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- 介護職でキャリアアップを目指している方介護福祉士などの上位資格とも連携しやすく、将来的な役職・責任ある立場を目指す方に最適です。
- 日勤中心・身体負担の少ない働き方を希望する方運動指導や介護予防が主な業務のため、身体介助の負担も比較的少なく、体力的な無理なく続けられます。
- 地域包括ケアや介護予防事業に関わりたい方地域貢献度の高い仕事であり、介護予防事業や行政施策にも関わることができます。
- 未経験で介護分野への一歩を踏み出したい方介護予防運動指導員は、理学療法やスポーツ経験を活かせるため、介護未経験でもチャレンジしやすい資格です。

介護予防運動指導員とは
介護予防運動指導員とは、高齢者が要介護状態になるのを防ぎ、自立した生活を維持できるよう支援する専門職です。主な役割は、運動を通じた介護予防の推進であり、高齢者一人ひとりの身体機能に合わせた運動プログラムの作成や指導を行います。
さらに、健康を総合的にサポートするために、栄養や口腔ケアに関するアドバイスを提供することも特徴です。
ここでは、介護予防運動指導員がどのような資格で、どのような役割を担うのかについて解説します。資格取得を検討している方が、仕事の具体的なイメージや他の介護資格との違いを理解できるよう、概要や特徴を整理して紹介します。
介護予防運動指導員の資格の概要と役割
出典:事業概要|介護予防運動主任指導員・介護予防運動指導員養成事業|地方独立行政法人東京都長寿医療センター研究所
介護予防運動指導員は、高齢者の要介護状態を予防することを目的に、運動を中心とした生活機能向上プログラムを指導する専門資格です。
厚生労働省が推進する「介護予防・日常生活支援総合事業」の一環として位置づけられています。理学療法士や作業療法士などの医療専門職と連携しながら、運動機能や日常生活動作の維持・改善を支援します。
介護予防運動指導員の主な役割
- 高齢者の運動機能向上プログラムの作成・実施
- 生活機能低下予防のための運動指導や効果測定
- モチベーション維持や継続支援の提供
- 医療・介護専門職との連携による総合的な介護予防支援
特に、要支援・要介護リスクが高い高齢者に対する予防的アプローチが求められるため、地域包括支援センターや介護施設、自治体などでの活躍が期待されています。
仕事内容と提供するサービス内容
介護予防運動指導員の主な仕事内容は、高齢者の身体機能や生活習慣を評価し、個別または集団向けに適切な運動プログラムを提供することです。ここでいう評価とは、筋力やバランス能力、日常生活動作の状況などを確認することを指します。
【提供するサービス】
- 筋力向上トレーニング
- バランス訓練
- ストレッチ
- 転倒予防体操
運動指導だけでなく、栄養や生活習慣に関する助言も行い、総合的な介護予防を支援します。
地域の介護予防教室やデイサービスで活動するほか、自治体の介護予防事業に参加するケースも多く見られます。
指導の際には、高齢者の安全確保を最優先に、医師や理学療法士と連携しながら、利用者それぞれの身体状況に応じた無理のない運動を提案することが大切です。
他の介護資格との違いと位置づけ
介護予防運動指導員は、介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格と異なり、直接的な介護業務ではなく「予防」に特化した専門性を持つ点が特徴です。
このため、介護現場でのキャリアアップや地域包括ケアシステムにおける役割強化を目指す人に適した資格といえます。
他の介護資格との比較
以下の表では、他の主要な介護・医療資格との違いを比較しています。
資格名 | 主な業務 | 取得難易度・期間 | 位置づけ |
---|---|---|---|
介護予防運動指導員 | 運動指導・介護予防支援 | 数日~数週間の講習 | 介護予防に特化 |
介護職員初任者研修 | 身体介護・生活支援 | 約1~2か月 | 基本的介護資格 |
介護福祉士 | 介護計画作成・身体介護全般 | 実務経験3年以上+国家試験 | 介護現場の中核資格 |
理学療法士 | 医学的リハビリテーション | 国家資格(3年以上の専門教育) | 医療リハ専門職 |

介護予防運動指導員になるには
ここでは、介護予防運動指導員になるために必要な受講要件や資格、養成研修の流れ、修了試験の難易度、資格更新の方法について解説します。
これから資格取得を目指す方が、手続きや学習のステップを具体的にイメージできるように整理しています。
受講要件と対象資格一覧
介護予防運動指導員養成研修を受講するには、一定の介護・医療関連資格が必要です。主な対象資格は以下のとおりです。
受講に必要な資格
資格区分 | 主な対象資格 |
---|---|
介護関連資格 | 介護福祉士、介護職員初任者研修、実務者研修修了者 |
医療専門職 | 理学療法士、作業療法士、看護師、保健師 |
その他 | 一定の介護実務経験者(自治体の要件による) |
出典:介護予防運動指導員Ⓡ養成事業について|地方独立行政法人東京都長寿医療センター研究所
受講要件は実施機関によって異なる場合があるので、各教育機関の案内を確認しておきましょう。
養成研修の流れと取得までのステップ
養成研修は、講義と実技演習を組み合わせて実施されます。
まず、介護予防の基礎知識や高齢者の身体機能に関する座学講義を受講し、その後、運動プログラム作成や指導方法を学ぶ実技研修に進みます。
研修期間は一般的に3日〜10日程度で、近年は集合研修とeラーニングを併用するケースも増えています。最終日には修了試験が行われ、合格すると「介護予防運動指導員」として認定されます。
取得までの4ステップ
- 受講申し込み(研修機関へ申請)
- 講義受講(介護予防の基礎知識を学ぶ座学)
- 実技研修(運動プログラム作成・指導方法を習得)
- 修了試験合格後、資格登録手続きを行う
修了試験の難易度と合格率
修了試験は、講義や実技で学んだ知識が身についているかを確認するために実施されます。主な出題内容は、介護予防の基礎理論、高齢者の身体機能評価、運動プログラムの作成方法などです。
また、多くの研修では記述式や選択式の筆記試験に加え、簡単な実技評価が行われています。合格率は公的に統計化されていませんが、講義をしっかり受講し実技に取り組めば高い確率で合格できるとされています。
難易度は国家試験のように厳しいものではなく、あくまで実務で活かせる知識・技能を確認することが目的です。未経験者でも、しっかりと学習していれば十分対応できるでしょう。
資格更新(3年ごとの手続き方法)
介護予防運動指導員の資格は、取得後も定期的な更新が必要で、原則として3年ごとに手続きを行います。
更新時には、最新の介護予防理論や指導方法を学ぶフォローアップ研修を受講するのが一般的です。
更新に必要な書類や研修日程は、資格を発行した各団体から通知されます。更新手続きを怠ると資格が失効する場合があるため、期限管理を徹底しておきましょう。
また、更新研修では最新の運動プログラムや事例研究を学べるため、資格維持だけでなく実践スキル向上にも役立つとされています。現場で指導を継続する場合は、更新研修を積極的に活用することが推奨されます。
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介護予防運動指導員の給料・年収
介護予防運動指導員の給与は、勤務先や雇用形態によって幅があります。求人ボックスに掲載された東京都の求人を参考にすると、正社員として働く介護予防運動指導員の月給20万~30万円程度が多く、賞与・昇給制度がある事業所も見られます。
一方、アルバイト・パートは時給1,150円〜1,300円前後が目安です。国家資格ではないため、資格手当の有無は勤務先の規定次第ですが、介護福祉士や健康運動指導士などと併用すると給与面で有利になることがあります。
雇用形態 | 月給目安 | 年収目安 | 時給目安 |
---|---|---|---|
正社員 | 20万~30万円 | 250万~380万円 | ― |
契約社員 | 18万~25万円 | 220万~320万円 | ― |
アルバイト・パート | ― | ― | 1,150円~1,300円 |
また、デイサービスなど日勤中心の勤務先が多く、夜勤手当は少ない一方で、ワークライフバランスの良い働き方が可能です。
出典:給与・年収の目安(東京都求人例/求人ボックス 2025年7月調査)

介護予防運動指導員の難易度
介護予防運動指導員の資格試験は、講座修了試験の位置づけであり、難易度はそれほど高くありません。出題形式は1時間で45問を解くマークシート方式で、講義で学んだ内容が中心となります。
過去問題集は市販されていないため、受講中に学んだ知識を確実に理解しておくことが重要です。
合格率は正式に公表されていませんが、修了試験の性質上、高い合格率だと考えられます。
また、資格取得には介護・医療関連の資格や実務経験など一定の受講条件があり、未経験者が独学で挑戦できるものではない点には注意が必要です。
出典:日本介護予防協会
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介護予防運動指導員の取得にかかる学習時間の目安
資格取得には、講座の受講が必須で、学習時間は合計約31.5時間とされています。スクーリングは5日~1か月程度のカリキュラムで構成され、講義や実技を通じて高齢者向け運動指導や介護予防理論を学びます。
平日勤務中の方でも受講しやすいよう、週末中心や短期集中型のコースが用意されている学校もあります。また、最大1年間受講期間を延長できるケースもあり、ライフスタイルに合わせた学習計画が可能です。
費用はおおよそ9万円前後で、他の介護資格と比較して短期間かつ専門性に特化した学習ができる点が特徴です。

介護予防運動指導員養成講座のカリキュラム
ここでは、介護予防運動指導員養成講座で学べる内容や実習のポイント、eラーニングや通信講座の有無、通学との違いについて解説します。これから受講を検討する方が、学習スタイルや内容を具体的にイメージできるよう整理しています。
学べる内容と実習のポイント
介護予防運動指導員養成講座では、介護予防に必要な基礎知識から実践的な指導技術まで幅広く学びます。座学で得た理論を実践に落とし込むことで、高齢者一人ひとりに適した運動支援ができるようになるでしょう。
講座で学べる主な内容
学習区分 | 主な学習内容 | 具体的なポイント |
---|---|---|
座学(講義) |
| 高齢者の身体機能評価や転倒予防理論など、科学的根拠に基づいた知識を習得する |
実技(演習) |
| 正しいフォーム指導、安全確認、強度調整など現場で即応用できる指導技術を身につける |
プログラム作成 | 個別および集団向けの運動プログラム立案・評価方法 | 参加者の身体状況に応じたプログラム構築や効果測定の方法を学ぶ |
模擬指導・事例研究 | ペアワーク・グループワークによる模擬指導 | 実際の指導場面を想定し、実践的スキルとコミュニケーション力を養う |
eラーニング・通信講座の有無と通学との違い
近年、介護予防運動指導員養成講座では、eラーニングや通信講座を導入する機関が増えています。
eラーニングでは、座学部分をオンライン動画やテキストで学ぶことが可能で、仕事や家庭の都合に合わせて学習できる点が大きな利点です。
ただし、運動プログラムの作成や指導方法などの実技研修は対面が必須とされるため、完全通信のみで資格取得できるケースはほとんどありません。
通学講座は講師や受講生との直接的なコミュニケーションが取れるため、指導法の細かい修正や即時フィードバックを受けられるのが特徴です。ただし、通学時間や日程の確保が必要になります。
学習時間に柔軟性を求めるならeラーニング、実技スキルの習得を重視するなら通学講座が適しています。
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介護予防運動指導員養成講座の資格取得にかかる費用と期間
ここでは、介護予防運動指導員の資格取得にかかる受講料の相場やスクール別の料金比較、また講座期間の目安について解説します。予算や学習スケジュールを立てる際の参考となるよう、最新の傾向もふまえて整理しています。
受講料の相場とスクール別料金比較
介護予防運動指導員養成講座の受講料は、主催する機関や地域によって差があります。地域密着型研修団体では、5〜7万円程度が相場です。
一方、民間スクールが提供する講座では、実習内容や教材の質に応じて7〜9万円程度になることがあります。以下に主な実施機関の受講料例を示します。
受講料の比較表(相場)
実施機関 | 受講料(税込) |
---|---|
大手スクール | 約88,000円 |
地域密着型研修団体 | 約65,000円 |
※実費交通費や教材費が別途かかることもあるため、申込前に確認しましょう。
講座期間・取得までの目安期間
介護予防運動指導員の資格取得までに必要な学習期間は、短期集中型の構成が一般的で、おおむね3日〜10日程度です。日数は、座学と実技研修の配分、eラーニングの導入有無、開催頻度による違いによって変わります。
通学形式の場合、3日連続の集中講座、または隔週1回×数週での実施が多く、働きながらでも参加しやすい日程設計がされています。eラーニング併用型では、座学部分を自宅学習で進め、実技のみを通学で受講するスタイルが一般的です。
最終日に実施される修了試験に合格し、修了証が交付されることで資格を取得できます。全体として、1〜1.5か月以内での取得が可能とされています。
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介護予防運動指導員を取得するメリット
ここでは、介護予防運動指導員を取得することで期待できるメリットについて解説します。
給料アップや資格手当、夜勤や残業が少ない働き方ができる理由、そして需要の高さと将来性についてもまとめました。介護予防運動指導員の資格を取得すべきか迷っている方はぜひチェックしてみてください。
メリット1. 給料アップ・資格手当が期待できる
介護予防運動指導員の資格を取得すると、介護施設やデイサービスなどで資格手当が支給される場合があります。ただし、国家資格ではないため、手当の有無や金額は勤務先によって異なります。
給与面での直接的なアップに加え、専門性を活かしたキャリアアップや、介護予防分野での評価向上にもつながるため、取得を目指す人が増えています。
メリット2. 夜勤・残業が少なく働きやすい
主な活躍の場はデイサービスや地域包括支援センター、自治体主催の介護予防教室など、日中の運営が中心の職場です。夜勤や長時間残業が少なく、計画的なシフトで勤務しやすい点が特徴です。
また、生活介護中心の業務と比べて身体的負担が軽く、家庭や育児と両立したい人や、日勤メインの職種への転職を考える介護職員にも人気があります。
メリット3. 高い需要と将来性がある
高齢化が進む日本では、要介護状態を防ぐ「介護予防」の重要性がますます高まっています。
厚生労働省が推進する介護予防・日常生活支援総合事業においても、地域の健康づくりを担う専門職が、住民の自立支援と生活機能の維持において重要な役割を果たすことが期待されています。
特に、デイサービスや自治体の介護予防教室、フィットネス事業などでの需要が高く、専門性を活かした活躍が期待されているのです。今後も介護予防事業の拡充が見込まれ、資格取得者への求人は増加傾向にあります。
需要が高い理由
- 高齢化に伴い介護予防事業が拡充されている
- 厚労省が「介護予防・日常生活支援総合事業」を推進
- デイサービス・自治体事業・フィットネス業界など活躍の場が拡大中

介護予防運動指導員の加算と活用方法
ここでは、介護予防運動指導員が介護報酬で加算対象となる条件や、その加算を活用して成果を上げた事業所の事例について解説します。
資格取得を検討する方や事業所運営者が、制度を活用する際の参考になるよう整理しています。
介護報酬での加算対象となる条件
通所介護や地域密着型サービスにおいて、生活機能向上連携加算などの算定には、一定の条件を満たす必要があります。加算を受けるには、以下の3点が求められます。
- 厚生労働省が定める養成研修を修了した指導員が配置されていること
- 個別機能訓練計画や評価を実施していること
- 医師・理学療法士など専門職との連携が図られていること
加算額は月数百円程度で、詳細な基準や要件は自治体や年度によって異なるため、最新の介護報酬基準を確認することが重要です。
介護予防運動と加算制度の活用ポイント
介護予防運動指導員は、通所介護や地域密着型サービスにおいて、個別機能訓練加算や機能訓練加算の算定に重要な役割を果たします。
特に個別機能訓練加算(Ⅰ・Ⅱ)は、利用者一人ひとりに応じた訓練計画の立案と実施に加え、科学的介護情報システム(LIFE)へのデータ提出とPDCAサイクルの実践が求められる制度です。
機能訓練加算(Ⅱ)では、訓練の継続性や評価体制が要件となっており、専門的な指導体制が不可欠です。
これらの加算制度を活用することで、事業所は収益の安定化を図れるだけでなく、利用者の生活機能の維持・改善やサービスの質向上にもつながるでしょう。

介護予防運動指導員の活かせる職場
ここでは、介護予防運動指導員の資格が活かせる具体的な職場について解説します。
デイサービスや自治体、医療機関での活躍事例に加え、スポーツジムやカルチャーセンターでの需要についてもまとめました。
デイサービス・自治体・医療機関
介護予防運動指導員は、以下の場面での活躍が期待されています。
- デイサービス
- 地域包括支援センター
- 自治体が運営する介護予防教室
これらの施設では、高齢者の運動機能向上や転倒予防を目的としたプログラムが中心であり、専門的知識を持つ指導員が必要とされています。
医療機関では、理学療法士や作業療法士と連携し、退院後の在宅生活を支える運動指導を担当する役割もあります。介護と医療の両面で需要が高まっており、地域包括ケアの推進に貢献できる資格といえます。
スポーツジムやカルチャーセンター
近年、介護予防の重要性が高まるなか、スポーツジムやカルチャーセンターなど民間施設でも介護予防運動指導員の需要が高まってきています。
高齢者向けフィットネスプログラムや健康維持教室では、運動機能評価や安全に配慮したトレーニング指導が求められ、専門知識を持つ資格保有者が重宝されています。
また、介護施設に比べて健康な高齢者を対象とすることが多く、利用者の状態に合わせた多彩なプログラムを企画できる点も特徴です。
自治体との連携で地域住民向け講座を担当するケースもあり、活動の場は介護分野にとどまらず、健康産業全般へ広がっています。
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介護予防運動指導員の資格は転職・キャリアアップに役立つ?
介護予防運動指導員の資格は、介護職やリハビリ関連職からのキャリアアップにも役立ちます。デイサービスや通所リハビリなどでは、資格保有者を優遇する求人があり、資格手当が支給されるケースも見られます。
また、運動機能向上や生活機能維持の専門知識を持つことで、機能訓練指導員補助やチームリーダーなど、より専門性の高いポジションを目指すことも可能です。
介護現場だけでなく、地域包括支援センターや自治体事業への転職にも有利に働く場合があります。
今後、介護予防事業の拡大が見込まれる中、専門性をアピールできる資格として長期的なキャリア形成に役立つでしょう。

介護予防運動指導員のスクール選びのポイント
ここでは、介護予防運動指導員の資格を取得するためのスクール選びについて解説します。
特に知名度の高いセントラル・スポーツ系講座の特徴や、各スクールにおける費用・通学日数・サポート体制の違いを把握することが大切です。
スポーツ系講座の特徴
スポーツ系の介護予防運動指導員養成講座は、フィットネスや健康運動指導のノウハウを活かした実践的なカリキュラムが特徴です。
高齢者向けの安全なトレーニング方法や身体機能評価、転倒予防を目的とした運動プログラムの作成など、現場に応用しやすいテーマが盛り込まれています。
講師は健康運動指導士や理学療法士など運動・リハビリ分野の専門職の方が多く、科学的根拠に基づいた最新のトレーニング理論を取り入れている点も特徴といえるでしょう。
また、eラーニングを導入する講座が増えており、座学はオンライン、実技は通学で行うなど、柔軟なスタイルが主流になりつつあります。
これにより、働きながらでも無理なく学習でき、介護施設に限らず、地域の健康教室やフィットネスクラブなど多様な現場での活用が期待できます。
費用・通学日数・サポート体制の違い
養成講座を選ぶ際は、費用・受講期間・サポート体制の3点を比較検討することが重要です。特に働きながら受講を考えている人や、学習に不安がある人にとっては、フォロー体制の充実度がスクール選びの決め手になる場合もあります。
講座内容やスケジュールだけでなく、資格取得後の進路支援があるかどうかも比較ポイントとなります。自分の目的に合った講座を選ぶことが、資格取得後の活用につながるでしょう。

介護予防運動指導員は意味がない?
一部では「介護予防運動指導員は意味がない」といった意見もありますが、これは資格の性質や活躍分野を誤解している場合が多いです。
確かに国家資格ではなく、資格手当や給与面で即効性のある待遇改善が難しいことから、過小評価されることがあります。
しかし、介護予防の需要は高齢化に伴い拡大しており、運動指導の専門性はデイサービスや自治体事業で重視されています。
また、夜勤のない働き方や健康増進に関わるやりがいは他の介護資格とは異なる魅力です。将来的な介護予防事業の拡大を考えれば、資格取得はキャリア形成や転職の強みとなる可能性が高いといえるでしょう。

まとめ
介護予防運動指導員は、高齢者の健康維持や転倒予防を支える重要な役割を担う資格です。国家資格ではないものの、介護報酬加算の条件となる場合があり、キャリアアップや専門性を高めたい方には大きなメリットがあります。
未経験や文系の方でも、基礎資格があれば研修を通じて一から学べるので安心です。研修は短期間で取得でき、働きながら学べるeラーニングも普及しています。
今後、高齢化が進む社会で需要が増す資格ですので、「介護現場でさらに活躍したい」「日勤中心の働き方を目指したい」と考えている方は、ぜひ挑戦してみてください。
よくある質問
Q.介護予防運動指導員の資格に落ちた場合でも再挑戦できる?
介護予防運動指導員の修了試験に不合格でも再挑戦は可能です。多くの研修機関では再試験や補講が用意されています。
出題範囲となる介護予防理論や高齢者の身体機能評価などを復習し、講師への質問やテキストの活用で理解を深めましょう。再受講が必要な場合もありますが、実務に役立つ知識が得られる良い機会といえます。
Q.介護予防運動指導員は加算対象になる?
介護予防運動指導員は「運動機能向上加算」や「生活機能向上連携加算」など、介護報酬加算の対象になる場合があります。
加算には運動プログラムの評価や多職種連携が必要です。資格保有者は専門職として配置されることが多く、事業所にとって加算取得の重要な人材です。ただし金額や条件は自治体で異なるので事前に確認しておきましょう。
Q.介護予防運動指導員は未経験・文系でも取得できる?
介護予防運動指導員は、介護や医療関連の基礎資格があれば未経験や文系でも取得可能です。
講座は理論から実技まで段階的に学べるため、運動経験が少ない人でも理解しやすい構成です。基礎知識を予習したり、講師へ積極的に質問したりすることで、本番当日も落ち着いて試験に臨めるでしょう。
Q.介護予防運動指導員は意味ない資格?
介護予防運動指導員は国家資格ではないため、資格だけで大幅な給与アップは期待できません。しかし、介護予防事業の拡充に伴い、デイサービスや自治体の介護予防教室では専門性が評価される場面が増えています。
加算取得の条件として配置されるケースもあり、運動指導やキャリアアップを目指す人にとっては取得価値の高い資格だと言えるでしょう。

海野 和(看護師)
この記事の監修者情報です
2006年に日本消化器内科内視鏡技師認定証を取得し、消化器系疾患の専門的な知識と技術を習得。2018年にはNCPR(新生児蘇生法専門コース)の認定を取得し、緊急時対応のスペシャリストとしての資格を保有。さらにBLS(HeartCode®BLSコース)を受講し、基本的生命維持技術の最新知識を習得。豊富な臨床経験と高度な専門資格を活かし、医療・介護分野における正確で信頼性の高い情報監修を行っています。
【保有資格】
・日本消化器内科内視鏡技師認定証(2006年取得)
・NCPR(新生児蘇生法専門コース終了認定証)(2018年取得)
・BLS(HeartCode®BLSコース)受講済み
