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家族の介護と仕事の両立に悩み、「介護離職を避けたい」と考えている現役世代の方。介護と仕事を両立させる方法や、制度・サービスの具体的な活用方法を知りたいと考えている層。
介護離職の現状や主な原因、支援制度や対策(介護離職防止策)を知りたい方へ。経済的リスク、利用できる支援制度を知りたい人。
企業の人事担当者や経営者など、職場での介護離職防止策や福利厚生の整備に関心のある方。社員の介護離職を防ぎ、生産性や組織力を維持したい人事担当者・経営者。
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介護離職とは何か簡単に解説
ここでは、「介護離職」とは何か、その定義や背景、そして近年増加している現状について解説します。また、介護離職が個人や社会に与える問題点や影響についても取り上げ、なぜ今このテーマが注目されているのかを明らかにします。
介護離職の定義
介護離職とは、家族や親族の介護が必要になったことを理由に、仕事を辞めざるを得なくなる状態を指します。
介護には休みがなく、24時間体制で対応が必要な場合も多く、特に要介護度の高い家族を抱える場合、仕事との両立は非常に困難です。
例えば、通院の付き添いや身体介助、緊急時の対応などが日常的に発生し、従来の労働時間や勤務形態では対応しきれず、結果として離職に至るケースが多く見られます。
介護離職が発生する背景
介護離職の背景には、日本の少子高齢化と核家族化が大きく影響しています。
かつては三世代同居が一般的で、家族内で介護を分担できていましたが、現代では核家族化が進み、介護を担う人が限られています。
また、女性の社会進出や共働き世帯の増加により、家族全体での介護の分担が難しくなっているのも現状です。
社会構造と家族形態の変化
介護保険制度や介護サービスの利用が進んでいるとはいえ、十分な情報が行き渡っていなかったり、サービスの利用が難しい場合も多く、家族が介護を一手に引き受けてしまう傾向が強いです。
このように、社会的な構造変化と家族のあり方の変化が、介護離職を生み出す土壌となっています。
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介護離職は増えている?最新データと傾向
ここでは、直近の政府統計を基に、介護離職者数の推移や年齢層の特徴、発生しやすい背景を整理します。
介護離職は近年急増しているわけではありませんが、高齢化の進行により一定数で推移し続けている社会課題といえます。
最新の離職実態や年代ごとの傾向を理解することで、次の章で扱う制度や支援策の必要性が明確になるでしょう。
出典:仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~|厚生労働省
出典:仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~
出典:令和6年育児・介護休業法改正について【介護関係を中心に】
出典:2025(令和7)年度 両立支援等助成金のご案内
介護離職者数の推移と現状(令和4年以降)
総務省「令和4年就業構造基本調査」によると、介護・看護を理由に離職した人は年間約10.6万人と報告されています。前回調査(5年前)から約7,000人増加しており、年間10万人前後を推移しています。
過去10年間、大きな増減は見られず、年間10万人前後で横ばいが続いています。
出典:人生100年時代に対応した「明るい社会保障改革」の方向性に関する基礎資料|経済産業省
これは制度整備が進んだ一方で、働き方改革や介護保険制度だけでは、現役世代の介護負担を十分に抑えきれていない状況を示します。
また、同調査からは「離職後、再び就労できていない人」が一定数存在し、キャリア形成との両立が難しい現状も浮かび上がっています。
介護離職が多い年代と背景
介護離職が最も多いのは、40代後半〜60代前半の働き盛り世代です。
親の高齢化と自分自身の働き方・健康課題が重なる「ダブルケア世代」とも重なり、仕事と介護を両立する負担が大きくなりやすい傾向があります。
年代 | 特徴 | 離職リスク要因 |
|---|---|---|
〜30代 | 少数 | きょうだい・祖父母介護、小規模 |
40〜50代 | 最多層 | 親の介護、フルタイム勤務、子育ての同時期 |
60代前後 | 増加傾向 | 介護者自身の健康課題、職場制度との不一致 |
この年代は管理職や専門職として働いていることも多く、勤務時間の変更や制度利用がしづらいと感じる人が多い点も特徴です。
制度があっても利用が進まない理由
厚生労働省の調査では、介護支援制度がある職場で働いていても、約半数の方が制度を利用していないという結果が報告されています。
理由としては、以下の要因が多く挙げられます。
- 「職場に迷惑をかけると感じる」
- 「制度内容を理解していない」
- 「制度を使うほどではないと考えた」
- 「利用前に仕事の調整が難しい」
制度の存在だけでは介護離職を防げず、職場全体の理解・運用改善・情報提供が課題とされています。
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介護離職が増加傾向にある理由
ここでは、家族の介護が必要となる主な理由や、仕事と介護の両立がなぜ難しいのかを解説します。
さらに、介護離職を選んだ人が感じる後悔や実際の体験についても紹介し、介護離職の現実に迫ります。
家族の介護が必要な理由
日本では人口の高齢化が急速に進み、65歳以上の高齢者の割合が増加しています。特に後期高齢者(75歳以上)が増えており、長期間の介護を必要とする高齢者が増えています。
また、認知症高齢者数は増加傾向にあり、厚生労働省『認知症施策推進大綱』(2019年6月策定)の推計では、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)に達すると見込まれています。※2025年12/1時点で最新の推計値の確認推奨
こうした高齢化と人口構造の変化に加え、核家族化や共働き世帯の増加によって、介護を担う家族が限られ、負担が一部に集中する傾向があります。
出典:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
出典:今後の高齢者人口の見通し|厚生労働省
出典:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)|厚生労働省
仕事と介護の両立が難しい理由
介護は「時間」と「予測不能さ」を伴うことが多く、夜間の対応や急な体調悪化など、生活のリズムが崩れやすいのが現実です。
たとえ介護休業などの制度があっても、「職場に遠慮して使いづらい」「制度内容が十分に知られていない」「業務調整が難しい」といった声が多く、実際の活用率は高くありません。
また、地方と都市で支援サービスの充実度やアクセスに差があり、サービスが利用しづらい地域もあるため、外部支援に頼れず家族に負担が集中する例も見られます。
離職後の苦悩 — 経済・生活の現実
介護離職によって収入が途絶えたり減少したりすることで、家計に与える影響は大きくなります。
特に介護サービスを継続的に利用するには一定の費用負担が必要であり、収入減少とサービス利用の両立は難しい場合があります。
また、離職による職場や人間関係の喪失、社会とのつながりの希薄化から、孤立感や精神的な負担を感じる人も少なくありません。
再就職を試みても、年齢やブランク、介護の継続といったハードルにより、以前のような条件で働くのは容易ではないという声も多くあります。
出典:日本財団ジャーナル
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介護離職による後悔とその実態
介護離職は「家族を支えるための決断」である一方、離職後に後悔や不安を抱える人も少なくありません。ここでは、介護離職後に起こりやすい課題や心理面の変化について整理します。
介護離職後の後悔と経済的不安
介護離職をすると収入が途絶えるため、家計への影響は大きくなります。
とくに介護サービスには費用がかかるため、収入減により訪問介護やデイサービスなどの外部サービスを十分に利用できなくなるケースも報告されています。
その結果、介護負担が家族に集中し、身体的・精神的な負担が増す傾向があります。
社会的孤立と再就職の壁
仕事を辞めることで、日常的に関わっていた職場の人間関係や社会的役割が失われ、孤立感や喪失感を抱く人もいます。
介護が長期化する場合、睡眠不足や慢性的な疲労により、うつ状態や健康悪化につながることも指摘されています。
また、離職後に再就職を希望しても、年齢・介護継続・ブランク期間が就労のハードルになる傾向があります。
公的統計でも、介護離職者の多くが中高年層(特に40〜60代)であることが示されており、この世代でのキャリア再構築は容易ではありません。
介護離職防止には多角的な支援体制が必要
これらの課題を踏まえ、介護離職を防ぐためには以下の仕組みが重要とされています。
支援領域 | 具体例 |
|---|---|
制度利用 | 介護休業・介護休暇・時短制度・テレワーク |
外部サービス | 訪問介護、ショートステイ、地域包括支援センター活用 |
家族・地域連携 | 親族分担、地域支援、相談窓口 |
キャリア支援 | 再就職支援、職業訓練、企業内サポート体制 |
介護離職は個人の問題にとどまらず、企業や社会全体に影響する課題です。
そのため、制度整備だけでなく、「使いやすい運用」や「相談できる体制づくり」が求められています。
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介護離職を防ぐための制度と利用方法
ここでは、国が定める介護と仕事の両立支援制度について整理します。
制度が存在していても、「内容を知らない」「利用方法がわからない」「会社に遠慮して使いづらい」と感じる人が多く、結果として離職につながるケースも少なくありません。
制度の種類や利用条件、申請手順を把握することで、介護と働き続けるための選択肢が広がります。
育児・介護休業法で利用できる制度一覧
育児・介護休業法では、介護離職を防ぐための複数の制度が設けられています。
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です
制度名 | 内容 | 利用可能期間・条件 |
|---|---|---|
介護休業 | 家族の介護のために連続休暇を取得できる制度 | 介護休業:対象家族1名につき93日まで(3回まで分割取得可能) 雇用保険から介護休業給付金(休業開始時賃金の67%)が支給。 |
介護休暇 | 1日・半日・時間単位で取得可能 | 年間5日(対象者2人以上は10日) |
所定外労働の制限 (残業免除) | 残業を免除できる | 申請後、期限なし |
深夜業制限 | 22時〜5時の勤務を制限 | 必要期間中 |
短時間勤務制度 | 所定労働時間を短縮して働ける制度 | 制限期間中利用可能 |
テレワーク・柔軟な働き方 | 法令では努力義務だが、導入企業が増加 | 企業規則に依存 |
2025年(令和7年)施行の変更点・注目点
2025年4月1日および10月1日に、改正育児・介護休業法が段階的に施行されました(一部は施行済み)。主な改正内容は以下の通りです。
2025年4月1日施行
介護に直面した労働者への個別周知・意向確認の義務化
テレワーク導入など柔軟な働き方を可能とする措置の事業主義務化
2025年10月1日施行
介護休業の取得単位の柔軟化(時間単位での取得可能化)※予定
これにより、制度の“存在”から“利用できる環境づくり”へ政策の重心が移りつつあります。
制度を利用する際の申請ステップ
制度は知っているだけでは活用できず、事前準備や社内調整が必要になります。以下は一般的な申請の流れです。
利用までの流れ
- 介護状態の確認・主治医意見書や要介護認定内容を整理
- 職場の就業規則・制度内容を確認
- 上司・総務担当へ相談、利用制度・期間を調整
- 必要書類提出(会社指定フォーマット・住民票等)
- 制度開始(勤務体制調整・介護サービス併用)
制度利用を「迷惑に感じる必要はない」という意識醸成も重要です。
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仕事と介護を両立するための現実的な選択肢
ここでは、制度利用だけに依存せず、働き方の調整・介護サービスの併用・家族間の役割分担など、実際の両立に役立つ手段を整理します。
介護は長期化する傾向があり、短期的ではなく中長期視点で生活設計や働き方を見直すことが重要です。
複数の選択肢を組み合わせることで、離職を避けながら生活と就労を継続できるケースがあります。
働き方の調整(柔軟勤務・部署変更・業務調整など)
制度を活用する前段階として、働き方の変更を検討することも選択肢のひとつです。
介護離職者の中には、「休業ではなく調整ができれば働き続けられた」という声も多く報告されています。
対応内容 | 例 |
|---|---|
勤務時間調整 | 時差出勤・短時間勤務・時短フレックス |
働く場所の調整 | テレワーク・モバイルワーク |
業務内容の調整 | 出張免除・担当変更・残業回避 |
配置転換 | シフト制→固定勤務、顧客対応→事務部門など |
これらは法制度対象外でも、企業と個別合意で実現できるケースがあります。
介護サービスを併用する(在宅介護・施設系サービスの活用)
介護保険制度では、要介護認定を受けた人が介護サービスを利用できます。働きながら介護する場合、「全てを家庭で背負わない」ことが前提となります。
区分 | サービス例 | 特徴 |
|---|---|---|
在宅系 | デイサービス・訪問介護・ショートステイ・訪問看護 | 仕事中の見守り・生活介助が可能 |
施設系 | 特養、老健、有料老人ホーム、グループホーム | 長期的な生活支援が可能 |
相談窓口 | ケアマネジャー(居宅介護支援事業所) | 介護計画作成・サービス調整 |
「ショートステイ」や「デイサービス」は、働く介護者の利用例が多く、特に仕事負担の軽減に役立ちます。
家族間の役割分担・外部リソースの活用
介護はひとりで抱えるのではなく、家族や第三者を含めた体制づくりが重要です。
活用できる選択肢例
- きょうだい間の費用分担・訪問当番を決める
- 民間サービス(家事代行・配食サービス・見守り機器)を導入する
- 地域包括支援センターに相談する
- 遠距離介護は「訪問頻度」ではなく「制度調整」で対処
役割分担は話し合いだけではまとまらないこともあり、第三者(ケアマネ・医療従事者・地域包括支援センター)の介入がスムーズなケースもあります。
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介護離職を考える前に検討したい支援サービス
ここでは、離職以外に取れる選択肢や、公的・民間サービスの活用方法を整理します。
介護は長期化しやすく、費用も生活への影響も大きいため、勢いや感情面だけで離職を決めると後悔につながることがあります。
介護保険制度、相談窓口、金銭面のサポート、家族支援、民間サービスを含め、活用できる支援策を総合的に整理することが重要です。
公的な相談窓口・支援機関を活用する
介護離職前にまず検討したいのが、公的な相談窓口の活用です。
特に地域包括支援センターは地域介護の相談窓口として設置されており、介護保険申請、サービス紹介、成年後見制度の相談など総合的な支援を受けられます。
また、会社員の場合は、社内の人事部門・産業保健スタッフへの相談も重要で、事前相談により制度利用や働き方調整が実現するケースがあります。
相談先 | 主な対応内容 |
|---|---|
地域包括支援センター | 介護保険申請・制度案内・サービス調整 |
ケアマネジャー | ケアプラン作成・サービス手配 |
市区町村窓口 | 介護保険料や助成制度の案内 |
職場(人事・労務) | 働き方調整・制度申請 |
産業保健/社内相談窓口 | 心理面・健康管理の支援 |
費用負担や今後の介護期間を見える化する
離職は収入の減少に直結するため、介護費用と将来の生活費を事前に把握することが必要です。
公益財団法人生命保険文化センター『令和6年度 生命保険に関する全国実態調査』(2024年実施)によると、在宅介護の月額費用(介護保険サービス自己負担分+その他費用)は平均5.3万円とされています。
※介護保険外の食費・居住費等を含む総額。要介護度やサービス内容により大きく変動します。
費用試算には、ケアマネジャーの調整や、自治体の助成制度の確認が役立ちます。
また、介護は数ヶ月ではなく数年〜10年以上続くケースもあるため、短期だけでなく中長期視点が欠かせません。
項目 | 月額目安(参考) |
|---|---|
在宅サービス併用 | 約3万〜7万円程度 |
施設入所 | 約15万〜30万円 |
民間サービス併用(家事代行等) | 1万〜5万円 |
※ 上記はあくまでも参考目安です。月額費用は住んでいる地域・要介護度・サービス内容により変動します。
成年後見制度や見守りサービスなど補完制度を知る
認知症や判断能力低下がある場合、成年後見制度を利用することで財産管理・契約・施設入所などの手続きができます。
また、仕事中に常にそばにいられない場合は、見守りセンサー・介護ロボット・緊急通報サービスなどの導入も検討できます。
これらは「介護=常に介護者がそばにいるべき」という固定観念を解消し、両立の選択肢を広げる役割があります。
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介護離職した人の再就職事情とキャリア形成
ここでは、介護離職後の再就職状況や課題、支援制度を整理します。
介護離職は一時的な判断であっても、再就職が難しくなるケースが多く、収入面やキャリア形成に影響が残ることがあります。
離職を検討している場合は、再就職状況の傾向や支援策を理解し、将来的な働き方も含めて検討することが重要です。
介護離職者の再就職率と課題
令和6年度の厚生労働省「仕事と介護の両立等に関する実態把握調査」によると、現在就業している介護離職者のうち、介護・手助のために離職してから、再就職した時までの期間は「3か月以上6か月未満」が 28.0%でもっとも割合が高く、次いで「1か月以上3か月未満」が 22.8%となっています。
主な再就職時の課題
- 年齢による雇用機会の減少
- フルタイム勤務が難しく希望条件の合致が少ない
- 空白期間(ブランク)やスキル更新の遅れ
- 介護が継続する不安による採用企業側の懸
再就職の際に選ばれやすい働き方の傾向
再就職後の働き方として多いのは、時短勤務・パート勤め・シフト調整可能な業務など、介護と両立しやすい就労形態です。
特に、訪問型勤務やオンライン対応が可能な事務仕事・サポート業務・地域密着型職種が選ばれる傾向があります。
近年では、テレワークやフレックス制度が一般化したことにより、選択肢が増えつつあります。
働き方例 | 特徴 |
|---|---|
短時間勤務・パート | 日中介護と調整しやすい |
完全在宅・テレワーク | 移動時間が不要、突発対応しやすい |
シフト制職種 | 勤務時間の調整が柔軟 |
フリーランス・業務委託 | 自分のペースで働ける |
再就職を支援する制度・活用できる窓口
再就職を希望する場合、公的な支援サービスを利用できる場合があります。
ハローワークでは、介護離職者向けの就労支援メニューがあり、職業訓練、相談窓口、キャリア設計支援などが提供されています。
また、求職者支援制度を活用し、必要に応じて資格取得やスキル再習得が可能です。
主な活用窓口
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 地域就労支援センター
- 求職者支援制度(スキル取得支援)
- 自治体の再就職支援講座
- ジョブカード制度活用セミナー
「今すぐ働きたい人」より、「介護の状況が落ち着いたら働きたい人」にも活用できる制度が増えています。
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まとめ
介護離職は、一時的な判断に見えても、収入や将来設計、キャリア形成に大きな影響を残す選択です。
近年は、国の制度や企業側の支援体制が整備されつつあり、制度利用や働き方の調整、地域や専門機関との連携によって仕事と介護を両立できるケースが増えてきています。
離職を検討する前に、制度やサービス、費用、今後の介護期間の見通しなどを整理し、利用可能な選択肢を比較することが重要です。
ひとりで抱えず、支援機関や職場に相談しながら、無理のない働き方や生活設計を検討しましょう。
よくある質問
Q.介護により離職した人の理由とは?
介護離職の主な理由は、「仕事と介護の両立が困難になったため」です。
具体的には、勤務先に介護休業制度などの支援制度が整っていない、制度があっても利用しにくい雰囲気がある、代替要員がいない、労働時間が長いなど職場環境の問題が大きく影響しています。
また、介護保険制度や支援サービスの情報不足も理由の一つです。
Q.介護離職は危険ですか?
介護離職は、経済的・精神的リスクが非常に高い傾向があります。
離職後の再就職が難しく、収入減少やキャリアの断絶、社会的孤立に陥る可能性があります。特に中高年層が多く、再就職先も限られるため、生活基盤が大きく揺らぐ危険性が指摘されています。
Q.親の介護で退職したら失業手当はもらえますか?
親の介護を理由に退職した場合、ハローワークで『特定理由離職者』(正当な理由のある自己都合退職)と認められれば、雇用保険の基本手当を受給できます。
通常の自己都合退職との違い
給付制限期間: 2ヶ月(通常の自己都合は2ヶ月、正当な理由なしは原則なし)
受給要件: 離職日以前2年間に被保険者期間12ヶ月以上(特定受給資格者と同様)
認定には、要介護認定書や医師の診断書など、介護の必要性を証明する書類の提出が必要です。詳細は最寄りのハローワークでご確認ください。
Q.介護離職防止の義務化は2025年までですか?
『介護離職ゼロ』は2016年の『一億総活躍プラン』で掲げられた政策目標です。2025年を目標年次としていましたが、離職者数は年間約10万人で横ばいが続いています。企業への両立支援の義務化(2025年4月施行)など法整備は進んでいますが、『義務化の期限』という形での目標設定ではありません。
※2025年12月時点での政策評価・継続方針については最新の政府資料をご確認ください。
出典:介護離職ゼロ ポータルサイト|厚生労働省





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