 | 食事介助、移動支援、排泄・入浴などの基本的な介護技術 | 介護職として必要な基礎知識・技術を身につける |
追加課程 | 重度障がい者に特化した支援方法や医療的ケア(呼吸管理・体位保持など) | より専門的な支援に対応するための知識・判断力を習得 |
統合課程 | 過去に学んだ内容を統合し、実習を中心に応用力を高める | 現場で即戦力として活躍するための実践的スキルを養成 |
まず基礎課程では、介護職として必要な基本的知識と技術(食事・移動・排泄・入浴など)を学びます。
次に追加課程では、重度障がい者に特化した支援方法や医療的ケアへの理解を深め、より専門的な対応力を養います。
最後に統合課程では、これまでの学習内容を統合し、実習を通じて現場で即戦力として求められる実践力を身につけることが可能です。
各課程は講義・演習・実習で構成されており、段階的に専門性を高められる仕組みとなっています。

重度訪問介護従業者養成研修と初任者研修の違い
重度訪問介護従業者養成研修と介護職員初任者研修は、どちらも介護職に必要な知識を学ぶ研修ですが、その目的や学ぶ範囲、働く場所には明確な違いがあります。
これから介護の仕事に就きたい方や資格取得を検討している方にとって、自分に合った研修を選ぶための判断材料になります。
項目 | 重度訪問介護従業者養成研修 | 初任者研修(介護職員初任者研修) |
---|---|---|
目的 | 重度障がいや医療的ケアを必要とする人への訪問介護に対応するスキルを習得 | 幅広い介護現場での基本的な知識・技術を習得(入門資格) |
対象者 | 訪問介護(特に重度訪問介護)に従事する予定の人 | 介護職としての基礎を学びたい人全般 |
受講資格 | 特になし(未経験者も可) | 特になし(未経験者も可) |
修了までの時間 | 20~21時間(例:統合課程) | 通信講座(最大40.5時間)+ スクーリング = 合計130時間 |
研修内容 | 食事・排泄・移動介助、医療的ケア、障がい特性、行動障害支援など訪問介護に特化 | 介護の基本・身体介護・生活援助・認知症・医療的配慮など幅広い知識 |
働ける職場 | 重度訪問介護事業所(訪問介護に特化) | 特養、老健、デイサービス、訪問介護など幅広く就職可能 |
資格の扱い | 就業前提で短期間の研修。修了証が交付される | 国家資格ではないが、介護キャリアの登竜門として広く認知される |
キャリアパス | 現場経験を重ねて初任者研修や実務者研修へ | 実務者研修 → 介護福祉士など上位資格へ進む基盤に |
どちらの研修も介護職にとって重要なスタートラインですが、目的や活用範囲に違いがあります。
すぐに働きたい方や訪問介護を希望する方は重度訪問介護研修を、より幅広い現場で働きたい方は初任者研修を選ぶとよいでしょう。

重度訪問介護従業者養成研修の受講資格と要件
重度訪問介護従業者養成研修は、未経験者でも受講しやすい柔軟な制度が特徴です。
福祉分野への第一歩として、多くの方がこの研修を通じて介護の現場に関わっています。
学歴・経験不問で誰でも受講可能
この研修は、学歴・年齢・職歴を問わず、誰でも受講可能です。
福祉職や介護の現場が未経験の方でも、受講中に基礎から学べるカリキュラムが整っているため、安心して参加できます。特に学生や副業希望者の受講も多く見られます。
また、既に介護職員初任者研修の修了や介護福祉士などの資格を保有していれば、基礎課程を免除できる場合や追加家庭から受講可能になることがあります。これらを活用して効率的にしか食う取得が可能となります。
なお、重度訪問介護のサービス提供責任者になるためには、さらに以下の資格のいずれかを満たすことが必要です。
- 介護福祉士
- 介護福祉士実務者研修修了者
- 看護師/准看護師
- 居宅介護職員初任者研修修了+実務経験3年以上
- 介護職員初任者研修修了+実務経験3年以上
サービス提供責任者は利用者のケア計画作成やスタッフ管理を担う重要な役割であり、専門的知識及び実務経験が要件となります。重度訪問介護従業者として現場で働くためには養成研修の修了が必要ですが、サービス提供責任者の資格は別途要件が設定されているため、キャリアアップの一環として取得を目指すことが一般的です。
修了試験なしで資格取得が可能(研究機関による)
一部のような研修機関では、修了試験が不要で、講義・演習・実習の全過程を受講することで修了証が交付されます。
これにより、負担感なくスムーズに資格取得が可能です。資格取得後は、全国どこでも重度訪問介護の従事者として働けます。
ただし、一部の研究機関では筆記試験を実施しているので、修了試験の有無は実施機関により異なる。
実習に伴う条件や心構え
受講にあたっては、利用者宅での実習参加が含まれており、現場での支援を体験しながら学びます。
また、利用者には重症化リスクのある方も含まれるため、感染症対策(マスク着用など)への協力が求められることがあります。
資格取得後の進路と可能性
この研修を修了すると、重度訪問介護従業者として働くための基本資格を得ることができ、すぐに現場での就業も可能になります。
また、将来的には「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」など、さらなる資格取得やキャリアアップも目指せます。
出典:(別添) 重度訪問介護の対象拡大に伴う支給決定事務等に係る留意事項 1.行動障害を有する
区分 | 内容 |
---|---|
受講対象 | ・介護職未経験者でも受講可能 ・研修内容は基礎から学べる構成 |
必要な条件 | ・健康状態が良好であること ・基本的な学力(読み書き能力) |
推奨される事前知識 | ・介護に関する基礎知識(例:食事介助、移動支援) ・福祉制度に関する基本的な理解 |

重度訪問介護従業者養成研修の内容と学べるスキル
重度訪問介護従業者養成研修では、重度障がいや高齢者に対する専門的なケアを提供するために必要な知識と技術を、講義・演習・実習を通じて段階的に学びます。
受講後には、現場で即戦力として働ける基本的なスキルを身につけることが可能です。
研修の主なカリキュラム構成
研修は以下のような構成で実施されます。
課程 | 内容 | 時間数(目安) |
---|---|---|
基礎課程 | 食事・排泄・移動・入浴など基本介護技術の習得 | 10時間 |
追加課程 | 重度障がい者への専門的支援方法・医療的ケアの理解 | 10時間 |
統合課程 | 実習と応用を組み合わせた実践力の強化 | 20~21時間 |
行動障がい支援課程(※) | 強度行動障がいのある方への支援技術・アセスメント | 12時間 |
出典:重度訪問介護従業者養成研修課程カリキュラム (別紙1)
※一部地域・研修機関では実施が限定される場合があります。
研修で学べるスキルと知識の一覧
研修を通して習得できるスキルには、次のようなものがあります。
分野 | 学べる内容 |
---|---|
法令・倫理 | 障害福祉に関する法律、権利擁護、倫理的配慮 |
基本介護技術 | 食事介助、入浴支援、排泄・移動介助など |
医療的ケアの理解 | 吸引・経管栄養など医療行為への対応知識(※実施には別研修が必要) |
障がい特性の理解 | 自閉症、知的障がい、精神障がいなどに応じた対応方法 |
行動障がい支援 | 問題行動のアセスメント、構造化支援、環境調整など |
現場で活かせる実践力の育成
研修では、実習(OJT)を通して以下のような力を育みます。
- 利用者視点での支援力
単に介助するのではなく、本人の尊厳を守る対応力を学びます。 - 安全・衛生管理の徹底
転倒予防、感染症対策など、安全な支援を行うための知識と判断力を身につけます。 - チーム支援のコミュニケーション能力
他職種や家族との連携を想定したコミュニケーション技術も学習範囲に含まれます。
重度訪問介護従業者養成研修は、未経験者でも参加でき、重度障がいや高齢者への支援に必要なスキルを短期間で効率的に学べる研修です。
介護職の入門資格としても注目されており、将来的に介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)を目指す方にも有益なステップとなります。

重度訪問介護従業者養成研修の費用と助成制度
ここでは、全国の指定研修事業所で実施されている「重度訪問介護従業者養成研修」の費用や助成の実情についてまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
相場(各課程) | 基礎・追加:15,000〜20,000円 統合:約30,000円 |
割引・キャッシュバック制度 | 就業連動型や就労後返金など、研修機関ごとに異なる制度あり |
研修費用の相場
重度訪問介護従業者養成研修の費用は、受講する課程や研修機関によって異なります。一般的な相場としては、基礎課程や追加課程で15,000〜20,000円前後、統合課程では約30,000円前後が目安とされています。
この研修は、介護職未経験者でも受講可能な点が特徴で、必要最低限の知識や技術を効率的に学べるよう設計されています。また、講義と演習、実習を組み合わせた実践重視の内容となっており、短期間で資格を取得したい方にとって適した研修です。
一部の研修機関では、オンライン対応の講義や柔軟なスケジュール設定も可能で、働きながら資格取得を目指す方にも好評です。
助成・キャッシュバックの事例
多くの民間研修機関では、就労支援型のキャッシュバック制度や就職連動型の受講料免除制度を導入しています。たとえば、あるNPO法人では、研修終了後に一定時間就業すると受講料全額がキャッシュバックされる制度を提供しており、学生や副業希望者から人気を集めています。
さらに、施設によっては初任者研修取得支援制度や交通費補助、学習サポート制度などが併用可能なケースもあり、受講者にとって大きな経済的負担を軽減できる仕組みが整備されています。
このように、重度訪問介護従業者のニーズの高まりを受けて、人材確保を目的とした支援制度が年々充実してきています。資格取得だけが目的の方でも利用可能な制度も多く、研修選びの際にはチェックしておくべき重要なポイントです。
公的助成・補助の活用
重度訪問介護従業者養成研修には、都道府県や市区町村などの自治体による公的助成制度が存在する場合もあります。たとえば、福祉人材の確保や定着支援を目的とした貸付制度、研修費助成金などが代表的です。
制度の有無や申請方法、対象条件などは自治体によって異なるため、事前に福祉担当窓口や相談支援機関に確認することが重要です。
また、厚生労働省や自治体の障害福祉関連事業の一環として、特定の要件を満たす場合に補助対象となる制度が新設・拡充されていることもあるため、最新情報のチェックは欠かせません。
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重度訪問介護従業者養成研修の取得方法と流れ
重度訪問介護従業者養成研修は、受講資格や免除条件、受講から修了までの流れを理解することが大切です。ここでは、受講資格やスケジュール、筆記試験・実習のポイント、費用や無料で受ける方法、オンライン・短期取得の可否について解説します。
受講資格・受講条件と免除要件
重度訪問介護従業者養成研修の受講資格は、身体介護に支障のない健康状態であることが基本です。
初めて介護職に就く方は基礎課程からの受講が必要ですが、すでに介護職員初任者研修や訪問介護員養成研修(旧ヘルパー2級)を修了している場合、基礎課程が免除され、追加課程から受講できます。また、介護福祉士や看護師などの資格保有者は、座学や一部実習が免除されるケースがあります。
免除内容は都道府県によって異なるため、受講先の研修実施機関に確認することが必要です。
項目 | 内容 |
---|---|
基本条件 | 健康状態が良好で介護業務に支障がない |
初めて介護職の場合 | 基礎課程から受講 |
初任者研修修了者 | 基礎課程免除、追加課程から受講可能 |
介護福祉士・看護師 | 一部座学・実習が免除される場合あり |
研修の流れとスケジュール例(1日目・2日目)
研修は、座学と実習を組み合わせたカリキュラムで進行します。例として、基礎課程の2日間研修の流れは以下のようになります。
1日目
- オリエンテーション・障害福祉制度の概要(1時間)
- 重度訪問介護の目的と倫理(1時間)
- 基本的な身体介護(食事・排泄・入浴)の講義と演習(3時間)
2日目
- 車椅子操作・体位交換などの実技演習(3時間)
- 外出支援や緊急時対応の演習(2時間)
- 修了テスト・振り返り(1時間)
自治体や実施機関により時間配分は異なりますが、概ね2日間で10時間程度が標準です。
日程 | 内容 | 時間(例) |
---|---|---|
1日目 | オリエンテーション、福祉制度、身体介護講義・演習 | 5時間 |
2日目 | 車椅子操作、体位交換、外出支援、緊急対応演習、修了テスト | 5時間 |
筆記試験や実習のポイント
研修修了には、筆記試験と実習評価をクリアする必要があります。筆記試験では、障害者総合支援法の概要、重度訪問介護の目的、基本介護手順、倫理・接遇などの基礎知識が問われます。過去問題が公開されることは少ないですが、テキストの反復学習が大切です。
実習評価では、ベッド移乗・車椅子操作・喀痰吸引などの手技が適切に行えるかがチェックされます。評価のポイントは「利用者の安全確保」「声かけや説明」「衛生管理」であり、単に手技を覚えるだけでなく、利用者への配慮が大切です。実技は模擬利用者を相手に行われることが多く、事前に演習を繰り返すと安心です。
筆記試験のポイント
- 障害者総合支援法や福祉制度の基礎知識
- 重度訪問介護の目的・倫理
- 身体介護の手順理解
実習評価のポイント
- 利用者の安全確保
- 声かけや事前説明
- 衛生管理(手指消毒、器具の消毒など)
受講料と無料で受ける方法
研修費用は、自治体や実施機関によって異なり、基礎課程で1万〜2万円前後、統合課程で3万〜5万円程度が一般的です。ただし、以下の方法で無料または補助を受けられる場合があります。
- 自治体助成:都道府県や市区町村が費用の一部を補助する制度
- 介護職員初任者研修修了者向け免除:受講時間が短縮され、費用が安くなる
- 福祉人材センターの助成金:就職が決まっている場合、全額補助のケースもある
受講料補助の有無は自治体によって異なるため、事前に都道府県福祉局や福祉人材センターに相談することをおすすめします。
項目 | 費用目安 | 無料・補助制度 |
---|---|---|
基礎課程 | 1〜2万円 | 自治体助成・人材センター助成 |
追加課程 | 1〜2万円 | 初任者研修修了者は受講時間短縮で安価に |
統合課程 | 3〜5万円 | 一部自治体で全額補助の場合あり |
オンライン・短期取得は可能か?
現在、厚生労働省が定めるガイドラインでは、重度訪問介護従業者養成研修の全課程を完全オンラインで修了することは認められていません。ただし、一部の座学や演習については、eラーニングや動画視聴による受講が可能な自治体もあります。
実技や実習は利用者の安全確保が求められるため、対面での演習が必須です。
また、基礎課程は最短2日、統合課程でも最短4日程度で修了できる場合があり、短期取得が可能です。
ただし、短期コースでも履修時間(基礎課程10時間以上、統合課程20時間以上)が厚労省告示で定められているため、時間数を省略することはできません。
項目 | 内容 |
---|---|
オンライン可 | 座学や演習の一部(eラーニング対応の自治体あり) |
オンライン不可 | 実技・実習(利用者の安全確保が必要) |
短期取得可能 | 基礎課程:2日程度、統合課程:4日程度が最短 |
短縮不可 | 厚労省告示により履修時間が必須(基礎10時間以上、統合20時間以上) |

重度訪問介護従業者養成研修修了後のキャリアパス
重度訪問介護従業者養成研修を修了すると、障がい者や高齢者の在宅生活を支援する重要な役割を担うことができます。
この資格を起点に、訪問介護の現場で即戦力として活躍するだけでなく、介護業界全体でのキャリアアップを目指す土台にもなります。
本研修は、福祉・介護のキャリアをスタートさせたい人や、今後より専門的な資格取得を検討している人にとって、大きなステップとなる研修です。
訪問介護職として即戦力に
修了後は、重度訪問介護従業者として在宅支援に携わることができ、すぐに現場で活躍することが可能です。
介護職未経験者であっても、基礎から実践スキルまでを短期間で学べるため、仕事に直結する実用的な知識と技術を身につけられます。
介護福祉士など上位資格へのステップアップ
重度訪問介護従業者の経験は、「介護福祉士」や「実務者研修」など、より高度な資格取得への第一歩になります。
実務経験を積むことで、国家資格の受験資格を満たすことができ、福祉職としてのスキルアップや収入アップにもつながります。
就職・転職時のアピールポイントに
本研修を修了していることは、介護や福祉業界での採用時における強みになります。
特に人手不足の深刻な訪問介護業界では、資格保持者の需要が高く、採用されやすい傾向にあります。副業としての勤務や、地域の福祉活動への参加など、多様な働き方も選べるのが魅力です。
医療的ケアや障がい支援の専門職への道

重度訪問介護従業者養成研修修了後のキャリアアップに向けた資格や研修
重度訪問介護従業者養成研修修了後、さらに専門的な知識や技術を身につけることで、キャリアアップを図ることが可能です。
例えば、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)などの上級資格を取得することで、より責任のあるポジションに就くことができます。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)としての役割を目指すことも可能です。
さらに、障がい者福祉に関する研修や、高齢者のリハビリテーションを学ぶ研修を受けることで、専門性をさらに高めることができます。これらの資格や研修を活用して、キャリアの幅を広げることができるでしょう。
資格・研修名 | 内容 | キャリアアップの効果 |
---|---|---|
介護福祉士 | 介護業務全般における専門的知識と技術を習得 | より高度な介護業務を担当できる、キャリアパスの広がり |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | ケアプランの作成、サービス調整を担当 | より責任のある職務を担い、介護計画の管理ができる |
リハビリテーション研修 | 高齢者や障がい者のリハビリ支援に関する専門的な研修 | 専門的なリハビリ支援を提供できるようになり、キャリアを広げる |
障がい者福祉関連研修 | 障がい者向けの介護技術や福祉制度について学ぶ | 障がい者支援における知識とスキ ルが向上し、職域が広がる |

重度訪問介護従業者養成研修を受けるメリット
重度訪問介護従業者養成研修を受けることで、福祉・介護分野における基礎的かつ専門的なスキルを身につけることができ、就業の幅を広げる大きなステップとなります。
3日程度の短期間で修了できるうえ、特別な資格要件もなく、未経験者でも受講しやすい点が魅力です。また、今後ますます需要が高まる分野であることから、キャリア形成にも有利です。
短期間で全国共通の資格が取得できる
重度訪問介護従業者養成研修は、20~21時間の受講で修了でき、全国で通用する資格として認定されます。
初任者研修などに比べて時間・費用の負担が少なく、気軽にスタートできる介護資格として人気があり
高時給・柔軟な働き方が可能
令和4年時点の厚生労働省の統計によると、訪問介護従業者の平均時給は1,407円であり、介護職員全体の平均時給1,285円と比較しても有意に高い水準であることが示されています。
項目 | 平均時給 |
---|---|
訪問介護員 | 1,407円 |
介護職全体 | 1,285円 |
出典:厚生労働省 | 令和4年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書
また、利用者のライフスタイルに合わせて24時間体制で支援が行われるため、1〜2時間のスキマ勤務から長時間勤務まで、自分のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができます。学生や副業希望者にも適しています。
現場で求められる実践スキルを習得できる
研修では、講義や演習、実習を通じて、食事介助や入浴・排泄介助、移動支援といった実践的なスキルを学ぶことができます。
また、行動障害や医療的ケアへの理解も深まり、重度障がい者に対する適切な支援方法を体系的に習得できます。現場に即した知識と技術が身につくため、修了後すぐに実務に活かせるのが強みです。

オンラインで受ける重度訪問介護従業者養成研修のメリットと注意点
ここでは、オンラインで受ける重度訪問介護従業者養成研修の利点と注意点について解説します。
近年、オンライン研修は学びやすさと利便性から多くの人々に利用されています。特に、重度訪問介護従業者養成研修をオンラインで受講することによって、時間や場所に縛られることなく自分のペースで学べるメリットがあります。
しかし、オンライン研修には注意すべき点もあります。ここでは、オンライン研修の特徴と受講方法、そして受講中に気をつけるべきポイントについて紹介します。
オンライン研修の特徴と受講方法
オンラインで重度訪問介護従業者養成研修を受ける場合、最も大きな特徴は、自宅や好きな場所で受講できる点です。
オンライン研修は、動画や資料を使用した学習が中心で、PCやスマートフォンを使ってアクセスできます。受講方法は、まず研修機関のウェブサイトで申し込み、必要な教材や情報を受け取った後、指定されたプラットフォームにログインして研修を進めます。
オンラインの最大の利点は、自分のペースで学習できる点です。仕事と両立させながら研修を受けることができ、忙しい方にも適しています。
オンライン受講時における注意点と実務面での活用方法
オンライン研修を受ける際、まずインターネット環境やデバイスが適切に整っているかを確認することが大切です。安定したネットワーク環境がないと、学習の進行に支障をきたすため、予め接続の確認を行いましょう。
また、自己学習には他の受講者と直接交流する機会が少ないため、積極的に質問をし、フォーラムやQ&A機能を活用することが求められます。実務面では、研修で得た知識や技術を現場で実践することが大切です。学んだことを実際の介護業務に役立てることで、スキルが定着し、より質の高いケアを提供することが可能になります。
注意点 | 内容 | 実務面での活用方法 |
---|---|---|
インターネット環境 | 安定したネットワーク環境が必要 | スムーズに研修内容を視聴するため、必須 |
デバイスの確認 | PCまたはスマホが必要、視聴に適したデバイスの準備 | 必要な資料をしっかり閲覧・操作できること |
自己学習の重要性 | 他の受講者と直接の交流が少ないため、積極的に学習 | 学んだ知識を現場で実践し、スキルを定着させる |
フォーラムやQ&Aの活用 | 疑問があれば、オンラインのQ&Aやフォーラムで質問 | 実務の中で質問し、即実践に活かす |

重度訪問介護従業者養成研修修了者の将来性
重度訪問介護の需要は今後さらに拡大すると見込まれています。背景には、高齢化の進行と障害者総合支援法による在宅支援推進があります。特に24時間体制での支援を必要とする利用者が増えており、専門スキルを持つ従業者の需要は高まり続けるでしょう。
需要が高い分、求人では高時給・夜勤手当・資格手当が設定されるケースが多く、研修修了者は収入面でも有利です。さらに、医療的ケアができる統合課程修了者は、訪問介護事業所以外の医療依存度が高い施設でも活躍でき、将来的な収入アップの可能性が広がります。
要因 | 内容 |
---|---|
需要拡大の背景 | 高齢化、在宅支援推進、24時間体制支援の増加 |
収入アップの要因 | 高時給求人、夜勤手当、資格手当 |
キャリアの広がり | 医療的ケアができる統合課程修了者は医療依存度が高い施設でも活躍可能 |

重度訪問介護従業者養成研修における評価と修了要件
重度訪問介護従業者養成研修は、講義・演習・実習を組み合わせたカリキュラムで構成されており、受講者が必要な知識・技術を身につけられるよう設計されています。
研修の修了にあたっては、「全科目の履修」が要件とされており、一定の理解度や習熟度が求められます。
ここでは、評価の対象となる主な学習領域と、実技演習を効果的に進めるためのポイントについて解説するのでぜひチェックしてみてください。
評価の対象となる主な学習内容
重度訪問介護従業者養成研修では、理論と実技の両面から以下のような内容が取り扱われます。
これらの知識や技術が、演習・実習を通じて身についているかが、修了認定の判断材料になります。
項目 | 内容 |
---|---|
法令・倫理 | 介護業務に関わる法律や制度、倫理的判断に関する基礎知識 |
介護技術 | 食事介助・移動支援・入浴介助など、日常生活支援の基本技術 |
重度障がい者・高齢者支援 | 特別な支援方法や、個別ニーズに応じた介護計画の立案・実践に関する知識 |
※評価方法や筆記試験の有無、合否判定の基準は、研修を実施する機関ごとに異なります。詳細は各実施機関の案内をご確認ください。
実技演習で重視されるポイントと準備法
実習・演習では、単なる技術の習得だけでなく、現場で求められる安全性・柔軟性・利用者への配慮も含めた対応力が求められます。
以下は、実技分野における重要な着眼点と、スムーズに実習を進めるための準備のコツです。
評価の対象となる基本技術の例
- 食事介助(姿勢・誤嚥防止への配慮)
- 移動・体位変換支援(安全な動作と声かけ)
- 入浴介助(プライバシーと安全性の確保)
実技習得のポイント
ポイント項目 | 内容 |
---|---|
繰り返し練習 | 手順を身体で覚え、無意識に近い状態で自然に動けるようにしておくことが重要です。 |
模擬演習の活用 | 本番に近い状況で練習を行うことで、実習時の緊張感を軽減し、自信を高められます。 |
冷静な判断力の強化 | 緊張しても落ち着いて行動できるよう、状況判断力や声かけのタイミングも意識しましょう。 |
修了の認定について
福岡県の実施要綱では、「全科目の履修」をもって研修修了とし、修了証明書が交付されると定められています。
筆記試験や実技試験が課されるかどうかは実施機関により異なりますが、いずれにしても、研修内容を理解し実践できることが修了の前提となります。

まとめ
重度訪問介護従業者養成研修は、重度の障がいや高齢者に対して、専門的な支援を行うための知識と技術を学ぶ重要なプログラムです。
研修は基礎課程・追加課程・統合課程の3段階で構成されており、実務に必要な介護技術や医療的ケアについて体系的に習得できます。受講に特別な資格は必要なく、介護未経験者でも受講が可能です。
研修を修了すると、訪問介護の現場で働くことができ、将来的には介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を目指してキャリアアップすることも可能です。
また、地域によっては研修費用に対して助成金が利用でき、負担を軽減できる場合もあるので事前にしっかりと確認しておきましょう。
よくある質問
Q.重度訪問介護従業者養成研修には資格が必要ですか?
重度訪問介護従業者養成研修を受講するために、特別な資格は必要ありません。未経験の方でも受講が可能です。
ただし、研修機関によっては「介護職員初任者研修」や「実務者研修」の修了を推奨している場合があります。これらの資格を事前に取得しておくと、研修内容の理解がよりスムーズになります。
なお、研修修了後に「介護福祉士」や「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などの上位資格を目指す場合には、それぞれに必要な受験要件や実務経験が定められているため、別途確認が必要です。
Q.研修後、すぐに現場で働けますか?
はい、研修を修了すれば、重度訪問介護の現場で働くための基本的な従事要件を満たすことができます。
未経験の方でも、現場で働きながら実務経験を積んでいくことで、徐々に対応力を高めていけます。
また、多くの研修機関では、研修中に現場見学や実技演習を取り入れており、実践的なスキルを身につけやすい環境が整っています。研修後すぐに働きたい方でも、安心して就業へのステップを踏むことが可能です。
Q.研修費用を助成金でカバーできる地域はありますか?
はい、一部の自治体では、重度訪問介護従業者養成研修の費用を助成する制度があります。
地域によっては、介護人材の育成を目的として、受講費用の全額または一部を補助しているケースも見られます。特に、高齢化が進む地域では、助成の内容が手厚い傾向にあります。
助成を受けるには、自治体の福祉課などでの事前確認と申請手続きが必要です。詳細はお住まいの市区町村に問い合わせましょう。
Q.重度訪問介護従業者養成研修にはどんな種類がありますか?
研修は大きく分けて、基礎課程・追加課程・統合課程の3種類に分類されます。
- 基礎課程:介護の基本技術や知識を学習
- 追加課程:重度障がい者への専門的な支援方法を習得
- 統合課程:実技を中心に実務能力を総合的に高める
これらは段階的に学べる仕組みとなっており、受講者の経験や目的に応じて選択が可能です。
Q.重度訪問介護従業者になるには?
重度訪問介護従業者として働くには、まず重度訪問介護従業者養成研修を修了することが第一歩です。
その後、「介護職員初任者研修」や「実務者研修」などの基本資格を取得し、一定の実務経験を積むことで、より専門的な業務にも対応できるようになります。
さらにスキルアップを目指す場合は、「介護福祉士」や「介護支援専門員(ケアマネジャー)」など上位資格の取得にもつなげられます。
Q.重度訪問介護従業者養成研修の統合課程とは?
統合課程は、基礎課程と追加課程を修了した後に進む最終段階の研修です。
ここでは、これまでに習得した知識や技術を実技やケーススタディを通じて統合し、実際の訪問介護現場で即応できる力を養います。
実践に即したシナリオに基づいたトレーニングが多く、研修修了後には即戦力として現場での活躍が期待されます。
Q.重度訪問介護の資格を取るには?
重度訪問介護に従事するためには、まず養成研修を修了することが必要です。
その上で、「初任者研修」や「実務者研修」といった基礎資格を取得し、必要に応じて経験を積んでいくことで、訪問介護職としての専門性を高めていけます。
将来的には「介護福祉士」や「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などを目指し、キャリアアップを図ることも可能です。

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み
